『ハニーレモンソーダ』濱田龍臣 インタビュー

INTERVIEW

『ハニーレモンソーダ』で、高嶺友哉役を演じた濱田龍臣にインタビューを行った。

少女コミックを原作とした青春映画ですが、高校生役として出演が決まったときはどのように思いましたか?

濱田 ついにそういう年齢になってきたんだなというか…。出演させていただいた『花のち晴れ』(「~花男 Next Season~」(2018))もそうですけど、学園モノは中学生・高校生の頃にオーディションを受けたりはしていたんですけど、落ちることが続いていたんです。(学園モノは)年上の方が演じているイメージで、(本作は)自分が二十歳になって初めて入った作品でもあったので、“ついに来たかこの時代が!”という感じがありました(笑)

役としては深く作り込みましたか?

濱田 キャラクターを理解したいというタイプで、理解したうえで“こういうことを言うよね”という感じで役作りをしていくので、台本をいただいたときに読み込んで、なぜこのセリフを言うのか、どういう心情でこのセリフを言うのか、なぜこういうことをするのだろうかとか、原作があるものは原作を読ませていただきます。『ハニレモ』も原作の途中までのお話が映画になっているので、その先のお話も読ませていただいて、この人はこうなっていくんだろうというか、想像していくのが自分の中での役作りというか、役を理解していくということだと思います。この人はこうとかではなく、こうだったらどうなんだろうとか、この人ならどうする?自分だったらどうする?と考えつつ、リンクさせるというかシンクロさせて、理解を深めていきます。

友哉はどんな人物だと思って演じましたか?

濱田 大人だなと思いました。クールで、世界を俯瞰して見ていて、自分も見えてるんだろうなと思うし、すごく素敵で、でも高校生らしくない。ここまでできるのってすごいですよね。自分も意識しているつもりですけど、ポンッとその時にあった素敵な言葉を残すのは難しいので、それができるのはすごいなと思います。

一つ一つのセリフがいいですよね。

濱田 俯瞰しているからできることで、架け橋を架けていく人ですね。その一言がくさびになって、必要なセリフになっているので、その一言が言えるのがすごいなと思います。

セリフがない場面でも目や表情の演技が印象的でしたが、意識はしていましたか?

濱田 どの作品もそうなんですけど、セリフがない瞬間って一番活きている瞬間なんですよね、役者としても、キャラクターとしても。セリフがあったり、動きがあるとそれに頼れるけど、そういったものが何もない芝居は役者が試されている瞬間だなと思います。監督や脚本家の方と“ここでどれ持ってきますか?”というようなキャッチボールだと感じるので、前の芝居を壊さないのはもちろんだし、フレームの中で邪魔にならないように、でも居ると安心すると言われる役者になりたいので、そこは気を付けている部分です。

演じていて難しかった部分はありますか?

濱田 歩道橋で(吉川愛演じる石森)羽花ちゃんと話しているシーンです。あくまで相談を受けている人だから、しっかりと会話をしていこうと思ったんですけど、監督からは「あまり会話をしてほしくない」と。どういうことだろうと思いましたが、耳から入ってくるのは羽花ちゃんの声で、自分が言っていることを羽花ちゃんに届けるんじゃなくて、ちょっと大きい独り言が出ている感じが欲しいと言われました。誰かに傾きすぎない友哉の感じがすごく出ているシーンだと思うんです。ミステリアスな感じとかを出しながらも、セリフは相手がいない独り言なので、どう言おうかを悩みました。その中で、あまり友哉として深く情を注ぐ対象ではなかった羽花が変わってきているんだなと思って、界を知っているから線がつながって、最後は笑う芝居になったと思います。独り言というのが大切で、あまり会話になりたくないというのは悩みました。

セリフもきつめなセリフがありますし、言い方も難しいですね。

濱田 それまでの積み重ねもありますけど、ちょっと俯瞰して離れたところにいるからこそ、周りが見えているからこそ出てくるセリフなので、自分でも完成した映像を見て“こうなったんだ、よかった”と思いました。

プロモーション中の様子を見ると、とても仲がよさそうだなと思ったのですが現場はいかがでしたか?

濱田 すごく仲が良かったです。坂東(龍汰)くんがムードメーカーでした。吉川さんと共演されていたり、僕も共通の知り合いがいて名前は聞いていたのですが、聞いていた通りで、元気な人だなと思いました。バランスが取れた6人だったなと思います。かわいがられるラウちゃん(ラウール)がいて、ムードメーカーな2人(坂東、岡本夏美)がいて、そして他の3人(濱田、吉川、堀田真由)はたまにしゃべるけど、そんなにしゃべらなくてもみんな楽しくいられる。すごくいい現場だなと思いました。

その中で濱田さんのポジションはどのような感じでしたか?

濱田 僕はもう年下(=ラウール)が出てきて「かわいいー!」って言っていたんですけど、坂東くんと夏美さんに「こっちからしたらお前もまだかわいいんだから、あんまりかわいいって言うな」って言われて、そんなこと言われてもって(笑)子役からやらせていただいているのもあって、自分が一番年下ということも多かった中で、二十歳にもなりましたし、3つ下の子が主演をしているというのが親戚のおじさんみたいな感じというか。初孫をかわいがるくらいの勢いで、おじいちゃんの気持ちでした(笑)でも、自分もかわいがってもらいましたね。騒いだり、男気じゃんけんをしたりしました。学校のシーンの時が夏だったのもあって、「アイス食べたいね」ってなったんです。その日は撮影が早く終わったので、お昼ご飯を食べた後に「じゃんけんする?」っていう感じで、みんなで男気じゃんけんをして…誰が勝ったのかは秘密にしておきますけど(笑)アイスを食べたりして、幸せな現場でしたね。(コロナ禍で)みんなでご飯に行ったりすることができないのが寂しかったですけど、それを感じないくらい雰囲気がとてもよくて、本当に素敵な現場だったと思います。

【写真・文/編集部】

STORY
全国のティーン女子の胸をキュンキュンさせている、今いちばん勢いのある大人気少女コミックを実写映画化した本作。<君のためにもっと変わりたい><あなたのために、もっと知らない自分に出会いたい>――金髪イケメン男子と内気なマジメ女子、正反対の男女二人が巻き起こす、大切にしたいことがたくさん詰まったストーリー。主人公の三浦界役にはSnow Manのラウールが映画単独初主演、ヒロイン・石森羽花役を吉川愛が演じる。


TRAILER

DATA
映画『ハニーレモンソーダ』は2021年7月9日(金)より全国で公開!
監督:神徳幸治
出演:ラウール(Snow Man)、吉川愛、堀田真由、濱田龍臣、坂東龍汰、岡本夏美
配給:松竹
© 2021「ハニーレモンソーダ」製作委員会 ©村田真優/集英社

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