寺島しのぶ主演×平栁敦子長編初監督映画『Oh Lucy!(オー・ルーシー!)』がカンヌ国際映画祭国際批評家週間に選出された。日本映画としては10年ぶりの快挙となる。

短編初監督作品『もう一回』がショート・ショート・フィルム・フェスティバル&ASIA 2012でグランプリ・ジャパン部門優秀賞・東京都知事賞の3冠に輝き一躍注目を浴びた平栁敦子監督の長編初監督作品である本作。続いてニューヨーク大学の卒業制作として制作した短編映画を基に新たな物語を書き加え製作された。何事にも満たされない日々を過ごす43歳の独身OL・節子がふと立ち寄った英会話教室のアメリカ人講師に恋をし、東京とLAで大騒動を巻き起こす様を時に赤裸々に時にユーモアたっぷりに描く。主演に寺島しのぶ、共演に南果歩、忽那汐里、役所広司と国際的に活躍するキャストが名を連ね、さらにハリウッドからジョシュ・ハートネットが参加するなど、新人監督とは思えない豪華なキャストで贈る。

今回、本作がカンヌ批評家週間に選出されたことが発表された。批評家週間は、新進気鋭の監督たちを発掘するために設けられ、短編、長編、ドキュメンタリー作品が対象となる。日本人監督作品としては、吉田大八監督作品『腑抜けども悲しみの愛を見せろ』以来、10年ぶりの選出となる。

平栁敦子監督コメント

二つの文化で構成された素晴らしいスタッフとキャストの皆さん、そしてこの映画の完成に貢献して頂いた全ての方々に感謝の気持ちで一杯です。現在の混沌とした世界情勢の中、カンヌという場で「映画」を通して少しでも色々な国の皆さんと繋がりが持てることを何よりも嬉しく思います。

寺島しのぶコメント

この度『Oh Lucy!』が国際批評家週間に選出されたこと、大変嬉しく思います。日米合作ということもあって、撮影中は苦労もたくさんありました。世界三大映画祭であるカンヌ映画祭は、主人の母国であるフランスの映画祭なので、家族共々喜んでおります。海外の方々に、この映画を見ていただけることが嬉しくてなりません。

南果歩コメント

平栁敦子監督の情熱、経験、ユーモアが溢れる『Oh Lucy!』がカンヌ国際映画祭に出品されるという知らせを監督から直接受け取りました。カンヌでどんな風に受け止められるのか、ドキドキしながらも楽しみでなりません。

忽那汐里コメント

とにかく一生懸命に、どんな環境でも真剣にみんなで向き合えた作品なだけに、今回のカンヌ国際映画祭の出品は本当に嬉しく思います。この作品がたくさんのお客様に見ていただけることがとても楽しみです。監督おめでとうございます!

役所広司コメント

きっとカンヌ国際映画祭のお客様に愛される作品だと信じています。平栁敦子監督おめでとうございます!

東京で働く43歳の独身OL節子は、ほど遠くない「退職」と、いずれ訪れる「死」をただ待つだけの生活を送っていた。そんなある朝の通勤ラッシュ。目の前で電車の飛び込み自殺を目撃してしまう。惨事の余韻から抜け出せないまま、仕事に就く節子。突然、節子の姪で21歳の自由人である美花からランチに誘われる。姉の綾子に美花には関わるなと散々言われたのだが、姪に弱い節子はお金に困った美花を助けるはめに―。美花が前払いした英会話クラスを代わりに取り、その受講料を美花に支払う。アメリカ人講師ジョンの教える一風変わった英会話教室で「ルーシー」という名前と金髪のカツラを与えられ、教室では「ルーシー」になりきるようにと言われる。節子の中で眠っていた感情を「ルーシー」が解き放ち、節子はジョンに恋をする。幸せもつかの間、ジョンは姪の美花と一緒に日本を去る。納得ができない節子は、二人を追いかけて、アメリカへ旅立つ決意をする。しかし、仲の悪い姉の綾子も同行することに―。嫉妬、秘密、欲望に満ちた旅の果てに節子が見つけたものとは?

映画『Oh Lucy!(オー・ルーシー!)』は2017年に全国で公開!
監督・脚本:平栁敦子
出演:寺島しのぶ、南果歩、忽那汐里/役所広司/ジョシュ・ハートネット
配給:ファントム・フィルム