塚本晋也、窪塚洋介、イッセー尾形

『沈黙-サイレンス-』の大ヒット御礼舞台挨拶が1月31日(火)にTOHOシネマズ 日本橋で行われ、窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也が登壇した。

公開から10日で30万人を超える観客動員となった本作の大ヒットを記念した今回の舞台挨拶。冒頭では客席に鑑賞回数を尋ねるシーンもあり、3回以上といった答えも多数、中には5回という強者もおり、この映画が観客に与えるインパクトの強さをキャストとともに実感。窪塚洋介は「もう映画館に住んでるんじゃないですか(笑)」と笑いを誘ってイベントはスタート。

この超大作で重要な役を演じた反響について、窪塚は「18歳のデビュー当初より大きい反応。一言では言えないけど、と長い感想を喋ってくれる人が多い。あとは、観終わった後ぼーっとして駐車場で車どこに停めたか忘れたとか・・・」と語った。

塚本晋也は「完成作は三度観た。つい最近、大きい画面で見たくなってこのTOHOシネマズ日本橋のエクストララージスクリーンで体験した」「先日街中で、モキチ様・・・!と声をかけられて反響に驚いている」と映画への思いを語った。

イッセー塚本は「桁が違う映画だと言ってもらえる。今年の映画、やここ数年の映画じゃなく、百年に残る映画だと言ってもらえる」と語ると、それに対し窪塚は「原作のファンの方達もたくさんいて、思いを受け取ってくれている。そういった意味で百年、千年、いや万年残る映画だと言っていい」と返す場面も。

現場で驚いた話について、三人は「毎日がびっくりだった・・・」とした上で、窪塚が「汚い身なりの役で、汚しの準備に時間がかかった」と語る。撮影に入る前、窪塚と小松菜奈の初対面は栄養不足の農民役用の付け歯のフィッティングで、小松が口を隠して挨拶するので何故か尋ねてみれば、あまりの違和感のある歯に思わず二人で笑ってしまったエピソードを暴露。「でも、マーティン・スコセッシ監督もこれは望んでいないと思う」と改良を求めたのだとか。

本作でアカデミー撮影賞ノミネートのロドリゴ・プリエトへの印象を尋ねられると、塚本は「芸術家というより技術家」と答え、窪塚は「圧倒的に信頼できる。チーフスタッフの中で、一番早く日本語を覚えたのも彼で、チョットミギー、スコシマエー、と指示を的確に出してくれるようなコミュニケーションを取ってくれた」と付け加えた。塚本によれば、そんなロドリゴにも一度だけ「あーもう全部ダメだ!計算全部狂った!!」と混乱している時があったと明かした。「霧があったりなかったりと不安定な天候の中で撮ったシーンで大変だったんでしょうね、ぬかるみの中だったことを覚えている」と語った。

もし自分が劇中の時代、場所に行ってしまったとき、踏み絵を踏むかどうか?という質問には、塚本は「役抜きにすれば、キチジローに一番共感する。僕はやっぱり踏みますね。で、村に帰ってやっぱ今の(踏み絵)なしなし!!!ってしますね。僕は生きてこそ、だと思います」イッセーは「(井上なら踏めたかなあ、ということを考えてしまって)俺は踏めないなあ、と思ってしまう」、窪塚は「踏みたきゃ踏めばいいし、それで踏めば自分が信じてることが変わるかと言えばそうではない。例え遠方から来ている方が終電だからって途中で映画を抜けてしまっても、それを映画が観たくないからだとは思わない」と例え話を交えながら答えた。

最後には「こんな時代なんで、一人一人のメディア力が大事だと思うので、観客の皆さんにも写真を撮ってもらえたら」と一般客にも撮影が許可される場面もあり、大盛況の中イベントは終了した。

戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」(新潮文庫刊)をマーティン・スコセッシが映画化した本作。17世紀江戸初期、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために、たどり着いたポルトガル司祭の目に映った想像を絶する日本。人間にとって本当に大切なものとは何かを壮大な映像で描く。アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバーに加え、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮ら実力派豪華キャストが集結。

【取材・写真・文/坂東樹】

窪塚洋介

イッセー尾形

塚本晋也


映画『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国で公開!
監督:マーティン・スコセッシ
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫刊)
出演:アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
Photo Credit Kerry Brown
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