『ポンチョに夜明けの風はらませて』太賀・中村蒼・矢本悠馬 インタビュー

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INTERVIEW

注目の新鋭監督・廣原暁が描く覚醒青春ロードムービー『ポンチョに夜明けの風はらませて』に出演する太賀・中村蒼・矢本悠馬にインタビューを行った。

―観ていてとても青春を感じる映画でした。3人での共演はいかがでしたか?
太賀 楽しかったです
矢本 めちゃくちゃ楽しかったです。
中村 初めましてじゃないですしね。
太賀 3人がそれぞれ仕事していたり、プライベートで交流はありましたけど、この3人の組み合わせは初めてだったので“どうなるんだろうな”という期待と楽しみな気持ちで撮影に臨みました。でも、一瞬で打ち解けて、ああこれはもう問題ないなと感じました。
中村 ・・・。
矢本 (中村が)“そうじゃなかった”という顔してますけど(笑)

―実年齢は高校生よりも上ですが、高校生を演じるうえでどう考えましたか?
太賀 高校生だから高校生らしさを見せなきゃとは考えなかったです。それよりも、(自身が演じる)又八というキャラクターが魅力的だったので、より又八らしさを追求すれば成立するのかなと思いました。
矢本 この作品では僕は学校にいないので高校生らしさは意識せずに撮影に入りました。まずは、“あそこ”が大きいというギャップにならなきゃいけないと思って、ギャップを作るうちにかわいいキャラクターになった。ボケるキャラクターではなく受け身なので、2人がどう出てくるかでリアクションの具合や芝居のテンションは探っていこうかなというスタイルでした。
中村 僕も高校生らしさを出すことはなかったです。学生服を着ているので自分がというよりは、周りがどう思うかなというくらいで、こういう風にしてというのは考えなかったです。

―演じていて一番楽しかったシーンはどこですか?
太賀 3人でいるときはどのシーンも楽しかったんですけど、パッと浮かぶのは川のシーンですね。
矢本 あれは本当に面白かった(笑)
太賀 (ジャンボが)自分のサイズ感に悩んでて、それに対して諦めてる。僕と(中村演じる)ジンで「何諦めてるんだよ」っていう流れが好きです。
矢本 本番中笑いそうだった(笑)引きのショットでよかった。あのマジメさがおもしろかった(笑)途中で切られちゃったけど。あと車の中でスローモーションでハンバーガーとポテトをバンバンぶつけるシーンが楽しかった。
中村 あのシーンだけ見ると何の映画か分からない。

―そのシーンでは細かい演技指導はありましたか?
太賀 なかったかな。
矢本 “激しく動いてかっこつけて”っていうのはありましたけど。
太賀 なんでもOKだったね。監督に限らずスタッフはピリピリしていた。どういう風に狙っていくかとか微妙な調整が大きかったので芝居に関しては任せてくれた。
中村 僕は花火をやっていて、太賀がナース服を着ていて、それを狙うシーン。あれは楽しかった。
矢本 (中村)蒼君がドSすぎて、太賀が怒ってたもんね。
中村 こんなに必死になってる太賀見たことがないくらい。真冬の深夜にナース服着て逃げてた。
太賀 何テイクも重ねたのに笑いながらやってるから。
矢本 (太賀が)楽屋で憔悴しきってて、人がいっぱい死ぬ映画を作ってるみたいに見えた(笑)

―ご自身の高校生の時の思い出はありますか?
太賀 高校一年生の時に、地元の友達と自転車で江ノ島に旅に出たのが思い出深いですね。
―本作と重なる部分もありますね。
太賀 そうですね。
中村 僕は高校の時は全然楽しくなかった。転校したので、福岡での高校生活を楽しんでないし、東京も馴染むのに時間がかかった。地元の高校に通っていた人に比べると青春のようなことはあまりしなかったですね。そこはもったいないなとずっと思っていて、今回のような映画に出演して少しだけ戻って体験してみるという感じでしたね。

―アドリブでやったシーンはありますか?
矢本 どのシーンにもちょいちょい入ってる。
中村 それで3人の空気が作られていった気がする。
矢本 歌うたってる時の掛け声みたいなのは楽屋でやってるのを入れたりとか、ふざけすぎたら止められることもあった。
太賀 監督の顔はちょいちょい見てて、遠くで笑ってたらいいなとは思うんですけど、全然笑ってないときがあって、さすがに抑えておこうみたいな。
中村 車を壊すシーンも、ざっくり車を壊すくらいしか決まってないから、好きなように任せてもらえた感じはしますね。

―役作りではなくて、みなさんの素を見れる?
太賀 3人の空気感がうまくいっていたんだなと今になっては思いますね。任せてもらっていたし。
矢本 長回しが多かったかから、芝居の隙間をアドリブで埋めた。おもしろくしようというよりは、説得力がある感じで入れた。

―廣原暁監督はみなさんとそんなに年が離れていませんが、どんな監督でしたか?
太賀 口数が多いタイプではないですね。
矢本 ふわっとしていましたね。映画のインタビューで、「どういう映画ですか?」って聞かれて、2分くらい待って「分かんない」って(笑)

―今回演じたキャラクターで、ご自身と似てる部分や違うという部分はどこですか?
太賀 又八を演じるうえで思ったのは、又八の明日を顧みずに目の前のものに飛びついて、しかもそれが本能的なところが魅力だと思ったし憧れたんです。僕の場合は青春時代に仕事を始めていたし、どうしてもブレーキを踏まないといけない瞬間があった。又八はアクセルをガンガン踏んでいくのが僕との違いです。でも、楽しいことに目がないのは似ていると思います。
中村 (自身が演じる)ジンは賢くて、3人の中でも頭脳的なのでそういうところは全然似てないですね。頭が良くて、道をそれたら直す人間ですけど、助けるべき女の子がいても「顔がブスだったらどうしよう」とか、バッサリ切るところは切るところもある。そういうジンのマジメだけどマジメすぎない、ふざけてたりする部分は似てるなと思います。だから太賀の花火のシーンはテンションあがった。
矢本 全体的に似てないです。でも似てるところをあげるとすれば、僕は普段弟キャラなんです。ワチャワチャしてて、ふざけてる。太賀にもいつも「10代だね」って言われる。でも、ジャンボは意外に冷静で大人な部分があって。ナルシズムじゃないんですけど、僕も意外と冷静で大人なんです(笑)そういうところは似てるなと思います。それ以外は全然違いますね。

【写真/後藤詩織、文/片岡由布子】

中村蒼、太賀、矢本悠馬

中村蒼、太賀、矢本悠馬

STORY
人生をなんとなく過ごし、大きな夢や目的を見出せないまま日常を送ってきた男子高校生たちが高校最後の旅で、癖のある人々と出会い、予期せぬ体験をしながら自分たちの生き方を見つけていく覚醒青春ロードムービー。数々の青春小説を手がける早見和真の同名小説を気鋭の映像作家・廣原暁が映画化。人情深いお調子者の主人公・又八役に太賀、知的でクールな仁役に中村蒼、心優しいジャンボ役に矢本悠馬、彼らの旅の戻りを待っている中田役に染谷将太、クレイジーなグラビアアイドルの愛役に佐津川愛美、風俗嬢・マリア役に阿部純子と若手実力派キャストが集結した。


TRAILER

DATA
映画『ポンチョに夜明けの風はらませて』は2017年10月28日(土)より新宿武蔵野館ほか全国で公開!
監督・脚本:廣原暁
原作:早見和真「ポンチョに夜明けの風はらませて」(祥伝社刊)
出演:太賀、中村蒼、矢本悠馬、染谷将太、佐津川愛美、阿部純子/角田晃弘(東京03)/佐藤二朗、西田尚美
配給:ショウゲート
©2017「ポンチョに夜明けの風はらませて」製作委員会

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