マーティン・スコセッシ監督が日本を舞台に描く『沈黙-サイレンス-』のトークイベントが12月16日(金)に関西学院大学で行われ、窪塚洋介が登壇した。

本作『沈黙-サイレンス-』の原作者である遠藤周作は10代の頃に市の夙川カトリック教会に通い、仁川で浪人生活を送るなどしており、今回ゆかりの地・仁川にある関西学院大学を会場にトークイベントが行われた。イベントには、本作に出演する窪塚洋介、遠藤周作研究者である関西学院大学の細川正義教授、遠藤周作学会会員であるノートルダム清心女子大学の山根道公教授が登壇した。

本作を「懐の深い作品」と表現する窪塚。答えを押し付けずに、答えに到達するための事実を積み重ねている点に「マーティン・スコセッシ監督という人が日本に敬意を持っていてくれている」と感じたと語った。また、スコセッシ監督は「僕らの中に元からある日本人らしさというものを感じ取ってくれていた」といい「お寺のシーンでの鐘が鳴るタイミングであっても、その情緒感が日本人に近いなと感じられる」と語った。

また、自身が演じるキチジローについては「踏み絵を踏んでしまう弱さ」と「踏み絵を踏む事が出来る強さ」と2つの考え方があると語る。「自分とキチジローとの余白を何で埋めたら自分はキチジローを生きられ繋げてくれるかと思った時に出てきたのが”イノセント”さというキーワードでした」と明かした窪塚。「信仰と宗教は違うのかなという事も思いました」と非常に難しい役どころを演じた思いを明かした。

さらに共演者のロドリゴ役のアンドリュー・ガーフィールドについては「寝ても覚めてもその役でいる俳優」と表現。撮影後半では挨拶も出来なかったことを明かし「役に入り込み過ぎて傍若無人な振る舞いが目立つ事もありましたけど、それも映画を観て許せました(笑)」と作品の完成度の高さに感極まった様子を明かした。。また窪塚は、スコセッシ監督を「どっちにも肩入れすることなく描いているのでその点でも偉大な監督だと感じました」とコメントし、本作について「一人一人の中に答えがある、それでいいよ、と背中を押してくれる作品」と語った。

戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)をマーティン・スコセッシが映画化した本作。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために、たどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本。人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描く。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーに加え、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮ら実力派豪華キャストが集結。

窪塚洋介
Photo Credit Kerry Brown


映画『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国で公開!
監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
Photo Credit Kerry Brown
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