『今はちょっと、ついてないだけ』深川麻衣 インタビュー

INTERVIEW

『今はちょっと、ついてないだけ』で瀬戸寛子役を演じた深川麻衣にインタビューを行った。

最初に本作のお話を聞いたときの印象を教えてください。

深川 初めに原作を読んだのですが、章ごとに物語が描かれていて、それが最後につながっていく流れが読んでいてとても気持ちよかったです。人生の中で起きる挫折を綺麗ごとではなく描いていて、温かい作品だと思いました。

深川さんが演じた瀬戸寛子はどのようなキャラクターと捉えていましたか?

深川 瀬戸寛子は人間関係に少し不器用で、やりたいことがあって、夢に向かってがんばってはいるけれど、コミュニケーションがうまく取れなくてリストラされてしまって。不器用さとか、口下手なところは私も共感できたところで、こういう人っていっぱいいるんじゃないかなと思って演じました。

寛子は心の中に抱えているものがありますが、そういった人物を演じるのはいかがでしたか?

深川 感情をあらわにすることが少ないので、僅かな感情の機微を表現するのがとても難しかったです。でも監督が描いている寛子像とそんなにずれてはいないと思っていたので、監督がその都度演出をしてくださる中で少しずつすり合わせていきました。

共感するところがあるということでしたが、ご自身と似ているところもありましたか?

深川 私は学生時代にバイトをしていた時は、人と話すのが好きなので接客業を選んできたんですけど、そこは似ていない部分でした。ただ、いざ大切なこととか自分の本音を言葉にするときにうまく言えなかったり、言い終わった後に“あの言い方でよかったのかな”と、家に帰って考えちゃったりするのでそこは似ているところがあると思います。

共演者の方の印象はいかがでしたか?

深川 みなさん大先輩なのですが、本当に気さくに話してくださって。玉山さんは、監督とも細かくコミュニケーションを取っていて、言葉の使い方とか、お芝居への向き合い方がとても素敵だなと思いました。団長さんは本当にムードメーカーで、現場の空気を盛り上げてくださって、音尾さんはにこやかに穏やかに包んでくださるような包容力で現場を和ませてくださいました。新鮮で楽しかったです。

シェアハウスでのみなさんの距離感が絶妙ですが、演じる上で気をつけた点などはありましたか?

深川 セリフをちょっと変えてみようというのはありましたが、空間づくりは特に話し合ったことはなかったです。みなさんの性格が役に反映されているというか、素に近い感じが出ているのかなと思いました。自然とそれぞれの役割を全うしていた感じで。玉山さん、音尾さん、団長さんの3人は仲が良くて、同世代のパパトークをよくしていたりしたので、そんな自然な空気感が出ているのかなと思います。

寛子はシェアハウスに住んでいますが、深川さんご自身がシェアハウスに住んでみたいと思ったことはありますか?

深川 ドラマとか映画を見ていてそういうシーンがあると楽しそうだなと思うんですけど、パーソナルスペースがあればいいなと思います。全部共有だとストレスがたまりそうだなと(笑)シェアハウスに住んでいる方がコロナ禍でどのような生活をしているかは分からないんですけど、ご飯を誰かと食べたり、人と話せる空間があるのはいいなと思いました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響でクランクインが3回延期されたそうですね。

深川 コロナ禍でなかなか地方に行って撮影するのが難しかったり、撮影時期も二転三転したので、監督とかスタッフさんはすごく大変だったと思います。いよいよ動き出すという時に延期になってしまった時は、“もしかしたらこのまま流れちゃうのかな”という不安もありました。なので、まずは無事に撮影に入れたことが嬉しかったです。自分にとって本当に参加できてよかったと思えた作品です。

深川さんは本作のキャスト解禁時のコメントで「勇気を分けてくれる映画」と表現されていましたが、ご自身が勇気をもらうものは何かありますか?

深川 友達と話している時に感じることが多いです。もちろん映画やドラマを見ていて影響を受けることもありますけど、ご飯に行って話をしていると、どんな世界にいても大変なことがあって、みんな種類は違うけどがんばっているんだなと思うと、私もがんばらないといけないなと思います。同業の友達を見ていても、最近いろいろな作品でがんばってるなと思うと私もがんばらないとなと思うこともあります。人と話すことで刺激を受けることが多いです。

本作の見どころをお願いします。

深川 紆余曲折があったけれど、それでも人生をあきらめずに、楽しさを見つけて、人生を楽しんでいく大人たちの姿から勇気がもらえるお話になっていると思います。今悩みの中にいる方が観てくださった時に、この映画が皆さんの心をふっと軽くできたら嬉しいです。

ヘアメイク:白水真佑子
スタイリスト:原未來

【写真・文/編集部】

STORY
部屋に差し込む朝の光、コーヒーの香り、湖を渡る風…。シェアハウスと自然を舞台に、ゆったり流れる時間の中で、日々を丁寧に生きようとする不器用な大人達の輝きを見つめる映画が誕生した。かつてはスター・カメラマンだった寡黙な主人公を演じるのは、『カフーを待ちわびて』以来13年ぶりの映画主演となる玉山鉄二。シェアハウスの仲間達に音尾琢真、深川麻衣、団長安田(安田大サーカス)、ほか高橋和也らが顔を揃える。「四十九日のレシピ」他が映像化された作家・伊吹有喜の同名小説(光文社文庫刊)を原作に柴山健次監督が映画化。ままならない現実を「今はちょっと、ついてないだけ」と受け入れ、“心が本当に求めるもの”を重ねる日々に見出していく丁寧な生き方が、心をそっと幸せで満たす。


TRAILER

DATA

『今はちょっと、ついてないだけ』は2022年4月8日(金)より新宿ピカデリーほか全国で順次公開!
監督・脚本・編集:柴山健次
出演:玉山鉄二、音尾琢真、深川麻衣、団長安田(安田大サーカス)/高橋和也
配給:ギャガ
©2022映画『今はちょっと、ついてないだけ』製作委員会
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