アルノー・デプレシャン監督

第30東京国際映画祭「ワールド・フォーカス」部門上映作品『イスマエルの亡霊たち』のQ&Aイベントが10月28日(土)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、アルノー・デプレシャン監督が登壇した。

世界の映画祭で受賞作や話題作、有名監督の日本で未紹介の新作を取り上げる「ワールド・フォーカス」部門。期せずして奇妙な三角関係に陥った映画監督の日常と、彼の創造する映画とがモザイク状に組み合わさった愛のドラマ。マチュー・アマルリック、シャルロット・ゲンズブール、マリオン・コティヤールらが共演する。

本作を「変わった映画監督の物語」と語るデプレシャン監督。主人公のイスマエルは“映画監督”ではあるが、自身との類似点については「とても過激で失礼。そんなことは(イスマエルを演じる)マチュー・アマルリックも自分もできません」と笑いを誘い、アマルリックには要求したのは「過激であるのに謙虚であること」だという。また、アマルリックのほかにも、シャルロット・ゲンズブールやマリオン・コティヤールらが共演したことについては「私にとって、それは夢のようでした」と笑顔を見せるデプレシャン監督。

本作では音楽の使われ方が印象的で、その選曲について質問されると「編集をしているときに音楽を選んだ。好きなのは、曲と曲をぶつからせること」と明かし、具体的には「ヒップホップをクラシックにぶつからせること。ベートーヴェンとジャズをぶつける」などを例に挙げ、さらに「そういった点で、絶対的に崇高な存在はマーティン・スコセッシです」と語った。また、脚本執筆中にはパリでのテロ事件が起こり、そのことで「フランス人たちは新たな脆弱さを知り、私は脚本を書けなくなりました」と振り返ったが、そのことを踏まえた脚本にすることで「私たちは新たな危険がある世界にいることを受け入れるやり方にした」と語った。

最後にデプレシャン監督は「初めて日本に来たのは、監督二作目の『魂を救え!』(1997年日本公開)でした。その時以来、日本の観客の存在は、私の監督人生に重要なものです。あの時以来続けている日本の方々との対話がなかったら今のような作品が作れていないと思います。ここに来られたことを感謝しています」とメッセージを送った。

【取材・写真・文/編集部】

アルノー・デプレシャン監督

アルノー・デプレシャン監督

アルノー・デプレシャン監督

「第30回東京国際映画祭」は2017年10月25日(水)~11月3日(金・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!