「第37回青龍映画賞」授賞式

「第37回青龍映画賞」授賞式

『哭声/コクソン』が2017年3月11日より日本で公開されることが決定し、11月25日に発表された韓国で最も権威のある映画賞の「第37回青龍映画賞」で本作に出演する國村隼が男優助演賞と人気スター賞をW受賞した。

『チェイサー』(2008)『哀しき獣』(2010)のナ・ホンジン監督最新作で、本年度カンヌ国際映画祭で上映されると観る人を震撼させ、韓国では観客動員数700万人に迫る大ヒットを記録した本作。実力派俳優たちが揃った韓国映画史上に残る骨太なサスペンス・スリラーに仕上がっている。43歳にして初の主演作となるクァク・ドウォンが警官ジョングを演じ、村人を惑わすよそ者を、その強烈な存在感で韓国の映画ファンを虜にし、熱狂的な支持を得た日本の俳優・國村隼が演じる。さらにファン・ジョンミン、チョン・ウヒなど演技派俳優が顔を揃えた。

11月25日夜(現地時間)に発表された韓国で最も権威のある映画賞である「第37回青龍映画賞」。日本人としてノミネートされた俳優・國村隼が男優助演賞と人気スター賞のW受賞を果たした。同映画賞37年の歴史の中で外国人俳優がノミネートされること自体が異例(外国人俳優ノミネートは史上2度目)だった中、日本人としてはもちろん、外国人俳優として史上初の受賞という大快挙を成し遂げた。國村は、劇中で平和な田舎の村に大きな変化をもたらす“よそ者”を演じ、一度観たら決して忘れられない強烈な印象を残す熱演を披露している。一般投票により選ばれる人気スター賞では例年人気アイドルや大物俳優などが受賞することが多く、公開時に社会現象にまでなった本作において、國村はその圧倒的な存在感で韓国の映画ファンに絶大なインパクトを残したことを証明したといえる。

授賞式に参加した國村は、男優助演賞受賞の壇上で「韓国で初めて撮った映画でこんなふうに賞をもらえるとは思っていませんでした。日本で韓国映画を見ていて思っていたことがありました。“どうして韓国映画はパワフルなのか、韓国の俳優の存在感はすごいのか”。私は映画を撮るとき、いつもこのようなことを考えています。“どのようにしてフレームの中でどのように生きようとするか、存在感を示すのか”と。韓国映画を見て思いました。ナ・ホンジン監督が日本に来て一緒にやろうよと言ってくれました。そして韓国に来て分かったんです。韓国の現場は監督を頂点として俳優やスタッフがプライドを持って映画を作っていました。俳優とスタッフの高いプライドが韓国映画の原動力だと思いました。韓国映画が素晴らしいのは、素晴らしいお客さんがいるからと思いました。賞をいただき本当にありがとうございました」と熱のこもったスピーチを聞かせた。司会者より韓国の名優ソン・ガンホのファンであることを指摘されると、同じく会場にいたガンホに控えめながらアピールするなど、本作を通じてすっかり韓国映画界に溶け込んだ様子を見せた。

また、本作は当映画賞において男優助演賞、人気スター賞のほかに、監督賞(ナ・ホンジン)、音楽賞(チャン・ヨンギュ&タルパラン)、編集賞(キム・ソンミン)と本年度最多となる合計5部門を受賞した。

平和な田舎の村に、得体の知れないよそ者がやってくる。彼がいつ、そしてなぜこの村に来たのかを誰も知らない。この男についての謎めいた噂が広がるにつれて、村人が自身の家族を残虐に殺す事件が多発していく。そして必ず殺人を犯した村人は、濁った眼に湿疹で爛れた肌をして、言葉を発することもできない状態で現場にいるのだ。事件を担当する村の警官ジョングは、ある日自分の娘に、殺人犯たちと同じ湿疹があることに気付く。ジョングが娘を救うためによそ者を追い詰めていくが、そのことで村は混乱の渦となっていき、誰も想像てきない結末へと走り出す―。

「第37回青龍映画賞」レッドカーペット

「第37回青龍映画賞」レッドカーペット

『哭声/コクソン』SC161126 (1)

『哭声/コクソン』SC161126 (2)

映画『哭声/コクソン』は2017年3月11日(土)よりシネマート新宿ほかにて公開!
監督:ナ・ホンジン
出演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、チョン・ウヒ
配給:クロックワークス
2016年/韓国/156分
©2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION