古舘伊知郎

古舘伊知郎

10月25日(火)より開催される第29回東京国際映画祭の企画「歌舞伎座スペシャルナイトにて、古舘伊知郎が現代版弁士として出演することが決定した。

日本の伝統芸能である歌舞伎を上演し続けてきた歌舞伎座という場において、映画の魅力を世界に発信していくことで、新しい映画体験と感動を提供することを目的とした本企画。尾上菊之助による女方の舞踊「鷺娘」の上演、『忠臣蔵 デジタル最長版』『血煙高田の馬場』の弁士と生演奏付き上映が行われることが発表されている。

今回、『血煙高田の馬場』に古舘伊知郎が“現代版弁士”としてゲスト出演することが決定した。通常の弁士付上映は、サイレント映画に独自の語りと演奏を付けて上映するが、今回の「現代版弁士」は“喋り屋”古舘伊知郎オリジナルの全く異なるスタイルの上映となる予定。伝統的な弁士付上映、現代版弁士付上映、2つのスタイルを楽しめる。

古舘伊知郎 コメント

無声映画の最盛期、日本には弁士が数千人いたという。弁士は役者以上の人気を誇り、人々の最大のお目当ては贔屓の弁士の語り(活弁)を聴くことだったそうだ。映画を観に行くというより活弁を聴きに行く、言葉が映像の従属物ではなく話芸として確立され愛された時代があったのだ。ちょっと前までは、TVドラマと同時に、ラジオドラマという音だけのジャンルがあったように、人々が喋りを聴いてイメージを膨らませて楽しむ時代があったのだ。喋り手ならば活弁という魅惑の箱を今開けずにはいられない。過去のスター弁士の口調を一所懸命模写し再現する手のことは付け焼き刃で出来るものじゃないが、これまで講談、落語の道中付け、大道芸(香具師の啖呵売)あたりをちょびちょびかじってきた身としては、面白い活弁ができそうな気もする。私に与えられた題材は忠臣蔵のスピンオフ作品“血煙高田の馬場”。ほんの7~8分の短縮バージョンだが、十分面白い。さあ!喋りで何をプラスしていくか、このところ言葉探しの「脳内決闘劇」を時折くり広げている。

「第29回東京国際映画祭プレゼンツ 歌舞伎座スペシャルナイト」

開催日:2016年10月27日(木)
上映作品:『忠臣蔵』デジタル最長版(1926)、『血煙高田の馬場』(1928)
舞踊「鷺娘」(出演:尾上菊之助)
“歌舞伎座スペシャルナイト”特製お弁当
チケット発売日:2016年9月27日(火)10:00
料金:10,000円(税込)※特製お弁当付き
※料金に誤記載がありました。大変失礼いたしました。

「歌舞伎座スペシャルナイト」2015年の様子 (C)2015 TIFF

「歌舞伎座スペシャルナイト」2015年の様子
(C)2015 TIFF

「忠臣蔵」 (C)画像・作品提供:おもちゃ映画ミュージアム

「忠臣蔵」
(C)画像・作品提供:おもちゃ映画ミュージアム

「血煙高田の馬場」

「血煙高田の馬場」

「鷺娘」 (C)SHOCHIKU

「鷺娘」
(C)SHOCHIKU

尾上菊之助

尾上菊之助

第29回東京国際映画祭は2016年10月25日(火)~11月3日(木)まで六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!