『世界のディズニーパーク絵地図 夢の国をつくるための地図と原画』は、世界のディズニーパークの地図やラフスケッチなどを収録した資料集だ。

『世界のディズニーパーク絵地図』は、世界のディズニーパークのオープン当時の地図や改築後の地図、ラフスケッチなどを収録した貴重な資料集。1955年にカリフォルニア・アナハイムにオープンした最初のディズニーランド・パーク、東京ディズニーリゾート®、上海ディズニーランドまで、それぞれのオープン当時の地図や改築後の地図だけでなく、開発計画の最初の段階に描かれたとされるラフスケッチ、原画、全体像のコンセプトアートも掲載している。

特に注目したいのがウォルト・ディズニーが、ディズニーランドの実現に向けて投資家たちにプレゼンテーションをするためにハーバート・ライマンに描かせた貴重な画稿。このライマンによる“ディズニーランドのオリジナル地図”とも言える絵は、今実在するアトラクションや建物の元となる絵も描かれており、まさにウォルトが思い描いた世界を表現している。さらに踏み込んだテーマランドの俯瞰図からはまだ見ぬディズニーのテーマパークで遊ぶゲストの姿も描きこまれており、当時のウォルトらが夢の実現に向けてワクワクする様子がうかがえる。世界で最も有名な巨大テーマパークが設計される過程の一部が垣間見られる資料集と言える。

また、完成した地図だけではなく、その過程や試作も収録されている点はファンにとってもポイントが高いだろう。ディズニーランド・パークのトム・ソーヤ島の探検マップでは線画のほかカラー試作4点が並び、どのマップがゲストにとっていいものなのかを選ぶ様子を想像させる。

本書では、“ディズニーパーク絵地図”とともに、ディズニーパークの成り立ちも文章で収められている。それらを合わせて読むことで、最初のディズニーパークであるディズニーランドから、日本の東京ディズニーランドをはじめとした世界展開が行われるまでを、順を追って知ることができる。もちろん東京ディズニーシーや香港ディズニーランドなど日本に住む人にとって比較的身近な存在であるディズニーパークの地図も多く収録している。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、以前のように遊びに行くことができない今、本書を読み、おうち時間を過ごしてみてはいかがだろうか。

タイトル:「世界のディズニーパーク絵地図 夢の国をつくるための地図と原画」(原題:‘Maps of the Disney Parks’, Disney Editions)
発売日:発売中
判型:A4横変形判、160ページ
付録:東京ディズニーランド®1983年マップ(A2変形判)
定価:3,500円(税抜)
ISBN:978-4-7683-0960-5
出版元:株式会社玄光社
 『世界のディズニーパーク絵地図 夢の国をつくるための地図と原画』