第70回カンヌ国際映画祭の様子

第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門選出『グッド・タイム』で主演を務めるロバート・パティンソンのインタビューコメントが到着した。

『神様なんかくそくらえ』が第27回東京国際映画祭グランプリ&監督賞をW受賞したジョシュ&ベニー・サフディ兄弟監督の最新作である本作。主演は、『トワイライト』シリーズで一躍世界的に有名になった人気俳優ロバート・パティンソン。本作ではニューヨークの最下層で投獄された弟を助けようともがく孤独な男コニーを演じる。コニーの弟ニック役にはベニー・サフディが監督と兼任し出演。

パティンソンは、サフディ兄弟監督の前作『神様なんかくそくらえ』の宣伝用スチール写真を1枚見ただけで、サフディ兄弟の独特なスタイルとビジョンに気がついたという。強い衝撃を受けたパティンソンは、早速監督に連絡をとり「どんな作品でもいい。あなた達の次の映画に関わりたい。どこにでも好きな所へついていくから」と熱心にアプローチし、その結果、今回の出演が実現した。ロンドン郊外の出身で、イギリスの進学校で学んだパティンソンにとって強いクイーンズなまりで会話をし、ニューヨーク最下層の荒々しい世界に住む男を演じるのは新しい挑戦。脚本が完成する数か月も前から彼が演じるコニーの人物像をつくりあげていった。

本編中では語られない生い立ちなど細部に至るまでコニーをきめ細やかに演じたパティンソンは「ジョシュ・サフディ監督とロナルド(脚本家)が生い立ちを考えては都度送ってくれたんだ。とても気に入ったよ。ただコニーが若いころ刑務所に入ったという曖昧な話ではなく、彼が刑務所に行くことになった理由、服役期間、いつ出所したのかなど、具体的に説明してくれたんだ」と語る。そんなパティンソンの熱心な役作りに対し、弟ニックを演じたベニー・サフディ監督は「パティンソンと僕はコニーとニックとして何週間もやりとりを続け、兄弟になりきって人生について語り合ったんだ。互いに役立つ深い物語を作ったよ。パティンソンにとっては、コニーの過去の話をより深く創り上げることができ、僕は弟ニックが取る行動の動機をより理解することができたんだ」と振り返っている。

そして、撮影前に兄弟としての関係を作り上げるため、自動車修理店を2人で訪れ、そこの店員と試しに会話をした。パティンソンは「撮影が始まったら気づかれないように、コニーになりきろうとした。皆に見透かされるのではないかと思っていたよ。この作品の準備の大部分は、有名人であることを考えないようにすることだ。ニューヨークに行けば気づかれてしまい、作品のリアリティが壊れてしまうのではないかと不安だったよ」と撮影当時を語っている。

「白昼に追跡シーンを撮影したんだけど、それが無許可でね。ジョシュとベニーがモニターを抱えて指揮を執りながら、4車線もある道路を2人でふさいでいたんだ。彼らは怖い物知らずで、これはそのたった一例にすぎない。2人はカオスを糧にして生きていくタイプの人たちだけど、それは監督としては特別な資質だね。時々、彼らはわざとカオスを引き起こしているのではないかと思うことがあるんだ。その状態をとても楽しんでいるように見えるから。彼らのすごいところは、非常に大きな自信と、それを支える能力の両方を併せ持っていること。珍しいよね」とサフディ兄弟監督を大絶賛している。

ニューヨークの最下層で生きるコニーと弟ニック。2人は銀行強盗を行うが、弟だけ捕まり投獄されてしまう。コニーは言葉巧みに周りを巻き込み、夜のうちに金を払って弟を保釈するよう奔走する。しかしニックは獄中で暴れ病院送りになっていた。それを聞いたコニーは、病院へ忍び込み警察が監視するなか弟を取り返そうとするが―。

映画『グッド・タイム』は2017年11月3日(金・祝)よりシネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開!
監督:ジョシュ&ベニー・サフディ
出演:ロバート・パティンソン、ジェニファー・ジェイソン・リー、ベニー・サフディ、バーカッド・アブディ
配給:ファインフィルムズ
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