『神在月のこども』永瀬莉子 インタビュー

INTERVIEW

『神在月のこども』で主人公・葉山カンナ(CV:蒔田彩珠)の友達・ミキ役の声を演じた永瀬莉子にインタビューを行った。

長編アニメーション映画への出演ですが、初めにこのお話を聞いたときはどのようなお気持ちでしたか?

永瀬 今まで声のお仕事をしたことがなかったので未知の世界でした。チャレンジするという意味では楽しみで、やってみたいという気持ちのほうが強かったです。

初めての声のお仕事ということですが、出演するにあたって準備したことはありますか?

永瀬 いつものお芝居のお仕事よりも自分の喉をいたわるということに注意していました。温かい飲み物を積極的に飲んだり、このはちみつの飴がいいよとかいろいろな方からお話を聞いて試してみたり、自分でできる喉のケアはしっかりして挑みました。

実際に演じてみていかがでしたか?

永瀬 やっていて難しいと思ったのが笑い声とか、息切れの声とか、そういった声を出すのがすごく難しかったです。実際の声優さんが演じている声を聞いたときに、迫力とかパワーが伝わってきて、声優さんって素晴らしいなと尊敬の気持ちが強かったです。

そういった息遣いなどはどのように演じましたか?

永瀬 自分がやるとどうなるかというのが分からなかったので、自分なりにまずやってみてから指導をしていただきました、全速力で走った時はどんな感じかなとか、逆にもうちょっと緩めてみるとどんな感じになるのかなとか、いろいろなパターンを試しながらしっくりするものを探っていきました。

いろんなパターンを思い浮かべるのも大変ですよね。

永瀬 私の息切れの場面があったのが、学校の下校中にカンナと走るシーンだったんですけど、ただ走っているというよりは、2人で遊びながらというシーンだったので、映像を見ながら探りました。あと声優さんがどのように声を使われているのかというのを結構調べました。

ミキ

永瀬さんが演じたミキの魅力的なところはどこだと思いますか?どのように捉えて演じましたか?

永瀬 主人公のカンナはお母さんとの関係性だったり、お父さんとの関係性だったり、家族との悩みがある子だと思うんですけど、カンナにとってミキといる時間が居心地のいい時間になっていたらいいなというか、過去とかを忘れられる瞬間になったらいいなと思っていました。優しい子というイメージが強かったので、しゃべり口調はやわらかめなものを意識していました。

アフレコは何人で行いましたか?

永瀬 私は一人で録りました。録っているときはカンナの声がどういう感じなのか分からない状態で、まだ声が入っていない状態だったので、そういう意味では完成がより楽しみになりました。他の方の声もほぼ入っていない状態でしたので不安もあったんですけど、完成したものを見た時に自分が想像していた以上の素晴らしいものだったので嬉しかったです

絵は完成していましたか?

永瀬 未完成の部分もありつつでした。

慣れない声優というお仕事の中で、完成していない絵を想像するのはうまくできましたか?

永瀬 演出してくださった方と、ミキちゃんのイメージや周りのイメージを膨らませていけたので、そういう意味では絵が完成していなくても、周りの声が入っていなくても、やりやすい環境を作っていただいて、楽しむことができました。

逆に難しかった点はありますか?

永瀬 普段やっているお芝居は表情としゃべり方とかあると思うんですけど、声だけで伝えるのがこんなにも難しいんだと痛感しました。すべてが新鮮だったので全体的に難しかったんですけど、できている映像に自分の声を合わせていくというのが想像以上に難しかったです。

完成した映画を見ていかがでしたか?

永瀬 一番に思ったのは映像がきれいだなと感じました。ラストにかけて華やかな映像になっていくので、今でも鮮明に覚えているんですけど、すごいきれいな映像です。自分にとってもゆかりのある場所が映っていたりしたので、それはうれしい気持ちにもなりました

永瀬さんは広島出身ですよね。

永瀬 (映画に出てくる)島根は家族で行くことが何回かあったので、出雲大社が映った時は「あ、あそこだ!」ってなって(笑)実際に通った道で、めちゃめちゃ忠実でした。実際に島根に住んでいる方や、いらっしゃったことがある方はきっとそう思うんじゃないかなと思います。

永瀬さんも思い出しましたか?

永瀬 私はいつも行くときは家族で行っていたので、その時の事を思い出したり、行った時にあれ食べたなというのも、映像には映ってないけど自分のこともすり合わせながら見ることができました。

今回のアフレコで特に印象的だったことはありますか?

永瀬 やっぱり一人の空間でやるというのが新鮮でした。休憩中にはスタッフの皆さんと話していたのに、本番になると一人の空間でやるというのがちょっと心細くもあって(笑)振り向いたら後ろに皆さん温かく見守ってくださっているんですけど、そこはまだ慣れなかったなと思います(笑)いろいろ経験していきたいです。

お気に入りのシーンはありますか?

永瀬 カンナとお母さんのシーンが一番気に入っています。親子愛を感じるシーンで感動したシーンなので、ぜひ注目していただきたいです。

映画を通してカンナの成長が描かれていますが、この作品に関わって知ったご自身の新たな一面はありますか?

永瀬 今回初めての声のお仕事がチャレンジだったんですけど、また別の作品でも声のお仕事はやりたいなと思いました。こういうチャンスをいただけたのもすごく嬉しいですし、また次につながったらなと思う作品です。

声優以外にもチャレンジしてみたいことはありますか?

永瀬 お芝居はこれからももちろん続けていきたいんですけど、やってきていない役はまだまだたくさんあります。去年は『アンサング・シンデレラ』で患者さんの役をやったんですけど、その時のいろいろ反響が大きくて、実際にその病気を患われている方からのメッセージとかも届いたりもしました。逆に今度は看護師さんだったり、医療従事者側の作品にも出れたらいいなと思います。まだまだやりたいことがたくさんあるので積極的にチャレンジしていきたいです。

【写真・文/編集部】

STORY
日本各地で“神無月(かんなづき)”と呼ばれる10月が、出雲では“神在月(かみありつき)”と呼ばれる由縁。全国の神々が出雲に集い、翌年の縁を結ぶ会議“神議り(かみはかり)”を行うという云われを題材として、人々と神々、各地と出雲、そしてこの島国の根にある“ご縁”という価値観をアニメーションに描く本作。少女の名はカンナ。母を亡くし、大好きだった“走ること”と向き合えなくなった少女。そんな彼女のもとへ、一羽のうさぎ(シロ)と、一人の少年(夜叉)が現れ、出雲までの旅にカンナをいざなう。まわりはじめた神々の歯車。人々と神々の境界をまたぎ、出雲へ走る少女の旅がはじまる―。主人公・カンナ役を蒔田彩珠、神使の兎・シロ役を坂本真綾、⻤の少年・夜叉役を入野自由が演じる。


TRAILER

DATA
映画『神在月のこども』は2021年10月8日(金)より公開!
出演:蒔田彩珠、坂本真綾、入野自由、新津ちせ、永瀬莉子、高木渉、茶風林、神谷明
配給:イオンエンターテイメント
©2021 映画「神在月のこども」製作御縁会

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