広島を舞台にアメリカ人観光客と若者たちが出会い、過去と現在が交錯する不思議な物語を描く映画『惑星ラブソング』で主人公・モッチ役を演じる曽田陵介、モッチの幼馴染・アヤカ役を演じる秋田汐梨にインタビューを行った。
終戦80年になる2025年に広島を舞台にアメリカ人観光客と広島の若者たちが出会い、過去と現在が交錯する平和をテーマにした本作。本作で映画初主演を務めるのは曽田陵介。秋田汐梨がヒロインを演じる。監督・脚本を務める時川英之が創り出す現代の広島を舞台にしたユニークな愛と平和のファンタジー。
曽田 平和がテーマなので、まずは平和について、日本が戦争をしていた時の事を知ろうと思って平和記念資料館に行かせていただきました。小学校の頃に行った記憶とはまた違う26歳の自分が見た生々しさを感じて、そのことを思いながら演じました。
秋田 授業で戦争についてとか原爆については、みんなが学んでいると思うんですけど、私もそれぐらいの知識しかありませんでした。戦争の勉強を経て、今未来に向けて何か考えていたかと問われると、そういう視点で戦争や原爆に向き合ったことはなかったので若い人たちが未来に向けて考えるきっかけになる大きいテーマの作品だなと思いました。
曽田 前に『覆面D』(2022)という配信ドラマで一緒だったんですけどあまり共演シーンがなくて、今回もクランクイン前には話し合いはしていないです。
秋田 曽田さんがずっとムードメーカーで。私は結構人見知りなので、ちょっと構えてしまうんです。ちょうど今日のこの部屋で顔合わせをして、その時から壁を作らない感じでした。ジョン役のチェイス(・ジーグラー)は日本語を喋れない方なんですけど、曽田さんはガンガン英語で話しかけていて、どんどん距離が近くなっていくのを間近で見ていたので、本当に凄いなと思っていました。
曽田 全然出来ないんですけど(笑)言いたいことを翻訳して覚えて言ってみていました。チェイスはフレンドリーで結構喋ってくれるので。変な日本語を教えました。
曽田 撮影終わりにみんなが「お疲れ様でした」と言うので、「お疲れ様でした」を教えました。
秋田 私自身は全く喋れないです(笑)覚えるのは割と得意なので、台本に書いてある英語セリフは覚えて喋れるんですけど。
曽田 でもすごいすよね、広島弁もすごく自然で。
秋田 曽田さんも広島弁だったじゃないですか。
曽田 いやいや、俺は広島にいたからなんとなく解るけど、一から憶えたのはすごい。
秋田 関西出身で方言を発するのには慣れているというのはあるかもしれません。
曽田 本当に全然違和感がなくてすごいと思っていました。
曽田 1年前の3月に撮影をしていて、寒かったです。泊まり込みで2~3週間ぐらいで。みんなでご飯にも行きましたし、楽しく過ごすことができました。
曽田 原爆ドームです。めちゃくちゃ印象的でした。深夜から朝方まで撮っていたので、どうなるんだろうなと思っていたんですけど、完成した作品を見させてもらって「こうなるのか」ととても印象に残っています。
秋田 あとはビルの屋上のシーンが印象的です。朝、夜と行ったんですけど、広島の街が見渡せて原爆ドームも見えるし、街が活気付いている感じがありましたし、夜は夜景がキレイでした。
曽田 モッチは目標が定まっていない大学生なので、それは自分の大学の時にもあったなと思って等身大で演じさせていただきました。そのモッチの成長の部分とか、平和に対するモッチの考え方が変わっていく部分を見ていただきたいです。
秋田 平和を題材とした作品ですけど、モッチとアヤカの将来に対する考え方の違い、みたいなことは、誰しも経験したことがあるんじゃないかと思います。そんな二人がどうなっていくのか、関係性にも注目して見ていただきたいです。
ヘア&メイク:【曽田陵介】中原ありさ(is) 【秋田汐梨】菅長ふみ
スタイリスト:【曽田陵介】岡村春輝(FJYM inc.) 【秋田汐梨】髙橋美咲(Sadalsuud)
衣装協力:【秋田汐梨】ドレス/KANAKO KAKIMOTO
【写真・文/編集部】
ある日、広島の若者モッチとアヤカは、謎めいたアメリカ人旅行者、ジョンに出会い、広島の街を案内することになる。ジョンには奇妙な力があり、街の至る所で何かを見つけていく。一方、小学校で広島の歴史を学び怖くなった少年ユウヤはその夜夢を見る。夢の中の少女はユウヤを戦時中の広島へと誘う。彼らに起こる不思議な物語は混ざり合い、一つの大きな渦となる。広島の過去と現代が交錯し、幻と現実が融合し始める。やがて忘れられていた歌が街に響き、人々はひとつの奇跡を見つめる。広島から放つ愛と平和のファンタジー。
『惑星ラブソング』は全国で公開中
監督・脚本・編集:時川英之
出演:曽田陵介/秋田汐梨、Chase Ziegler、八嶋智人
西川諄、Raimu、谷村美月/川平慈英
さいねい龍二、塚本恋乃葉、西村瑞樹、キコ・ウィルソン、松本裕見子、田口智也、HIPPY
配給:ラビットハウス
©映画『惑星ラブソング』製作委員会