真実とは何か?ホロコーストを巡る歴史的裁判の行方を描く『否定と肯定』の本編冒頭映像が解禁された。

「ホロコースト」という最大にして最悪の世界史を題材とした本作の元となった裁判は、欧米でセンセーショナルに報道され、注目を集め、議論を巻き起こし続けた。ユダヤ人歴史学者・リップシュタット役をレイチェル・ワイズ、対決する歴史学者をティモシー・スポール、年長弁護士をトム・ウィルキンソンが演じる。さらには大ヒットドラマシリーズ「SHERLOCK(シャーロック)」のジム・モリアーティ役や『007 スペクター』の悪役Cを演じたことで知ら得れるアンドリュー・スコットも出演。

今回、本作の本編冒頭映像が解禁された。映し出されるのは、<ホロコースト否定論者>デイヴィッド・アーヴィング(ティモシー・スポール)の演説。“大量虐殺は趣味以前の問題だ”“ガス室では誰も死んでない”メディア操作に長けている彼は自らの主張を声高に謳い上げている。その一方で、本作の主人公アメリカで教鞭を執る歴史学者のデボラ・E・リップシュタット(レイチェル・ワイズ)は、アーヴィングのようなホロコースト否定論者がどのように歴史の事実を捻じ曲げようとしているのか、学生たちに講義を行う。正反対のことを語る両者の主張がこの先どう重なりぶつかり合っていくのか、証明すること、真実の追求とは一体何なのか―。これから始まる“ホロコースト”を巡る信念の闘いを予感させる映像となっている。

『ナイロビの蜂』でアカデミー賞助演女優賞に輝き、その後パオロ・ソレンティーノ監督作『グランドフィーナーレ』やヨルゴス・ランティモス監督作『ロブスター』など世界中の名監督の作品に次々と出演しているレイチェル・ワイズ。彼女が本作にかける意気込みは、ユダヤ系の血を引く自身のルーツともつながりがあったため並々ならぬものだったという。本作の原作者であり主人公のモデルであるデボラは「レイチェルは演技においてプロ中のプロで何の役を演じるにも一生懸命そして才能を存分に発揮する。でもこの作品については、彼女のルーツも関係したから、さらにパワフルな演技だったと思う。彼女にとって共感ができた上、とても重要な役だったのでしょう。アウシュビッツで撮影した時に、レイチェルに『これは演技ではないわ』そう言われたの」と語り、レイチェルは「デボラに会いたいと強く思った。立ち振る舞い方を学ぶためにもね。デボラがニューヨークの私の家に来てくれ、数日間いろんなことを延々と語り合ったわ」と振り返っている。

映画『否定と肯定』は2017年12月8日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:ミック・ジャクソン
原作:デボラ・E・リップシュタット「否定と肯定 ホロコーストの真実をめぐる戦い」(ハーバーコリンズ・ジャパン)
出演:レイチェル・ワイズ、トム・ウィルキンソン、ティモシー・スポール
配給:ツイン
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