「21世紀の前衛」と称される異才アルベルト・セラ監督『ルイ14世の死』が5月26日(土)より公開されることが決定し、併せて予告編が解禁された。

フランスの王ルイ14世(1638-1715)。“太陽王”と呼ばれ、豪奢を尽くしてヴェルサイユ宮殿をつくった、この歴史的人物を演じるのは今年74歳になるジャン=ピエール・レオ。セラ監督は死の床の数週間だけに焦点をあて、左脚の壊疽から死に向かう王は、ほぼベッドの上。宮廷の生活をつぶさに記録したサン=シモン公の「回想録」と廷臣ダンジョーの「覚え書,別名ルイ14世宮廷日誌」をもとに、死にゆく王と、その周りの医師や側近、貴族たちをまるで昆虫を観察するように仔細に描く。フランス南東部にある城の中に5週間かけて作ったセットは、当時の国王の寝室の空気感までもが再現され、監督自身が語る「過去を現実として生きるような映画」となっている。

今回解禁された予告編では、来賓の貴族たちに帽子を脱いでみせるだけで拍手が起こったり、ボルゾイというかつて王室で人気だった種の愛犬と戯れたり、後のルイ15世となる幼子を抱き寄せ「偉大な王になれ」と囁く姿など、今年74歳を迎えるジャン=ピエール・レオの存在感を映し出す。左脚の壊疽から死に向かう王の姿を、ロウソクの火が照らしだす絢爛たる美術や豪華な衣装とともに、貴族たちの陳腐さをも見ることができる。

また、本作『ルイ14世の死』公開記念特集上映として、「21世紀の前衛/アルベルト・セラお前は誰だ!?」が開催されることが決定。セラ監督過去作+セラ監督お気に入りセレクションを上映される。詳細は後日発表される。
会期:2018年5月19日(土)~25日(金)
会場:シアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区渋谷2-10-2)
上映作品:アルベルト・セラ監督過去作『騎士の名誉』『鳥の歌』『私の死の物語』『主はその力をあらわせり』『 ューバ・リブレ』 + セラ監督お気に入りセレクション『狂乱の大地』(クラウベル・ローシャ監督)、『牡牛座 レーニンの肖像』(アレクサンドル・ソクーロフ監督)ほか3作品予定

さらに、本作の公開日である5月26日をはさむ、24日~27日にはアルベルト・セラ監督の来日が決定。初日舞台挨拶などに登壇する予定となっている。

アルベルト・セラ監督
©RomanYnan


映画『ルイ14世の死』は2018年5月26日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開!
監督:アルベルト・セラ
出演:ジャン=ピエール・レオ、パトリック・ダスマサオ、マルク・スジーニ、イレーヌ・シルヴァーニ
配給:ムヴィオラ
©CAPRICCI FILMS,ROSA FILMES,ANDERCRAUN FILMS,BOBI LUX 2016