『劇場版 おいしい給食 Final Battle』市原隼人、武田玲奈 インタビュー

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INTERVIEW

1980年代のある中学校を舞台に、給食マニアの教師と生徒による“どちらが給食をおいしく食べるか”という闘いをコミカルに描く『劇場版 おいしい給食 Final Battle』で主人公・甘利田幸男役を演じた市原隼人、新任教師・御園ひとみ役を演じた武田玲奈にインタビューを行った。

市原さんが演じる甘利田先生の給食への思いが伝わってきました。武田さんが演じる御園先生との掛け合いが絶妙ですが、撮影に入る前にお二人で話し合ったりはしましたか?

市原 細かく決めたりすることはありませんでしたが、現場の空気感の中で、言葉以上のものを分かち合えるのが芝居の世界だと思っています。一人だけでは作れないので、芝居をやりながらもう少し近づいてみようかなとか、顔をここまで近づけてみようかなと思って、どんどん迫っていきました(笑)

お互いの第一印象を教えてください。

市原 現場でもひたむきに向き合っている姿が印象的で、一緒に仕事ができてよかったです。
武田 本読みが最初でしたが、現場に入ってから本当にストイックでした。セリフとかアイデアとか、いつどこで浮かぶのだろうと思いながら尊敬していました。

ご一緒してみていかがでしたか?

市原 つかず離れずの絶妙な距離感なので、タッグを組むというよりも個々で戦っているような感じでした。近づこうとすると離れていく、追いかけたくなるような距離感がすごくいいと思いました。
武田 性格が真逆なので、私が演じる御園先生はがんばりすぎちゃうけど、甘利田先生は生徒に対してはそこまでで・・・。給食にはストイックなんですけど。ある意味バランスが良かったのかなと思います。

監督からの演出で印象的だったことはありますか?

市原 基本的には役者に任せていただける監督でした。抑えなければいけないポイントはおっしゃっていただきながら、現場でチャレンジしていける環境をつくってくださいました。
武田 綾部(真弥)監督とは本作で2回目でしたが、現場の雰囲気を重視してくださって、おもしろいところは一番に笑っていただけるし、緊張感のあるシーンは監督が緊張感を作っていただけるのでやりやすかったです。

給食がテーマですが、お二人は食に対してのこだわりはありますか?

武田 私は食べるのが好きなんですけど太ってしまうところがあるので、決めていることはとんかつは好きなんですけど、月に1回の楽しみにしています。

市原さんはありますか?

市原 おいしいものをたくさん食べたいです。家で自分でも作りますが、素材から全部見に行きたいので市場で魚とか鮮度のいいものを自分で選んでさばきます。「いただきます」「ごちそうさま」という言葉は海外にはない日本の文化で、「命」を無駄にしたくないという気持ちが出てきて、家でさばいて食べています。

お二人が考える給食の献立はありますか?

武田 デザート欲しいですよね。デザートがあるとテンションが上がりました。
市原 やっぱり前の授業の時間から仕入れに行って・・・(笑)素材が大事なので。食材を買いに行って、「これはこういうふうにあるんだ」ということを認識して献立を決められればより楽しくなるんじゃないかと思います。

撮影で出てきた給食は実際に食べたということですが、印象的だった給食はありますか?

市原 やっぱりきな粉パンはおいしかったです。大人になっていろいろなものを食べてきたので、現場で久しぶりに食べるときに「給食ってこんなもんだっけ」と思ってしまうかなと思ったのですが、予想以上においしかったです。これだけいろいろな方々が栄養バランスも考えて、こんなにおいしく、種類もたくさんある給食を普通にいただける国に生まれてよかったなと改めて感じています。
武田 私は学生の頃からミルメイクがあって、おいしいって飲んでいたんですけど、今回改めて飲んだら甘すぎると思って、大人になったとちょっと思いました(笑)コッペパンが一番好きでした。

この作品で給食を改めて考えるきっかけになりましたか?

市原 給食は当たり前だと思っていましたが、ただの食事の時間ではないことがよくわかりました。

甘利田先生は給食に本気ですが、お二人が本気になってしまうことはありますか?

市原 僕はカメラです。写真が好きで、いろんなところに行って撮影します。時間を超えて前のものが見れる、時間を止めるマジックのようです。写真って楽しいなと思います。

きっかけはありましたか?

市原 大変お世話になっているカメラマンの事務所にいくようになったのがきっかけです。それよりも前にも、18歳のときに何か作ってみようと短編のようなものを作っていましたが、分からないことが多く、カメラの勉強をしようと思ってから自然とカメラが好きになっていました。

武田さんはありますか?

武田 ゲームが好きですね。本気になっちゃう。

演じるうえで大切にしたことはありますか?

市原 この時代(舞台となった1984年)は、人情で付き合ってきた時代だと思います。地域のみんなで固まって育つ中で、こういうキャラクターが成立していると思うんです。今はこんな教師がいたら成立しないと思う(笑)この時代だからよかったんだと思いますし、甘利田のような生き方はある意味独特かもしれないけど、それも一つの勇気だと思います。しっかりと生徒に向き合って何かを生み出しているので、そういう点も着目していただけるとうれしいです。
武田 初めての先生役だったので、高校生に見えないようにと考えて演じました。

食モノならではの苦労はありましたか?

市原 食事シーンは2回撮るのですが、見栄えが良く見えるように給食の量を多くしたり、パンも1個が大きかったり、特に汁物はお腹に溜まるのでお腹がいっぱいで大変でした。(笑)でも、現場に入る前に5kg落として、食べるシーンを撮影する日は朝から食事制限もしていたので、おいしくいただきながら撮影に挑むことができました。
武田 撮影しながら食べるので、時間をかけて食べなきゃいけないのでだんだんと冷めてきちゃって・・・パンが固くなってしまうのがかわいそうでした。でも時間の限り食べながらがんばりました。
市原 ただ食べるだけではだめで、台本にそって確認しながら、中華スープでも具材をいい分量で食べたり、そのような部分を気にしながら食べていました。

市原さんは「映画で、こんなにワクワクした感覚は初めて」とおっしゃっていましたが、この作品で一番ワクワクしたポイントはなんですか?

市原 まず脚本の時点で面白いと思っていたのですが、思っていた以上にいまだかつてない現場の雰囲気を作っていただけたことです。演出、脚本、周りの方、空気感や間合いなど特別な世界観の中で演じることができました。逆に言えばNGがないのでは、と思わせてくれる空気を監督が作ってくださったのでワクワクしました。
武田 やっぱり給食のシーンです。今日は何かなとか。毎日あるわけじゃないんですけど。
市原 給食ですよね。見せてはならない姿を見せてしまうというところがありますので楽しんでいただきたいです。

【写真・文/編集部】

STORY
1984年。給食マニアの教師・甘利田幸男(市原隼人)に衝撃が。なんと、学校から給食が無くなるというのだ―。「どちらがよりおいしく給食を食べるか」という超絶給食バトルを甘利田と繰り広げている生徒の神野ゴウ(佐藤大志)は、【給食改革】を目指し、生徒会選挙に出馬すると高らかに宣言。そんな二人を見守る新人教師の御園ひとみ(武田玲奈)の心労は果てしない…。給食一筋ウン十年。甘利田は愛する給食を守るため、史上最大の給食バトルに打ってでる。


TRAILER

DATA
映画『劇場版 おいしい給食 Final Battle』は2020年3月6日(金)よりユナイテッド・シネマ豊洲ほか全国で公開!
監督:綾部真弥
出演:市原隼人、武田玲奈/佐藤大志、豊嶋花、辻本達規(BOYS AND MEN)/水野勝(BOYS AND MEN)、直江喜一、ドロンズ石本/いとうまい子、酒向芳
配給:AMGエンタテインメント/イオンエンターテイメント
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