デンゼル・ワシントン

デンゼル・ワシントン

黒澤明監督の代表作を原案にした『マグニフィセント・セブン』のワールドプレミア上映がトロント国際映画祭で行われた。

世界の名だたる巨匠が師と仰ぐ黒澤明監督の代表作『七人の侍』(1954)。その『七人の侍』の舞台を西部開拓時代のメキシコに移してハリウッドでリメイクされた名作ウェスタン『荒野の七人』(1960)。本作は両作品を原案にリメイクされた。監督は『トレーニング デイ』『イコライザー』『サウスポー』など、重厚な男たちのドラマを描いてきたアントワーン・フークア。 『トレーニング デイ』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントンが主演を務め、『ジュラシック・ワールド』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』などのヒット作に出演が続くクリス・プラット、 『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホーク、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のイ・ビョンホンなど国際色豊かな豪華キャストが集結。

9月23日の全米公開を前に、9月8日に開幕した北米最大の映画祭である第41回トロント国際映画祭のオープニング作品として上映された本作。過去10年で、本映画祭の観客賞を獲得した主な作品には『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』『世界にひとつのプレイブック』『それでも夜は明ける』『ルーム』など、オスカー戦線をにぎわした話題作が揃っていることから大変期待がかかる。

同日に行われた記者会見には、デンゼル・ワシントン、クリス・プラットら“七人の侍”をはじめとするメインキャストと監督が勢ぞろい。アントワーン・フークア監督の「『七人の侍』も『荒野の七人』も普遍的な作品だ。他人の正義のために全力を尽くす話だ。格差社会など現代に通じる要素も持っている。今の時代に合ったウェスタンを創った」と黒澤明監督への賛辞から始まった会見では、様々な人種や国籍の“七人”とあって、世界各国から各キャストや監督に対して質問が飛んだ。デンゼル・ワシントンは『七人の侍』も『荒野の七人』も観ずに撮影に参加した理由を「他の俳優がどう演じたか気にせず、自由に演じることが出来るから」と明かし、「この映画にはユーモアもたっぷりあるが、それはまさにクリス・プラットのおかげだ。クリスは凄い」と話すフークア監督に対して、クリス・プラットは「監督にはいろんなことを自由にやらせてもらえた。上手くいかなかったらカットされるだけさ」と信頼関係を語った。

アントワーン・フークア監督 コメント

黒澤は師(マスター)だ。シェイクスピアみたいな人だ。彼がもし生きていたら、この作品を観るのをたのしみにしてくれたはずと僕は信じている。『七人の侍』も『荒野の七人』もキャラクター重視の映画で、多彩な登場人物たちが他人のために力を合わせるところに意味がある。そこが一番大事だ。もう一つ一番大事なのは『七人の侍』のDNAを守ること。7人の男が集まって正しいことをする。今回は過去の2本に比べ、もっと過激かもしれないが、今の時代の人が共感できる部分もあると思う。昔のウェスタンも時代につれて変化したが、僕らが今の生きている時代のウェスタンを創ったんだ。

デンゼル・ワシントン コメント

『荒野の七人』を観るのを避けていたわけではないが、演じる上でプラスになるとも思わなかった。他の人がどう演じたかを気にせず、自分が演じたいことを自由にできることが重要だった。今回はストーリーも脚本も良かったが、出演を決めたのはアントワーン・フークア監督だからだ。

クリス・プラット コメント

今回の役は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のピーター・クィルよりずっと深い。アウトローが魂の中に何を抱えているかを描いていて、とてもリアルなキャラクターだ。世の中に何本映画があるか判らないが、過去の映画に似ているものもあるだろう。僕らは、(過去にあった)タイトルを使い、ストーリーを使い、この7人を使い、そして違った映画を創った。

イ・ビョンホン コメント

(共演の)イーサン・ホークとは仲が良いという設定もあり、セットでよく話した。イーサンから彼の書いた3冊の本をプレゼントしてもらった。僕の妻が彼の大ファンで、セットに来たんだが、あんな幸せそうな顔を観たことはなかった。だから僕はイーサンが大好きだし、大嫌いでもある(笑)

『マグニフィセント・セブン』トロント映画祭ワールドプレミア (1)

『マグニフィセント・セブン』ポスタービジュアル

映画『マグニフィセント・セブン』は2017年1月27日(金)より全国で公開!
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンヴィンセント・ドノフリオ
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント