『ブレイブ -群青戦記-』宮下かな子 インタビュー

INTERVIEW

『ブレイブ -群青戦記-』で薙刀部部長・今井慶子役を演じた宮下かな子にインタビューを行った。

完成した作品をご覧になっていかがしたか?

宮下 それぞれの熱い思いがぶつかりあってるというのと、一生懸命な高校生たちと、それを(三浦)春馬さんや松山ケンイチさんがまとめてくださっていてとてもいい作品だと思いました。それぞれに物語があって、恋人だったり、部活の仲間だったり、家族だったり、その人たちのために戦っている熱い作品だと思います。

同年代のキャストも多いですよね。

宮下 そうですね、年齢層高めの高校生ですね(笑)

はじめにこの作品のオファーを受けた時はどのように感じましたか?

宮下 「いつもと違う強い女性なんだけどどうかな?」とお話をいただいて、男勝りな女性で大丈夫かなと思ったんですけど、挑戦ということでやらせていただいて光栄でした。

原作はご存知でしたか?

宮下 お話をいただいてから読ませていただきました。映画とは違う感じですが、原作の際立つ部分が映画でも描かれていますし、武士と高校生が戦うというのもなかなかない展開なので楽しく読ませていただきました。

壮大なストーリーですが、実際に台本を読んでみていかがでしたか?

宮下 特に冒頭部分の武士たちが攻めてくる一連の流れがどう撮影するんだろうとワクワクしました。クランクインして、できるだけ一連でカメラを回していながら撮っていて、すごく好きなシーンになりました。ちゃんと原作を忠実に描いている部分もありました。

本格的なアクションが想像を超えている部分がありましたが、アクションはいかがでしたか?

宮下 今回初アクションだったので台本上では想像できない部分が多かったんですけど、実際に撮影現場に行って、その中で決まっていくことが多くて、その場で振りがついたりもしました。演じる側は必死だったんですけど、いろいろな武器を組み合わせて、それぞれ個性が出ていておもしろいし、誰かのために戦う姿は心が熱くなりました。

アクション監督を務めた奥住英明さんがTwitterで「いつも気持ちが全面に出ています。ミスしても許してしまう…そんな雰囲気が漂う女優です」と絶賛していました。現場で練習は結構されましたか?

宮下 自分が一番できないという自覚があったので、できるだけ現場で薙刀を振っていたり、練習はずっとしていました。それでも、もっとこうしたかったという部分もいっぱいあったのでまた挑戦したいなと思いました。アクションを通して、久しぶりに心を鍛えてもらった感じがしました。部活動精神みたいなものがよみがえりました。

薙刀は初めてですか?

宮下 そうです。3か月前からアクション練習が始まって、2か月前くらいに薙刀の先生の元で練習しました。後輩との描写が多いので、後輩と一緒に型の練習から初めて、撮影前は朝練というか準備体操として振りの練習をしたり、本当に部活のように挑んでいました。精神的な面で強くなれる気がするので、機会があったらやってみたいですね。

後輩とのシーンも熱いシーンがありますよね。

宮下 そうですね、後輩が気持ちを込めて言えるようにしなきゃなと思いました。先輩として責任感を持っていないといけないと思って、コミュニケーションを取ったり、先輩後輩の関係を作れるようにしました。

後輩役キャストと話したりはしましたか?

宮下 その場で決めたり、どう言葉をかけるかとかもアドリブでやりました。

ほかにもアドリブはありましたか?

宮下 回想として入っている学生服を着ているシーンは、監督が「みんなで集合写真を撮るように、制服を着てわちゃわちゃしてるのを長回しで撮るね」って言われて。初めてあの時にみんなで集まったんですけど、新田真剣佑さんが一番に声をかけてくださって、みんなが並んで、柔道部の相良煉役の福山君がリーダーシップを発揮したりして、役のキャラでやっていたりして勉強になりました。難しかったですね。

役柄へのアプローチはどのように行いましたか?

宮下 漫画が好きなこともあって原作をリスペクトしているので、できるだけまず外見を寄せたいというところから始まって、髪の毛を30㎝切って。セリフであんなに強い口調の役はやったことがなかったんですけど、その強さはどこから来るのかなと思った時に、責任感とか、部活動で勝敗が決まるスポーツを通してやってきたというのは大きいと思ったので、とにかく後輩との関係を深めることと、薙刀をできるだけ時間の中でがんばろうと思いました。

宮下さんは学生時代は部活に入っていましたか?

宮下 高校生の時はチアダンス部に入っていて、中学はクラシックバレエをやっていたので部活は入っていなかったです。チアダンスは3年生で部長をやっていたので、それは慶子と共通していた点です。

後輩との接し方のイメージは湧きやすかったですか?

宮下 そうですね・・・でも私はあまり部長っぽくない部長だったので(笑)そんなに厳しくなかったんですよ。どうなのか分からないですけど、役につながった部分は多少はあったかもしれないです(笑)

チアダンスは戦国時代では活かせそうですか?

宮下 やっぱり蹴り上げじゃないですか?(笑)それか持ち上げて落とす・・・(笑)

そうくると思わないのでふいをつけるかもしれないですね。

宮下 そうですね、まさかと思われて意外と(笑)

演じていて特に難しかった部分はありますか?

宮下 萬次郎くん(濱田龍臣)がお花をくれるシーンがあるんですけど、死と隣り合わせになっている場面でどう映るのかなと不安もあったし、初めて慶子が笑顔を見せるシーンだったので不安はありました。ほかのキャストに相談したり、本広監督が丁寧に向き合ってくれて演出のもと、あの表情になりました。雰囲気を壊さないようにやりたいなと思ったので、匙加減が難しかったです。

おもしろいポイントですよね。

宮下 映画をよくよく見ると、それまでのシーンで濱田くんが花を作っているんですよね。小ネタを入れていて(笑)

演じていて楽しかったシーンはありますか?

宮下 冒頭のアクションシーンは、クランクイン前からずっと練習していたので楽しかったですね。あの日がクランクインの撮影で、あのシーンを最初に撮ったんですけど、一連の流れでみんなが一致団結してミスしないようにして、カメラが自分のところに来てっていうので緊張感がありましたし、練習していたのが出ていたらなと思って一生懸命やりました。校内から始まって、続いて中庭という流れでカメラが動いていました。本当にすごい引き込まれます。

ベテラン俳優さんも多く共演していますが、学ぶこととかはありましたか?

宮下 あまりお話をする機会がなかったんですけど、三浦春馬さんはアミューズのレッスンでお世話になっていて、いつか現場でお会いできたらと思っていたので、現場でご一緒してご挨拶できたのはうれしかったですね。私はあまり同じ年代が集まる作品をやったことがなかったので同じ高校生役のキャストからは刺激を受けたし、また作品でご一緒できたらなと思いました。

松山ケンイチさんの迫力がすごかったとほかの方もおっしゃっていますが、いかがでしたか?

宮下 目の鋭さがすごいですね。思っていた織田信長よりも飄々とした感じでしたが、それが逆に怖かったです。迫力を生で感じました。

本作に出演して得られたことはありましか?

宮下 アクションシーンで自分のふがいなさを感じたので、またいつかアクションシーンがあったら挑戦したいと思いました。とても刺激的な現場で、いつか共演したい方にたくさん会えた現場でした。

具体的にどなたと?

宮下 本広監督の作品よく出させていただいていて、『チャンネルはそのまま!』で会った飯島寛騎くんとか、長田拓郎くんとかは会えたりしたんですけど、福山翔大くんと山崎紘菜ちゃんはお芝居のレッスンの講師の方が一緒だったんです。お芝居の話ができたことが嬉しかったですし、「こういうふうに考えたら?」と相談に乗ってくれたりしました。ちょっとしたところの思い入れとか、こういうふうに作っていったらいいというところは学びました。

渡邊圭祐さんとの共演はいかがでしたか?

宮下 同じアミューズだし、東北出身ということもあって仲良くさせていただいているんですけど、現場では今回が初めてでした。私がお芝居の悩みを相談したときに、圭祐くんが「馬鹿なことを全力でやれるってすごいいい仕事じゃない?」って言ってたのがすごい刺さりました。エンターテインメントって嘘の世界だけど、それをどこまで本気で信じられるのかって大きいんじゃないかと思って、心に残っています。圭祐くんとは同じシーンもあって、セリフの言い方や、ミステリアスな部分は生で見て勉強になりました。

本広監督からの演出はありましたか?

宮下 本広さんは役者の意見を取り入れてくださる方で、最初のアクションシーンはかっこよく撮りたいということで何回もやり直しをさせていただきました。歯を食いしばっちゃうんですけど、映像で見ると笑って見えちゃうので気を付けてとか、アクションの基本みたいなものを勉強させてもらいました。

本作には織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という3人の武将が登場しますが、自分が近いタイプは誰だと思いますか?

宮下 どちらかというと織田信長タイプですね。自分で切り開きたい。それが勢い余って準備不足もあるかもしれないけど・・・(笑)勢いは大事だなと思います。気持ちは大事なことですよね。

目標にしたい女優像はありますか?

宮下 言葉にできない部分をちゃんと表現できる女優さんになりたいと思っています。連載を始めて、言葉でシーンの話とかを書いていたりして、この映像の表現は言葉にできないな、難しいなと言うことが多かったりするので、いつか自分もそういう表現ができる女優になれたらなと思っています。

【写真/蔭山勝也、文/編集部】

STORY
集英社「週刊ヤングジャンプ」で、異色の【部活×青春×歴史】作品として熱狂的なファンを獲得した人気コミック「群青戦記 グンジョーセンキ」を実写映画化した本作。主人公・西野蒼役を演じるのは、映画単独主演となる新田真剣佑。主人公を導くことになる松平元康・後の徳川家康役を三浦春馬、主人公たちの前に立ちはだかる強大なカリスマ・織田信長役を松山ケンイチ、蒼を支える幼なじみであるヒロイン・瀬野遥役を山崎紘菜が演じる。監督を務めるのは本広克行。高校生アスリートたちが、仲間を守るために生死を賭けた戦いの中で成長していく結束力のドラマと、いまだ見たことのない高校生VS戦国武士という「異色」のアクションを熱く描く。


TRAILER

DATA
映画『ブレイブ ‐群青戦記-』は2021年3月12日(金)より全国で公開!
監督:本広克行
出演:新田真剣佑、山崎紘菜、鈴木伸之・渡邊圭祐、濱田龍臣、鈴木仁、飯島寛騎、福山翔大、水谷果穂、宮下かな子、市川知宏・高橋光臣/三浦春馬・松山ケンイチ
配給:東宝
©2021「ブレイブ -群青戦記-」製作委員会
©笠原真樹/集英社

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