中井貴一


富と権力をめぐる人間の野望と愛憎を描く「連続ドラマW 華麗なる一族」が中井貴一主演で連続ドラマ化されることが決定した。

全てを手に入れた男が、何を失ったのか。50年の時を経て、不朽の名作が蘇る―。日本が最も輝いていた時代、高度経済成長期が頂点を極め、その金字塔である大阪万博を間近に控えた状況を背景に、富と権力獲得への手段として、関西の財界で閨閥をはりめぐらす阪神銀行の頭取・万俵大介を中心に、その一族である万俵家の繁栄と崩壊を全12話で描く。

壮大な野望の実現に突き進む主人公・万俵大介を中井貴一が演じる。中井は、2019年に公開された三谷幸喜監督の大ヒット映画『記憶にございません!』での好演も記憶に新しい。同作では第44回報知映画賞主演男優賞、第62回ブルーリボン賞の主演男優賞を受賞、第43回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞。記憶をなくした総理大臣というコミカルなキャラクターから打って変わって、本作「連続ドラマW 華麗なる一族」では財閥の総帥としてビジネスの鬼となる。金融業界でこれから始まる再編成・合併の話を聞きつけ、自らの銀行の、そして万俵家の生き残りをかけて、壮絶な戦いを繰り広げていく。

脚本は、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」や「連続ドラマW 沈まぬ太陽」など人物描写を丁寧に重ねていく幹の太いシナリオに定評のある前川洋一が担当。さらに、2018年の邦画興行収入ランキングトップの映画『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』を始め数々の名作ドラマを手がけた西浦正記がメガホンをとる。

1990年11月にサービス放送を開始し、まもなく開局30周年を迎えるWOWOWでは、2020年12月以降、開局30周年記念番組を続々と放送。その記念番組の一つとして、山崎豊子の長編小説『華麗なる一族』(新潮文庫刊)を連続ドラマ化する。2016年にはWOWOW開局25周年記念として、同じく山崎豊子作品の『沈まぬ太陽』を全20話の大スケールで初テレビドラマ化した。徹底した取材に基づき、リアルな物語を構築することで知られる山崎著の力作『華麗なる一族』は、1970年3月~1972年10月にかけて週刊新潮で連載され、今なお読み継がれる不朽の名作。1974年に山村聰主演でTVドラマ化、同年に佐分利信主演で映画化、2007年にはTBS系日曜劇場で木村拓哉主演で再びTVドラマ化された。

中井貴一(万俵大介役)コメント

文学史、そして日本映画史・テレビ史にも残る山崎豊子さんの名作『華麗なる一族』
幼少の頃、佐分利信さん主演の華麗なる一族を観た覚えがあり、お話をいただいたとき、自分がもうそんな年になったんだと・・・そのことに驚きました。
原作を汚すことのないよう、現代の人があの当時の身分制度の残った社会の在り方、人々のうごめき方が手に取るようにわかるよう、演じてまいりたいと思います。どうぞお楽しみに。

ストーリー

高度経済成長期の日本。預金高10位にランクする阪神銀行のオーナー頭取、万俵大介は、銀行の他に、阪神特殊鋼、万俵不動産、万俵倉庫、万俵商事を擁する万俵コンツェルンの総帥だった。大介は長女の夫である大蔵省のエリート官僚から都市銀行再編の動きを聞きつけ、生き残りを目指して上位銀行への吸収合併を阻止する画策に動き出した。その裏で、万俵家では、父と子の確執、閨閥づくり、妻妾同衾と壮絶な愛憎劇が繰り広げられていた。

「連続ドラマW 華麗なる一族」は2021年にWOWOWプライムにて放送!
(全12話)
監督:西浦正記
出演:中井貴一 ほか