『パラサイト 半地下の家族』の舞台挨拶が12月27日(金)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ、サプライズゲストとして吉沢亮が登壇した。

上映が終わった会場に登場したポン・ジュノ監督とソン・ガンホは、会場を埋め尽くした観客から大歓声で迎え入れられた。本作で4度目のタッグを組んだ2人だが、「監督は韓国において、作家として監督として、社会に向ける暖かいまなざし、鋭いまなざしが広くなっている」とポン・ジュノ監督を称賛したソン・ガンホ。

そんなソン・ガンホは、本作で“裕福な家庭”と“貧しい家庭”が出てくる話だということを事前に聞かされており、「(裕福な家庭の)社長の役だと思っていて、そのことばかり考えていた」と振り返ったが、実際には“貧しい家庭”の大黒柱の役だったことで、「(今後は)雨の降る映画、会談が出てくる映画には決して出ないようにしようと思いました」と笑いを誘った。さらにポン・ジュノ監督とのタッグについて「次の作品が『梅雨時の男』じゃなければ出演したいです」とコメントし、会場は笑いに包まれた。

本作は、第72回カンヌ国際映画祭で最高賞となるパルムドールを受賞しており、第92回アカデミー賞へのノミネートにも期待がかかっているが、そのことについてポン・ジュノ監督は「トロント映画祭で是枝裕和監督とお会いしたときに、『今年一年忙しくなると思うよ。大変だと思うけどがんばってね』と言われてうれしかったです」と明かし、是枝監督の『万引き家族』がパルムドールを受賞の後、アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされたことと同じ道を歩むことになる可能性があることに喜んでいる様子だった。

イベント開始では、ポン・ジュノ監督の『母なる証明』(09)を自身のベストムービーの一本に挙げている俳優・吉沢亮がサプライズで登壇。「緊張しすぎて、うまくしゃべれるかわからない・・・」と緊張した面持ちで挨拶。本作については「純粋にすごい。ここ何年かで見た作品の中で圧倒的なエンタメ感。絶対に見るべき映画」とダイ絶賛した。

そんな吉沢を見つめていたポン・ジュノ監督は「ご自身がイケメンだと気づいたのはいつごろ?」と質問し、吉沢は「小学校5年生のころです」と答え、これにポン・ジュノ監督は「4年生までなんで気づかなかったんですか?」と返し、会場は笑いに包まれた。

さらに、ポン・ジュノ監督は自身と親しくしているという行定勲監督の『リバーズ・エッジ』(08)を鑑賞していたようで、同作に出演していた吉沢は「うれしいです。こんな場所に僕がいるのがおこがましいくらいすごい人たちに見てもらっていたんだと。不思議な気持ちです」とコメント。MCから「いつかご一緒とか」と振られると、吉沢は「いや~・・・お願いします!(そのような)夢のような日が来ればうれしいですね」と笑顔を見せた。

全員失業中、“半地下”住宅で暮らす貧しい一家の長男が、IT企業を経営する超裕福な一家の家庭教師になったことから、次第に想像を遥かに超える悲喜劇へと展開していく本作。相反する2つの家族を軸に、いま世界が直面している貧富格差を痛烈に批判しつつ、コミカルさやサスペンス感など交え、圧倒的エンターテインメント性を持たせた物語展開で描き切った。主演を務めるのは、ポン・ジュノ監督とは『スノーピアサー』『グエムル -漢江の怪物-』『殺人の追憶』に続く4度目のタッグとなるソン・ガンホ。共演には『最後まで行く』『ソニはご機嫌ななめ』イ・ソンギュン、『後宮の秘密』チョ・ヨジョン、「オクジャ/okja」『新感染 ファイナル・エクスプレス』のチェ・ウシクら実力派の面々が脇を固める。

【写真・文/編集部】

映画『パラサイト 半地下の家族』は2019年12月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷、TOHOシネマズ梅田にて先行公開、2020年1月10日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督・共同脚本:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン
配給:ビターズ・エンド
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