塚本晋也、浅野忠信、窪塚洋介、小松菜奈、イッセー尾形

『沈黙-サイレンス-』の初日舞台挨拶が1月21日(土)にTOHOシネマズ スカラ座で行われ、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈が登壇した。

17日(火)にマーティン・スコセッシ監督を迎えてジャパンプレミアが行われた本作。それに先駆けた記者会見では、浅野から「選ばれなければ、神様が審査員に余計なことを言ったということ」との発言が飛び出すほど、アカデミー賞への期待がかかっている。

初日を迎えたこの日、初めに登壇した窪塚は「リーアム・ニーソンです。なんちゃって」と挨拶し、満席となった客席からは大きな歓声が沸き起こった。一度オーディションに落ちたという浅野は「諦めずにいたらこんなに大きな役を演じることが出来ました」と感慨深げに挨拶、公開までに長い道のりがあった本作だが、塚本は「終わったのが信じられない。もっとそわそわしていたい」と笑顔で語った。

本作でハリウッドデビューをするとともに、非常に重要な役割となるキチジローを演じた窪塚は、スコセッシ監督について「役者をのせる」と表現し、自身が本編を見た時に「偉大だと感じた」と尊敬している様子を見せた。ハリウッド映画などでも活躍する浅野だが「(本作で演じる通訳のような)そのような役はやったことがなかった。自分を出さない役だから、必死になって見えてこないストーリーを見つけることが必要だった」と振り返った。窪塚との共演について聞かれた浅野が「僕は(窪塚が演じる)キチジローのファン」と明かすと、窪塚は「僕も家で(浅野のセリフである)『転ぶ』とかローボイスで真似してる」と笑いを誘った。

尾形はアンドリューとの共演に触れ「アンドリューは本番の時だけ姿を現し、それ以外はどこかに行ってしまった。終盤で行われたパーティーでは『Hi!』と別人のようだった」と振り返り「こういう役作りがあるんだと驚きました」とアンドリューなりの役作りに感心していた様子。また、役者への対応に評価が高いスコセッシ監督については「出し惜しみなしで何を投げかけても大丈夫」と信頼を置いている様子で「肉体的にはきついけど、精神的には楽しい」と語った。

「マーティン・スコセッシ教である」と振られた塚本は「殉教覚悟で」演じたと話し、映画監督としての塚本は「役者を危ない目には合わせない」と言うが、劇中では過酷なシーンを自身が演じることがあり「このシーンは嫌だなとは思ったけど、スコセッシ教なので」と笑いを誘った。19歳の時に撮影を行ったという小松は「ビデオしんんさで、慣れない英語のお芝居がすごく難しくて苦労した」と振り返ったが「これを監督が見るんだと思うと全部のパワーを入れた」とコメント。撮影現場については「時間のかけ方などすべてが壮大。豪華なキャストや監督と、その中でお芝居をすることが嬉しいと感じた」と話し「もっとのびのびと自己表現しなければいけない場所なんだと感じた」と女優として学ぶことが多かったことを明かした。

また、塚本は「この映画は宗教を通していろんなことを感じていただける」と語り、本作を「自分と同世代や若い人に見てもらえたら嬉しい」と語る小松は「自分も映画館では明るいものやハッピーなものを見に行きがちだけど、(本作を見て)何かを感じてもらえたら嬉しい。言葉にできない自分が感じたことがあると思う」とアピールした。最後に窪塚は「(自身も)ハッピーな映画が好きですけど、こういう映画が僕らを導いてくれることもあると思う」と話し、大盛況となったイベントは終了した。

戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)をマーティン・スコセッシが映画化した本作。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために、たどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本。人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描く。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーに加え、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮ら実力派豪華キャストが集結。

窪塚洋介

浅野忠信

小松菜奈


映画『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国で公開!
監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
Photo Credit Kerry Brown
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