パンフレット(表紙)


公開を延期されていた大林宣彦監督最新作『海辺の映画館―キネマの玉手箱』の延期後の公開日が7月31日(金)に決定した。

尾道の海辺にある唯一の映画館「瀬戸内キネマ」が閉館を迎えた。最終日は「日本の戦争映画大特集」のオールナイト興行。そこで映画を観ていた若者3人は、突然劇場を襲った稲妻の閃光に包まれ、スクリーンの世界にタイムリープすうr。戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島へ—。そこで出会った移動劇団「桜隊」を救うため、3人は運命を変えようと奔走するが―。大林宣彦監督が、尾道にある海辺の映画館を舞台にした最新作は、まさに“キネマの玉手箱”。物語は、戦争の歴史を辿りながら、無声映画、トーキー、アクション、ミュージカルと様々な映画表現で展開していき、生のエネルギーに溢れた誰も体験したことがないエンタテインメントに仕上げた。

4月10日(金)に公開を予定していた本作だが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公開が延期されていた。今回、新たな公開日が7月31日(金)に決定した。

1938年広島県尾道市生まれの大林宣彦監督は、1977年に『HOUSE/ハウス』で商業映画に進出して以来、自身の古里・尾道を舞台にした『転校生』(82)、『時をかける少女』(83)、『さびしんぼう』(85)の“尾道三部作”など数多くの作品を手がけた。本作『海辺の映画館—キネマの玉手箱』が劇場公開映画の第44作目となる大林宣彦監督だが、奇しくも本作の公開予定だった4月10日に大林宣彦監督(享年82)は生涯を閉じた。

しかし、本作プロデューサーで人生のパートナーである大林恭子の言葉を借りると「大林宣彦監督は次回作ロケハン中!」。そんな監督の最新作は、先行きの見えない映画業界を鼓舞するような”映画愛”と”平和への想い”が込められたエネルギーにあふれた作品だ。

“ねぇ、映画で僕らの未来変えて見ようよ――”

大林宣彦監督が直筆で寄せた、この最期のメッセージは劇場パンフレットに遺されている。パンフレットには本作に出演した俳優陣から大林監督へのラブレター45篇や、富田靖子と石田ひかりが初対面となった尾道ヒロイン夢の対談、大林宣彦の撮影ノート、映画評論家・佐藤忠男による寄稿や、大林番記者のコメント寄稿など、まさに玉手箱のようなパンフレットとなっている。

予告編

映画『海辺の映画館―キネマの玉手箱』は2020年7月31日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:大林宣彦
出演:厚木拓郎、細山田隆人、細田善彦、吉田玲、成海璃子、山崎紘菜、常盤貴子
配給:アスミック・エース
©2020「海辺の映画館―キネマの玉手箱」製作委員会/PSC