新進気鋭のスタジオA24が放つ最新作『WAVES/ウェイブス』の固定概念を覆す“自由自在な映画作りの源泉”が公開された。

『ムーンライト』(16)、『レディ・バード』(17)、『ヘレディタリー/継承』(18)など次々と話題作を発表してハリウッドに新風を吹き込む映画制作会社A24。その最新作である本作は、ある出来事で傷ついた若者たちが、再び愛を信じて生きる希望の物語。スクリーンの中を躍動するサウンド、カラー、ストーリーが、観るものにいまだかつてない映画体験をもたらし、映画の持つ無限の可能性を感じさせる。目に映るすべてが登場人物の心情に寄り添い、観ているものを“共感”以上の物語の奥へと誘う。フランク・オーシャンをはじめ、ケンドリック・ラマー、アニマル・コレクティヴ、カニエ・ウェスト、レディオヘッドなど音楽シーンを刷新してきたアーティストたちの楽曲が、登場人物の感情とリンクするように選曲されており、時には音楽がセリフのように心の声を伝える。

本作はフランク・オーシャン、ケンドリック・ラマー、カニエ・ウェスト、レディオヘッドなど豪華アーティストによる31の楽曲から紡がれた物語。トレイ・エドワード・シュルツ監督が事前に本編に使用する楽曲のプレイリストを作成し、そこから脚本を着想し製作された。シュルツ監督が用意した脚本は、読みながら各シーンで使用される曲が聴けるように楽曲のハイパーリンクが施されているオンライン上の脚本。各ページには赤や青などのグラデーションがかかり、文字はレインボーカラーで色彩豊か。シーンの状況や人物の心情に応じて文字サイズが変化していたり、カメラワークやアスペクト比の変化など監督がイメージする映像の全てが事細かに描かれていたり、脚本の固定概念を覆す程に手の込んだもの。

脚本についてシュルツ監督は「カメララークもカラーもサウンドも、すべてを最初から脚本に落とし込んだ。役者もスタッフも全員がどのような仕上がりになるかイメージできるようにしたんだ。脚本を書いてる時も書く前も、この映画はずっと僕の頭の中にあったから、壮大なプレイリストを作成したり脚本の中に曲の歌詞を書き込んで方向性を示したりした。というのも歌詞が物語の進む方向とキャラクターたちの感情を説明してくれるからだ」と、この脚本にすべてを注ぎ込んだこと、そして本作における音楽の重要性を語る。

本作の音楽を担当したナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーもシュルツの斬新な脚本を見て「それは今までに読んだどんな脚本とも違ってた。読んだ瞬間、これは紛れもなく、誰かがとてつもない時間を費やして全身全霊を注いで作ったものだと分かった。トレイはまだキャリアが浅いけど本物だ。これは最高のプロジェクトだった」とシュルツの脚本に惚れ込んで仕事をしたことを明かしている。

試写会で本作を鑑賞した人たちからは「映像と音楽が合わさって全てが身体に入ってくるよう」「映画の新しい形を観た」「音と映像が迫ってくる感じが本当にこれまでにない体験」など絶賛の声が挙がっているように、躍動するサウンド、息をのむ美しいカラー、心揺さぶられるストーリーが合わさることで、観たことのない映画体験が待っている本作。脚本の段階から既にサウンド×カラー×ストーリーの見事な融合が始まっていて、シュルツの自由自在な映画作りはまさしく新時代の映画といえる。

映画『WAVES/ウェイブス』は2020年4月10日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督・脚本:トレイ・エドワード・シュルツ
出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr、テイラー・ラッセル、スターリング・K・ブラウン、レネー・エリス・ゴールズベリー、ルーカス・ヘッジズ、アレクサ・デミー
配給:ファントム・フィルム
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