『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』リチャード・ロンクレイン監督 インタビュー

  • HOME »
  • インタビュー »
  • 『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』リチャード・ロンクレイン監督 インタビュー

INTERVIEW

『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』

モーガン・フリーマンとダイアン・キートンが初共演することで話題の「ほとんど完璧な小説」を映画化した『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』のリチャード・ロンクレイン監督にインタビューを行った。

―原作を知ってから、映画化するまでにどれくらいの年月がかかりましたか?
まず脚本を読んでから原作を読んだのです。原作は脚本とはかなり違うものだったのですが、私が脚本を読んでから半年で撮影しました。かなり早いですね。

―映画化と監督を務めることになった経緯は?
最初に友人が脚本を読み、それから僕が読んでとても気に入ったんです。その後、友人に「モーガン・フリーマンに僕が監督していいか、聞いていいかな?」と話しました。そういうわけで僕が自分で監督をしたいと言って実現しました。

―ルースとアレックスは原作ではユダヤ人夫婦の設定ですが、本作では白人と黒人に変更されていますがその理由は?
原作では黒人のユダヤ人でした。すでにモーガンが主演で決まっていたので、モーガンとダイアンならばより複雑な関係性、キャラクターに深みをもたせることもできるし、おもしろい関係性が描けると思いました。映画としては、異人種カップルであるということが焦点ではありません。

―まるで夫婦にしか見えないモーガン・フリーマンとダイアン・キートンですが、この二人をキャスティングするのは初めから決めていたのですか?
ダイアンとモーガンの二人は本物の夫婦に見えますね。モーガンにまず脚本を読んでもらって、私が監督すると合意したときに、モーガンもプロデューサーなので、彼が主演に決まった後に相手役をどうするかということになって、ダイアンを決めました。モーガンさんと私の二人で決めてダイアンになったのです。彼女が第一候補でした。

―撮影現場での二人の様子は?
二人は”ブロードウェイが大好き”だから現場では椅子に座ってよくデュエットで歌ってハモっていました。テイクの途中でも二人で歌っていました。

―シンシア・ニクソンはとてもニューヨークらしい女優ですが、彼女をキャスティングした理由は?
シンシアはまさにニューヨークの化身みたいな女優さんです。素晴らしいキャスティング・ディレクターがいて、LAから来たその人からのオファーでした。実は私は『セックス・アンド・ザ・シティ』をよく知らなかったんです。ただ彼女に会って、彼女の性格が素晴らしいと思いました。リリーのシーンはかなり難しいですよね、長いシーンもあるし、彼女が引っ張っていくシーンがあるのですが、とても経験があって、優れた女優さんだったのでできた、と言えますね。

―監督はイングランド出身ですが、ニューヨークでの撮影はいかがでしたか?
ニューヨークは本当に好きです。19歳で美大に通い、ニューヨークに住む機会がありました。妻にもニューヨークで出会ったのです。街にも同時に恋をしました。最近まで息子がニューヨークに住んでいました。私にとって良い思い出がある街です。ニューヨークは美しい街なので、だからぜひフィルムに焼き付けたかったのです。

―劇中では買う気がないのに住宅の内覧に来ている人もいたようですが、引越しは頻繁に行われているのですか?
内覧はアメリカでは、イギリスよりもよくやっている習慣です。内覧はアメリカでは売るための手段ですし、売りたい人はよく内覧をします。頻繁に行われています。映画でもただ見に来るだけの人っていましたよね。実際にかなり不動産屋に話を聞いたのですが、いろいろなことを教えてくれて、こういう人たちがいるということを聞いて、話をそのまま生かして取り入れました。

―ニューヨークは家賃がとても高いと思いますが、それでも住みたいと思う理由はなんだと思いますか?また、監督は住んでみたいと思いますか?
いま私自身が長期で住みたいとは思いません。若い時に住んで気に入っていましたけど、10年住みましたし、マンハッタンはタフな街です。若い人か金持ちでないと住みづらい街です。冬はとにかく寒い、夏はとにかく暑い。それが年をとった方が引っ越していく理由でしょうね。僕はロンドンが好きですし、ニューヨークにずっと住みたいとは思わないですね。ただ訪問するのは好きです。

―日本の観客にメッセージをお願いします
この原作を知った時に絶対に映画化しなければと思いました。この映画は楽天的になれる、これからの人生をワクワクさせてくれることがあると思える映画です。若い人にとっては、自分の親がどのように思っているかとか想像しながら観てもらえるのではないでしょうか。文化の違う国の方に観ていただけるなんて、監督として素晴らしい経験です。日本の皆さんがどう観てくれるかとても楽しみにしています。

『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』リチャード・ロンクレイン監督

『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』

『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』 (1)

TRAILER

DATA
映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』は2016年1月30日(土)よりシネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、109シネマズ二子玉川ほか全国で順次公開!

監督:リチャード・ロンクレイン
出演:モーガン・フリーマン、ダイアン・キートン、シンシア・ニクソン、クレア・ヴァン・ダー・ブーム、コーリー・ジャクソン
配給:スターサンズ
2014年/アメリカ/92分

©2014 Life Itself, LLC ALL Rights Reserved

PAGETOP
© CINEMA Life!