『遺書、公開。』で、[序列1位]の姫山椿を演じる堀未央奈にインタビューを行った。
陽東太郎による『遺書、公開。』(ガンガンコミックスJOKER)を原作とし、その奇抜な設定に惚れ込んだ鈴木おさむが手がけたシナリオを英勉監督が実写映画化。主演の吉野北人ほか、宮世琉弥、松井奏(IMP.)、志田彩良、髙石あかり、堀未央奈ら若手かつ実力派が勢揃い。新学期の春、2年D組に送られてきた〈序列〉ーそこには生徒と担任の全員の明確な順位が示されていた。序列1位の姫山椿は優しくて人気者、誰もが認める優等生。だがある日、彼女が何の前触れもなく自殺する。数日後、クラスの全員に姫山から遺書が届き、その日から学級崩壊が始まる―。果たして生徒たちが最後に待ち受けるものは…!?序列がもたらす人間の本性を描いた衝撃のドス黒エンタメミステリーが誕生。
堀 英監督の作品は小さい時からよく見ていて、特に桐谷美玲さん主演の『ヒロイン失格』がすごく好きで10回以上見ていました。あとは乃木坂46時代にも『あさひなぐ』という映画を撮っていただいていて、私はその舞台版に出させていただいたので、ご一緒はしていないんですけど、映画も見て、すごく素敵な作品だなと思ったので、英監督の作品に出てみたいという思いがありました。あとは『遺書、公開。』のお話をいただいた時に原作を全部読んで、姫山椿ちゃんという役に一番惹かれて「この子の役を今の私で演じてみたいな」という思いがすごく強くなったので「受けたいです」というお話をしました。
堀 姫山椿の話や『遺書、公開。』の話ももちろんしたんですけど、どちらかと言うと、どういう風に今まで生きてきたか、生活してきたかみたいな人間的なものを聞かれたと思います。すごく緊張して行ったんですけど、話しやすくて楽しくお話していたら時間が終わっていたので、私は「これで決まるのかな」みたいな、ちょっと不安はありましたけど、でも決まって良かったです。
堀 ワンシーン毎に監督がすごく寄り添ってくださいました。私以外にももちろんキャスト全員に監督が寄り添って一緒に戦ってくださった作品です。「椿ちゃん、ここはすごく無邪気でいいかもね」とか、「ここは誰も見せない様な部分かもしれないね」と、自分の中の分析では足りない部分を監督がさらっと付け足してくれるような環境だったので、楽しく演じられました。
堀 印象的な役で、予告でも衝撃的なシーンが多い役なのでその役を私がどう演じるのかというのをファンのみなさんが期待してくださってると感じます。
堀 比較的似ている部分が多い役だと思います。椿ちゃんは、序列で1位に決定されてスタートする話なので、望んでいるか望んでないか分かりませんが、意図していないタイミングで1位にされて。嬉しい反面、戸惑いみたいなのももちろんあると思います。私もアイドルを経験してセンターからスタートさせて頂きました。10代の時の自分の気持ちだったり、ステージ上に立っている時の自分と重なる部分がありました。1位としての期待に応えようという部分は演じていてすごくありました。
堀 私は個人個人との出来事を撮影する事が多かったんですけど、私は結構人見知りなのでそこを出さないように、ちゃんと姫山椿として近い距離感で1対1でも向き合える様にみたいなのは気合を入れて頑張りました。傷つく事をされたり、言われたりするシーンもあるんですけど、10代の私だったらきっと椿ちゃんと同じように素直に傷ついていたと思うんですけど、今の私だと多分言い返えせるので(笑)その我の強さを出さないように「私は椿ちゃんだ」というのを常に持ちながら演じる事は意識しました。監督も私の気の強さを知ってるので「椿ちゃん、落ち着いて」みたいに。
堀 私は乃木坂の活動と姫山の心情や環境が似ているものを感じたので、そこを監督にお話させていただいて。乃木坂でセンターっていうポジションでスタートした私と、序列1位からスタートした姫山椿の人生みたいなのがリンクしている部分があるなと私も思いました。
堀 人見知りの割には意外と話せた様な気がしますけど、撮影が終わって仲良くなった方もいます。志田彩良ちゃんは撮影後の打ち上げで仲良くなって。お互い撮影中に気にはなっていたんですけどなかなか撮影が被らなくて、挨拶とかちょっとした会話しかできてなくて。でも私が撮影が終わって秒で帰っちゃったりとか、ちょっと姫山っぽくない、素の私の部分を見かけた時に面白がってくれていたみたいで、打ち上げで仲良くなって、プライベートでは一番会っています。撮影現場で一緒にいたのは(髙石)あかりちゃんと(星乃)夢奈ちゃんですね。同じシーンが多かったので。本当に学生生活送ってる感じで3人で写真撮ったり、ご飯食べたりと一緒に帰ったりとかしていました。賑やかだったので、すごい仲良いなって多分みんな思っていたと思います。本当に各々が、学校みたいに仲良い子がどんどんできていって、懐かしさを感じました。
堀 そうですね、やっぱりクラスメートというのもありますし、椿ちゃん自身はみんなに対して平等に接していて、すごく明るい子なので、お芝居の現場だと私は1人でいる事が多いんですけど、なるべく喋ろうと意識していました。
堀 わんちゃんです。動物がすごく好きで、実家で犬を2匹飼っています。SNSとかではずっとわんちゃんの動画を見ていますね。いろんなわんちゃんの動画見てインスタでフォローもしたりとかめちゃめちゃ犬が好きです。
堀 クランクインしてからクラス全員のシーンが何日間か続いたので、そこで学校生活を思い出して懐かしくなったのと同時に、人見知りというか人とコミュニケーションを取るのが苦手だったと思い出して。振り返ってみると元々小心者な自分だったなっていうのを思い出しました。クランクインの日に、席も真ん中なのでクラスメイトのみんなが周りにたくさんいて、不安を感じてしまい、それを思い出すと自分の奥底にもまだそういう部分があったんだなと。繊細なちょっと小心者な自分もまだいたんだなっていうのは発見でした
堀 やっぱり面白い人だなと思ってもらいたいのが一番です。エンタメ性を常に持っていたいです。お芝居でも、この子ちょっと何か気になるな、面白いなと。激しいアクションとか、とんでもない殺し屋の役とか、ドン引きするぐらいコメディ要素が強い役とか、“その役はしなさそうだけどするんだ、面白い”と思ってもらえるようになりになりたいです。
堀 衝撃的な内容ではありますし、人間の本性みたいなものが強く描かれているので、ショッキングに思う方もいたり、人間不信にもなってしまう様な内容でもあるのかなと思うんですけど、その中でも思いやりがあったり、椿ちゃんなりの伝えたいメッセージもあります。ただ怖い、酷いという部分だけが描かれている訳ではなくて、全体を見ていただいて、「じゃあ自分はもっと人にこういう風に声をかけてあげられるかもしれないな」とか、「もしかしたらこういう風にしちゃってたかもな」と客観的に自分の人間関係を見つめるきっかけにもなるんじゃないかなと思います。舞台が学校ではありますけど、社会に出ても、何気ない一言とか行動で誰かを追い詰めていたりする事は結構多いと思うのでそこを改めて考え直していただけるきっかけになったらいいなと思います。他力本願ではなくて自分がちゃんと責任を持って生きていくというのはすごく大事な事なんだなというのも、遺書を公開し合うシーンを見ていてすごく思いました。
【写真/蔭山勝也、文/編集部】
『遺書、公開。』は全国で公開中
監督:英勉
出演:吉野北人、宮世琉弥、志田彩良
松井奏(IMP.)、髙石あかり、堀未央奈、忍成修吾
上村海成、川島鈴遥、荒井啓志、松本大輝、星乃夢奈、榊原有那、藤堂日向、菊地姫奈、大峰ユリホ
阿佐辰美、兼光ほのか、日髙麻鈴、大東立樹、金野美穂、鈴川紗由、浅野竣哉、青島心、楽駆
©2024 映画「遺書、公開。」製作委員会 ©陽東太郎/SQUARE ENIX