『OUT』醍醐虎汰朗 インタビュー

INTERVIEW

『OUT』で暴走族「斬人」総長・丹沢淳司役を演じた醍醐虎汰朗にインタビューを行った。

本作の話を聞いたときのお気持ちをお聞かせください。

醍醐 学生時代に愛読していた漫画だったので、「やったー!」というとても嬉しい思いでした。当時ヤンキーに憧れていた時期だったので(笑)強いかっこいいキャラクターを映像の世界でやるのは初めてだったので、「来たぜー!」という気持ちでした。

好きなキャラクターはいましたか?

醍醐 『OUT』で言ったら完全にあっちゃん(丹沢淳司)です。小さくて強い、自分の憧れが投影された人物だったので好きでした。

原作がお好きだったということですが、どういったところに惹かれましたか?

醍醐 喧嘩の格闘シーンがたくさんあるところですね(笑)誰が強くて弱くてとか、腕っぷしでカーストが決まっていく感じとか、男の子が一回は憧れるような世界感が熱いなと思って、当時読ませていただいていました。

それだけの思いをかつて抱いた作品を映像化するうえで大切にしたことはありますか?

醍醐 アクションは絶対にみんなより動けないと成立しないだろうなというのがありました。監督とも話し合って、できるだけアクロバティックに俊敏に、手数を多くしたり、そういった形でアクションに説得力を持たせていきたいと作っていきました。

これまで演じてきたアクションと、喧嘩シーンでのアクションに違いはありましたか?

醍醐 品川さんは格闘技がすごく好きで、すべての技が格闘技にある技を使っていました。品川さんがこだわってくださっていたので、どちらかというと喧嘩というよりも空手とか、そういった技が多かった印象があります。

漫画原作のキャラクターを演じることで意識したことはありますか?

醍醐 原作のファンの方が悲しまないようにと。今回は僕も好きなキャラクターでしたが、実写化されるにあたって「実写化されちゃうの?」という声もきっとあると思います。そういった方が納得していただけるように、でも実写でやる意味というか、僕がやると僕らしいあっちゃんになるので、自分がやりたいようにやりすぎるのではなくて、うまく足し算引き算をしながらチューニングしていく作業が大切なのかなと思ってやっています。

本作ではウィッグをつけての演技でしたね。

醍醐 ウィッグをかぶると“あっちゃんだ”という切り替えみたいなのはありました。ただ髪の毛が長くて、アクションの時は風も強かったので、髪の毛が口の中に入っちゃうんです。それがビジュアル的によくなく、ずれちゃうことがあって、そういった部分では苦労しました。

品川組はいかがでしたか?

醍醐 楽しかったです。印象に残っているのが、品川さんが撮影中日くらいで、全体の疲労度もたまってくる中で「全くしんどくないんだよね」と話をされていて。「俺からしたら修学旅行と同じ感覚。寝れないくらいどうってことなかったでしょ」とおっしゃっていて、かっこいいなと思いました。もちろん大変なシーンはありましたけど、現場の雰囲気はよかったので、それは監督のおかげだと思います。人としてかっこいいなと思いました。

品川監督にはどのような印象をお持ちですか?

醍醐 率先してたくさんしゃべりかけてくださる方です。現場の雰囲気も楽しくしてくださって、僕らが言ったことに対しておもしろくツッコんでくださるんです。撮影でも、アクションシーンにこだわっていたと思いますが、それ以上にツッコミのシーンにこだわっていらっしゃって、一番リテイクが多かったんじゃないかなと思います。「この間はこう」と毎回おっしゃっていて、もちろんリテイクなのでいいことではないはずなのにもっといっぱい見たいなと。初めての体験で楽しかったです。

醍醐さんもコミカルなシーンもありましたが、演じるうえでは難しかったですか?

醍醐 難しかったです。普段笑いに対して深く考えたことがなかったので、狙ってやらなければいけないとなると、一つミスしたら寒くなってしまう、そのバランス感覚が難しかったです。そういう部分でものすごく頼りになる監督なので、監督が笑いながら「OK」と言ったら絶対に大丈夫なんだろうなと、絶大な信頼を寄せていました。

それは心強いですね。

醍醐 心強いです。笑ってくださると間違っていないんだなとか、逆に笑ってくれない時は本当につまらなかったんだろうなと、信頼していました。

キャスト同士の関係性を作るために、何か行ったことはありますか?

醍醐 総長の役なのでできる限り現場をまとめようかなと思って、普段はやったことがないんですけど、緊張感を出す作業は意識的にやっていました。普段は仲良くしゃべるんですけど、できる限り一人でいようかなと考えていました。ただ、楽しいシーンの時はワイワイしていました。普通に「休みの日は何してるの?」とかそういう会話で、楽しかったです。

特に楽しかった思い出はありますか?

醍醐 全体を通してボーリング場は楽しかったです。使われていないボーリング場で、話している内容は他愛もないことなんですけど、第4くらいの青春を送っている感じというか、こういった世界線でみんなで一緒にグレてみましたみたいな感覚が楽しかったです。

使われていないボーリング場というのが、ちょっと悪いことをしている感じにもなりますね。

醍醐 それはありますね、楽しかったです。あと、絶対にストライクをとらなければいけないシーンがあって、ヨリで誰かが球を投げるんですけど、何十人もが見ている中でストライクを投げられる人はなかなかいなくて、「誰か俺こそストライク取れる人は?」と言って、「はい!」と手を挙げた人が全然取れなくて、一番時間かかりました。ようやくストライクが取れた時に、OKがかかるまで声出しちゃいけない、あの瞬間は楽しかったです。

主演の倉悠貴さんとはお話をされましたか?

醍醐 僕の役割は倉くんのモチベーションを保つことだなと思って鼓舞していました(笑)今でも仲良くさせていただいていて、プライベートでも遊びます。

お二人では何をするんですか?

醍醐 お酒を飲んでご飯を食べてというのが多いです。あと家に遊びに行って。(倉が)服が好きで、クローゼットにいっぱい服があってファッションショーをしたり。あと多分もてなすのが好きなんですかね。パスタも作ってくれたんですけど、ニョッキみたいなパスタで、しかも本格的なアラビアータが出てきて「おしゃれだな」と。意外な一面がありました。

気になるキャラクターはいましたか?

醍醐 水上くんが演じる要は僕が巡り合うことはないキャラクターだと思うので、対照的だからこそ見ていて楽しかったというか魅力的でした。身体作りも相当努力もしていたと思います。撮影中もたんぱく質を意識した食生活と常に筋トレをしていましたし、ストイックな方という印象を受けました。

その要は副総長という役どころですが、共演はいかがでしたか?

醍醐 あまり口数は多くなかったです。しゃべりはしたんですけど、信頼してやっていた気がします。謎の瞬間があって、帰り際に急に「ごめんね」と謝られて、「男だね」と言って帰っていったんです。だけどなんか言っていることも分かるなというか、こういうことで思ったのかなと。実際は今でも分からないままですけど(笑)

なんか青春を感じますね。

醍醐 ドラマを見ているみたいです(笑)

本作のキャラクターは、出会いによって人生が変わったり、いい方向に進んでいく人もいますが、醍醐さんは自分の人生を変えるような出会いはありましたか?

醍醐 チーフマネージャーです。16歳か17歳の頃からお世話になっていて、ある意味で父親代わりのような存在でもあります。僕は考え方が甘かった10代を一緒に過ごしたと思うので、そこで諦めずにいろいろと言ってくれたおかげで今の自分につながっていると思う瞬間が今でもたくさんあります。芸能界に入らずに出会っていなければ、自分の使命や可能性について考えることも夢に向かって挑戦することもなかったと思います。

身近に尊敬できる人がいるのは仕事のモチベーションにもつながりますね。

醍醐 そうですね。あとはポジティブな人なので、それが移って僕がポジティブになった原因なのかなと思います。

醍醐さんは舞台も含めて、さまざまな役を演じてきていますが、まだ演じていない役でやりたい役はありますか?

醍醐 ボクシングの役はずっとやってみたいと思っています。極限まで自分を追い込むのも好きですし、無骨な男臭い役とかをやってみたいなと密かに思っています。格闘技もせっかくやっていたので活かせればなと思います。

【写真・文/編集部】

STORY
“狛江の狂犬”と恐れられた伝説の超不良・井口達也が、少年院から出所した。地元から遠く離れた叔父叔母の元、焼肉店・三塁で働きながらの生活を始めるが、保護観察中の達也は、次喧嘩をすれば一発アウトだ。そんな彼の前に現れたのは、暴走族「斬人」副総長の安倍 要。この出会いが達也の壮絶な更生生活の始まりだった。暴走族の抗争、新しい仲間・家族との出会い、守るべきものができた達也の進む道は──。


TRAILER

DATA
『OUT』は2023年11月17日(金)より全国で公開
監督・脚本:品川ヒロシ
出演:倉悠貴、醍醐虎汰朗、与田祐希、水上恒司
與那城奨(JO1)、大平祥生(JO1)、金城碧海(JO1)
小柳心、久遠親、山崎竜太郎、宮澤佑、長田拓郎、仲野温
配給:KADOKAWA
©2023『OUT』製作委員会 

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