白石和彌監督、真上さつき、井端珠里、美知枝、郭智博

日活ロマンポルノ・リブート・プロジェクト第三弾『牝猫たち』の初日舞台挨拶が1月14日(土)に新宿武蔵野館で行われ、井端珠里、真上さつき、美知枝、郭智博、白石和彌監督が登壇した。

本作を撮るにあたって「日活の金看板であり、様々な巨匠、様々な傑作があるロマンポルノを作っていいもんだろうか」という心境だったと明かした白石監督。本作は田中登監督の『牝猫たちの夜』にインスパイアを受けたと話し、舞台を池袋にした理由を「僕が20歳前後の時に所沢に住んでまして。ターミナル駅でよく遊んでたんです。それで池袋にしたという経緯です。最初に風俗に行ったのも池袋だったというのも若干あるんですけど(笑)」と明かし、笑いを誘った。

出演が決まった時のことを井端は「もともとロマンポルノファンだった。“誰かがやるんだな~”としか思ってなかった。白石監督のファンだったので、まさか自分が日活ロマンポルノを主演でやらせてもらえるなんて思ってなかったので」と喜びの表情を浮かべる。真上は「私は行定組のオーデションを受けて落とされて。『白石監督がつくるロマンポルノの中に23歳のシングルマザーの役があるから受けてみないか?』と言われたのがきっかけです」と明かした。白石監督は「落とされたんだ(笑)僕、行定さんの助監督も結構やってて、唯一行定さんとの共通点って女性の趣味が近いってとこなんですよ。行定さん、牝猫観て超褒めてましたけどね(笑)」と語ると、真上は複雑な表情を見せるも「心から嬉しいです。行定さん!」と感謝の気持ちを述べた。

引きこもりなのにイケメンすぎるという話題が郭に振られ、本作への出演について問われると「あの・・・イケメンすぎるってことはないんですけど。白石さんとお会いしたかった。オーデションに行った時、白石さんに会えたらラッキーだなと思って。まさか決まるとは思ってなかったので嬉しかったです」と語った。白石監督は「さっきも控室で静かにしてるので、何してるのかなと思ったらケータイでサッカーのゲームをしてて。挨拶まで役作りしなくていいんだけど」と暴露し、笑いに包まれた。

イベントでは、本作が第46回ロッテルダム国際映画祭ディープフォーカス部門に正式招待が決まったことが発表された。井端は「正式招待は本当に嬉しく思います。私は本当にこの作品が好き。日本の現代で巻き起こる問題をテーマにした作品がヨーロッパでどのように受け入れられるのか興味があり、楽しみです」と語り、拍手が送られた。

池袋の風俗店「極楽若奥様」で働く3人の“牝猫たち”は、呼び出された男たちと体を重ね、そして、また夜が明ける―。ワーキングプア、シングルマザー、不妊症・・・それぞれの悩みを抱えながら、爽快と現代を生き抜く女たちと、それを取り巻く男たちの物語を白石和彌監督がオリジナル脚本で描く。主人公・雅子を演じるのは映画、ドラマ、舞台などでキャリアを積む気鋭の女優・井端珠里。ほかに雅子の仕事仲間でシングルマザーの結依を、映画2作目となる真上さつきがフレッシュに演じ、主婦でありながら風俗嬢として働く里枝を美知江が艷やかに演じている。

【取材・写真・文/蔭山勝也】

井端珠里

真上さつき


映画『牝猫たち』は2017年1月14日(土)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開!
配給:日活