優しくてぶっきらぼうな最高密度の恋愛映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』が5月13日(土)より公開される。

本作は、『舟を編む』(2013)で賞を総なめにし、その後『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』など、33歳にして長編映画12本目となる石井裕也監督の最新作。原作は、最果(さいはて)タヒの同名詩集。最果は2008年、当時女性では最年少の21歳で第13回中原中也賞を受賞するなど「新しい表現者」として注目されている詩人。平易な言葉で綴られ、これまで難解なイメージがあった“現代詩”という概念を覆し、静謐で透明感のある言葉の連なりで、小説では表現しきれない現代人の憂鬱や希望を浮き彫りにする。

映画の舞台は2017年の東京。看護師として病院に勤務する傍ら、夜はガールズバーで働き、言葉にできない不安や孤独を抱えながらも、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じ、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる青年、慎二が排他的な東京で生きづらさを抱えながら出会い、そして、恋がはじまる瞬間を描くラブストーリー。美香を演じるのは、本作が映画初主演となる石橋静河、慎二を池松壮亮が演じる。慎二と同じ工事現場で働く冴えない中年男性・岩下を田中哲司、同じく慎二の同僚で行き場のないイラ立ちを抱える智之を松田龍平が演じ、さらに市川実日子、佐藤玲、三浦貴大など豪華かつフレッシュなキャストが名を連ねる。

本作のエンディング曲には、2016年に結成10周年を迎えたロックバンド、The Mirraz(ザ・ミイラズ)が2013年6月に発表した楽曲「NEW WORLD」(ミニアルバム「夏を好きになるための6の法則」収録)が決定。アップビートの曲調に機関銃のごとく打ち込まれた歌詞がほとばしる名曲。石井監督たっての希望により本曲が映画の主題歌に採用された。

畠山承平(The Mirraz Vo.)コメント

この度、僕らミイラズの「NEW WORLD」という楽曲をこの映画に使いたいというという話をいただいて、石井監督には何かと縁やシンパシーを感じていたので、迷わず使って欲しいと伝えました。ただ、この楽曲はものすごくメッセージ性が強いので、色々と大丈夫かな?と思ったのですが、作品を見て、最後にエンドロールに流れる自分の曲を聴いて、ああそうか、この作品にぴったりの楽曲だったんだなぁ、と納得し、感動しました。自分でもわかっていなかったこの楽曲が持つパワーに圧倒されました。この曲はミイラズが一番攻めてる時期に作った楽曲で、自分的には激押しの曲だったのですが、メッセージ性が強すぎてタイアップがとれないんじゃないかという理由で、シングル候補から落ちてしまった曲。それが今回、めでたく映画の主題歌になれました。本当に幸せなことです。映画を楽しんでいただいた最後にこの楽曲が流れ、そこから更にこの映画のメッセージが多くの人に伝われば幸いです。

The Mirraz(ザ・ミイラズ)

映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』は2017年5月13日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行公開、5月27日(土)より全国で公開!
監督・脚本:石井裕也
原作:最果タヒ「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(リトルモア刊)
出演:石橋静河、池松壮亮、佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグサリン/市川実日子/松田龍平/田中哲司
配給:東京テアトル、リトルモア
©2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会