『台湾より愛をこめて』大野拓朗 単独インタビュー

INTERVIEW

夢を追う若者たちをドキュメンタリータッチで描いた青春ロードムービー『台湾より愛をこめて』に出演する大野拓朗に単独インタビューを行った。


―オファーを受けた時、台本を読んだ時の感想をお願いします。
芸人さんだ!と思いました。ちょうど『わろてんか』(NHK、2017)で芸人さんの役を始めた時だったので芸人さんづいてるなと思いました。台湾に男二人で行ってドキュメンタリー風に撮るという内容でした。台本も一応の道筋みたいな感じだったので現地に行ってからセリフが変わったり、毎晩のように監督やプロデューサーと「明日のこのシーンはセリフ変えよう」などと相談をしました。現場では、僕もおっちー(落合)もその場で出てきた言葉で芝居することもありました。二人で旅している感じが面白かったし、どんな感じで撮れるんだろうなと思いました。

―リアルな会話が多かったですが、落合さんと二人で撮影していましたか?
ハンディカメラを渡されて二人だけで町を歩いて撮ってきたものもありました。おっちー(落合)が持つことが多かったので、九份とか僕しか映っていないハンディカメラっぽい感じのシーンは二人だけで行っているところですね。アドリブですし、特にセリフの相談もせずに撮影しました。

―ネタを披露するシーンがありますが、ネタは大野さんが考えたのですか?
自分で何か考えようと思っていたのですが、監督もおもしろいことをやっている方なので、ご自身でネタを書いていました。作品中に出てくるネタ帳は美術として(監督の)三原さんが、くだらないギャグとかを色々と書いてくださって、その中で使えそうだなと思ったネタを僕が発展させて作り上げました。

―若手監督である三原監督とのタッグはいかかでしたか?
楽しかったです。全員若かったですし、カメラさんも同い年です。みんなで作り上げていく感じでした。三原さんも感情の部分とかこだわるところはこだわりますし。でも、任せるところは任せてくれる。ドキュメンタリーな感じで、現場で相談しあいながらみんなで一生懸命作り上げいく、とても楽しい撮影でした。

―撮影時の思い出深いエピソードはありますか?
とにかく暑かったですね。倒れそうになるくらい汗だくでした。

―台湾と言えば食事に人気がありますが、おいしかったものありましたか?
かき氷はおいしかったです。おばちゃんがサービスしてくれて、更に大盛りを2個出してくれて、台湾の人たちの温かさを感じました。飲食店のご飯もめちゃくちゃおいしかったです。

―初台湾でしたか?
はい、初台湾です。いいところでした。

―コントの練習はどのようにしましたか?
当日現場で撮影始まる前に合わせました。中国語(の台本)を覚えるのが大変だったので3日間、一生懸命二人で練習しました。

―二人の中国語がリアルに聞こえましたが、これまでに中国語を話したことはありましたか?
現地の人からすると全然違うと思います(笑)エキストラさんとかに発音を直してもらったりしました。最後に漫才を見てもらっている人は現地の人なんです。「映るけどいい?」って聞いてから集まってもらいました。でも、ちゃんと笑ってくれていたんですよ。細かいイントネーションは全然違うとは言われましたけど、伝わるところは伝わっているんだなと思いました。中国語は難しかったですね。

―落合さんとは仲良くなりましたか?
めちゃくちゃ仲良くなりましたね。本当にコンビを組んでいたような空気感でした。おっちーでよかったなと思います。

―4人でのご飯のシーンも仲良さそうに見えましたね。
リハーサルを一回やっただけなんです。(日本では)みんなで集まっただけで、「じゃ、あとは台湾で!」ってなって。岡本さんも撮影自体は2日目だけでしたが、全部一緒に行動していたんです。僕らの撮影にもついてきてくれて、朝昼晩みんなで一緒にご飯を食べました。台湾という地で一緒にいられる時間があったので、あのような空気感を作れたのかなと思います。あとは、みんないい人だったからすぐに打ち解けられたんだと思います。

―大変だったのは暑さですね。
そうですね。(一番暑かったのは)九份かな・・・いや、港が暑かったかな。日差しを防ぐものがなかったので。あと、ゲリラ豪雨は大変でした!かき氷屋を出たときめちゃくちゃ降ってきて、本当はその後、街中とかで移動するシーンを撮るはずだったけど変更になりました。

―大野さんが演じた雄介と大野さん自身で重なる部分とかはありますか?
人を笑わせたいという思いは一緒ですね。役者として、観てくれる方が笑顔になったり、日々の活力になったりできるような役者になりたいので、人を笑わせたいという思いを持ってやっている部分は一緒です。

―プライベートの持ちギャグはありますか?
全然ないです。だから、(今回演じたネタを)持ちギャグにしようと思っています(笑)

―青春を取り戻すような映画でしたが、大野さん自身が取り戻したい青春はありますか?
今のこの状態で過去に戻れたらってよく思うんですけど、中学生に戻りたいです。部活をやりたいですね。バスケをやっている時が青春でした。

―劇中で岡本さん演じるメイにお財布をすられるシーンがありましたが、ご自身の旅行中でのハプニングはありますか?
一度、目の当たりにしたのは、バラエティのロケでペルーに行ったとき、車の助手席の窓を開けてハンディカムで撮っていたんです。真ん中の車線を走っていたから人が横を通るわけがないのに、赤信号になったとき、歩行者が通りかかってカメラを取っていったことがありました。あと、これもペルーですが、すりの集団に追いかけられたことがあります。相手は3人組で、いなくなったなと思ったら服装を変えて路地から出たきたんです。実害には、遭いませんでしたが。

―今回、台湾の撮影で思い出に残っている場所はありますか?
全部思い出に残っています。喧嘩するシーンを撮影した夜市は、日本だったらこんな撮影できないなという環境でした。普通だったら、夜中にケンカしていたら「なんだ?」ってなるけど、僕ら二人が外国人だからこそできたんだと思います。九份の橋のところもよかったですし、かき氷を食べた街もおしゃれでした。台湾の全部が思い出に残っています。

―ケンカのシーンが印象深かったのですが、お二人で事前に練られたりはしましたか?
何度か感情は何もいれずにセリフ合わせをやって、更に役作りを終えた上で演じたので、役に乗った二人のガチの喧嘩にはなっていますね。セリフを超えて感情だけでできた感じがしました。

―リンちゃん役の宇宙さんとの思い出はありますか?
英語で結構話しました。年下かな。台湾のアイドルの方です。(この映画の)写真をインスタであげたら、彼女のマネージャーから「台湾でも見たい!」ってメッセージが来たんです。リンちゃんとしゃべってる描写とは普通に話していました。3人で他愛もない話をしていたと思います。

―休憩時間にどこか行きましたか?
2日目の朝、何人かで近くのお店にモーニングに行きました。それ以外はずっとロケだったのでみんなでどこかのお店に入ったり、朝は台湾のサンドイッチを食べに行ったりしました。

―夜遅くまで撮影されていたんですね。
2時~3時まで撮っていました。初日はみんなでご飯に行きました。みんなで2日目の撮影の合間に食べた夜ご飯の中華が抜群に美味しかったです。大きい居酒屋さんなのにほぼ満席でした。あそこは何を食べても美味しかった。

―劇中で着ている“I LOVE TW”はどこで手に入れたんですか?
九份で買いました。他の衣装は大阪のアメリカ村で買いました。衣裳用として集めたんですけど、スニーカーは私物でしたね。おっちーは全部自分で持っていたやつかな。僕は売れていない芸人っぽくぶかぶかのTシャツとか色あせたデニムとかキャップをアメリカ村の古着屋で買いました。

―今後挑戦してみたい役柄はありますか?
今はちょっと切ない役をやりたいです。恋愛じゃなくても、家族の話とかも好きです。恋愛よりも家族の話が好きなので、韓国映画の『母なる証明』のような切ないストーリーをやりたいです。

―今回は台湾での撮影でしたが、海外に視野は向いていますか?
まずは日本でトップを取りたいです。

―最後に、本作を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
男二人で台湾へ旅行に行っているロードムービーが出来上がりました。素で楽しんでいるところをご覧いただけると思いますし、登場人物にそれぞれの夢の形があって、そのどこかに皆様が共感できる部分があると思います。今を大切に一生懸命生きようと思える作品になっていますので是非見に来てください。

STORY
台湾を舞台に1人の女性を探しに、日本を飛び出す男2人の青春ロードムービーである本作。お笑い芸人の夢を捨てきれずにいる主人公・雄介役を大野拓朗、コンビを組む光一役を落合モトキ、偶然2人と出会う少女メイ役を岡本夏美が演じる。本作でメガホンをとるのは、大学時代から学生映画祭で数々の賞を受賞し話題となっていた三原慧悟監督。YouTubeのオフィシャルチャンネルには約30万人もの台湾のフォロワーがいる三原にとって商業映画としては初監督作品。


TRAILER

DATA
映画『台湾より愛をこめて』は2018年3月24日(土)より新宿シネマカリテほかにて公開!
監督:三原慧悟
出演:大野拓朗、落合モトキ、岡本夏美、広橋佳苗、梁鈺杰、陳宏亮/宇宙、長谷川忍(シソンヌ)
配給:ユナイテッド エンタテインメント
©「台湾より愛をこめて」製作委員会

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