『小説の神様 君としか描けない物語』杏花 インタビュー

INTERVIEW

最新作「medium 霊媒探偵城塚翡翠」で「このミステリーがすごい!2020年版」「2020本格ミステリー・ベスト10」「2019ベストブック」「2019SRミステリーの会ベスト10」「第20回本格ミステリ大賞」の5冠を受賞、さらに「2020本屋大賞」「第41回吉川英治文学新人賞」へもノミネートされるという快挙を遂げた気鋭作家・相沢沙呼の感動No.1ベストセラー青春小説を、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)&橋本環奈のW主演で映画化した『小説の神様 君としか描(えが)けない物語』が10月2日(金)に全国で公開される。

ナイーブで売れない小説家・千谷一也(佐藤大樹)と、秘密を抱えたドSな小説家・小余綾詩凪(橋本環奈)の何もかもが真逆の2人が、“一緒に大ベストセラー小説を生み出す”という共作ミッションを課せられ、時に激しく反発し合いながらも“2人”で物語を作り始める青春ストーリー。今回、一也の小説の大ファンで彼に憧れを抱きながら、小説づくりに情熱を燃やす後輩・成瀬綾乃(なるせ・あやの)役を演じた杏花にインタビューを行った。

全体的に美しい作品だと感じました。映画をご覧になっていかがでしたか?

杏花 他にない独特な世界観といいますか、久保(茂昭)監督ならではの映像が魅力的で、観ているだけで楽しい作品になっていると思います。いろいろな箇所に焦点を当てているので誰にでも感情移入できるというか、何回観ても違った角度から観られる映画だと思いました。もう一回観たいです。

初めに台本を読んでいかがでしたか?

杏花 ト書きがすごくきれいでした。台本だけでも鮮明に世界観が見えますし、事前に絵コンテをいただいていたので、こういうポップな感じで描いていくんだというのが素敵で楽しみにしていました。私が演じた秋乃ちゃんの役にも焦点を当てて描かれていて、感情移入しやすい役なんじゃないかなと思いました。キャラクターは濃いですけど(笑)現場では、佐藤大樹さんと(橋本)環奈ちゃんという先輩2人と演じさせていただいて、自分自身にも重なる部分があると感じました。その中で秋乃ちゃんの気持ちも分かるし、それが役にも反映されているんじゃないかなと思いました。

クランクイン前に準備したことはありますか?

杏花 秋乃ちゃんがずっと手に持っているノートがあるのですが、小道具としてそのノートにストーリーとか設定を書いていくのが結構大変でした(笑)それを書いていると秋乃ちゃんの想像力が詰まっていて、本当に小説が好きなんだとか、ロマンチストな子なんだなということがわかって、役作りの面では助けられた事が多かったです。

秋乃をどのように捉えて演じましたか?

杏花 作りこむという感じではなく、あの服装であのメガネをかけると自然とキャラクターができました。オーディションの時からなんとなく秋乃ちゃんのイメージが頭の中にあって、オーディションにもメガネをかけて行きました。

表情がとても豊かでしたね。

杏花 結構大げさにやりました。芝居が、というよりも秋乃ちゃん自身が大げさな動きをするんじゃないかと思って演じました。

ご自身と似ている点はありましたか?

杏花 好奇心旺盛なところですかね。性格は全然違うんですが、追求したいという気持ちであったり、自分にもできるという思い、負けず嫌いなところは似ていると思います。

これまでに特に何か追求したものはありますか?

杏花 結構あります(笑)一度ハマるととことん求めたくなっちゃうタイプなので、小さいころから趣味多き人生でした。

趣味が「手紙を書くこと」とお聞きしました。

杏花 小学校の友達と10年近く文通しています。昔から手紙を書くのが好きで、現場でお世話になった方に手紙を書いたり、文房具屋さんでレターセットを集めるのは好きで結構買っちゃいます。

ほかの3人の方との共演で印象的だった出来事はありますか?

杏花 すべてが印象的でした。大樹さんはムードメーカーで、現場を和ませてくれました。みんなに明るく振舞ったり、現場に飲み物を差し入れてくださりました。あと恋愛リアリティショーにハマっていてそればかり見ていました(笑)気さくで飾らない人柄がとても素敵だと思いました。

環奈ちゃんも太陽みたいな存在です。誰に対しても人懐こく、現場を明るくしてくださりました。人間性とかコミュニケーション能力もすごいと思いました。(佐藤)流司さんは太陽にもなるけど影にもなれるような存在です。普段は明るく現場を和ませているんですけど、人を立てることもできる方です。3人とも人として素晴らしいと思いました。

この映画に出たことで得られたことはありましたか?

杏花 秋乃ちゃんというキャラクターに出会えたことが一番の収穫でした。こういうポップなキャラクターは演じたことがなかったので楽しかったですし、出来上がったものを観た時に、こういった雰囲気の中で秋乃ちゃんがいるとこうなるんだと知ることができたしましたし、久保監督が作り上げる世界観に秋乃ちゃんとして存在していることができたのが一番の収穫でした。

映画の中で「小説には人を動かす力がある」というセリフがありました。杏花さんにとって“動かされる力になるもの”ってありますか?

杏花 表現することですね。昔から人見知りが激しかったんですが、表現することで自分を出せるといいますか解放することの楽しさを学んできたので、お芝居であったり、歌や踊りもやっているので、何かを表現することで自分自身を解放していくことが私の中で心が動かされる瞬間だと思います。

杏花さん自身は小説を読みますか?

杏花 恩田陸さんが好きで、よく読んでいます。「蜜蜂と遠雷」を読んでから過去の作品を読み始めたんですけど、とても描写がきれいで素敵です。村上春樹さんの「スプートニクの恋人」という作品もすごく好きです。

この映画の原作はお読みになりましたか?

杏花 読みましたが、原作があるからどのようにしようとは思わないようにして、文芸部4人が集まって、その空気感の中で作っていく感じでした。

4人ではどのように過ごされましたか?

杏花 文芸部4人で仲良くさせていただいていたので、空いた時間はみんなでゲームをしていました。流司さんが物語をしゃべって、ほかの3人がそれを聞いて、なんでそうなったのか推理していくというゲームをしました。

おもしろそうなゲームですね。

杏花 流司さんは撮影中のアドリブがすごいんです。だから私はそれについていくのに必死でした(笑)何が飛んでくるのか予想ができないことを言ってくるので、答えるのに必死でした(笑)何気ないシーンなんですけど、4人で帰るシーンとか、部室内とか、テニスの練習のシーンとか、使われていないシーンでもすべてのシーンでアドリブが入っていました。カットされているのにアドリブが続いていたりとか、楽しい方でした。

ドレス AKANE UTSUNOMIYA

【写真・文/編集部】

STORY
“夢を見失い自身の才能と現実のギャップに悩み、傷つきながらも挑戦していく登場人物の姿”がダイレクトに心に響く物語として人気を集める気鋭作家・相沢沙呼の「小説の神様」。中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない・・・自分を見失い思い悩む売れない高校生小説家千谷一也を演じるのはEXILE/FANTASTICSで活躍する一方、大ヒット作への出演等で俳優としても人気を集める佐藤大樹。一方、同じクラスの人気者でドSな性格でヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪には橋本環奈。すべてが真逆の2人に、編集者から下されたミッション―それは2人で1つの物語を共作し、大ベストセラーを生み出すことだった。


TRAILER

DATA
映画『小説の神様 君としか描けない物語』は2020年10月2日(金)より全国で公開!
監督:久保茂昭
原作:相沢沙呼「小説の神様」(講談社タイガ刊)
出演:佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)、橋本環奈、佐藤流司、杏花、莉子、坂口涼太郎、山本未來、片岡愛之助、和久井映見
配給:HIGH BROW CINEMA
©2020「小説の神様」製作委員会

PAGETOP
© CINEMA Life!