今回解禁されたビジュアル


32歳で命を絶った“非正規歌人”萩原慎一郎による歌集を映画化した『滑走路』の予告編とポスタービジュアルが解禁された。

いじめや非正規雇用といった自らの経験を基に短歌を発表し続けた歌人・萩原慎一郎による「歌集滑走路」。あとがきを入稿した翌月、32歳の若さにして命を絶ち、デビュー作にして遺作となった一冊の歌集は、苦難の中それでも生きる希望を歌い、苦悩を抱える人へのエールとして多くの共感を呼び、自費出版がメインの歌集において異例のベストセラーを記録。原作歌集をモチーフにオリジナルストーリーとして紡がれる本作。水川あさみが扮する翠、浅香航大扮する若手官僚・鷹野、そして新人・寄川歌太が扮する中学二年生の学級委員長。それぞれ悩みを抱えて生きる3人の人生が、やがて一つの道へと繋がっていく―。非正規、いじめ、過労、キャリア、自死、家族現代を生きる若い世代が抱える不安や葛藤、それでもなお希望を求めてもがき生きる姿を鮮烈に描き出す。

今回解禁された予告編では、まったくバラバラな三人の人生が、一人の人物の死をめぐり交錯していく様子が描き出される。様々な障壁と対峙し、行き場のない”心の叫び”を抱えるそれぞれの登場人物たちだが、「あの日、あなたの言葉が生きる翼をくれた―」というナレーションが示唆するように、一筋の光を予感させるラストになっている。

そして、最後に映し出されるのは「きみのため用意されたる滑走路 きみは翼を手にすればいい」という、原作歌集におさめられた一首。タイトルの由来を想起させる歌は、ポスターに配された青空を翔ける1機の飛行機とも呼応し、「魂の叫び」と「希望」を感じさせる予告編とビジュアルに仕上がっている。

また、Sano ibukiが書き下ろした主題歌「紙飛行機」の音源も披露された。映画と歌集の雰囲気に優しく寄り添う歌詞とメロディが胸を打つ楽曲 が、エモーショナルな予告編をより盛り上げている。

予告編

さらに、原作の「歌集 滑走路」の文庫版と、映画を元に書き下ろされた小説版が9月24日(木)に発売されることが決定した。待望の文庫版には、NHK「クローズアップ現代+」で「歌集 滑走路」を激賞したお笑い芸人・小説家の又吉直樹による解説もあらたに収録決定。小説版の著者は連続ドラマ化された「今からあなたを脅迫します」シリーズでも知られる新鋭作家の藤石波矢。映画のストーリーをもとに、オリジナルの要素も加え仕上げた原作の歌集に収録された数々の歌へのオマージュも要所に感じられる小説となっている。

『歌集 滑走路』角川文庫
著者:萩原慎一郎
予価:580円+税
発売:2020年9月24日(木)

『小説 滑走路』KADOKAWA刊
原作:萩原慎一郎
小説:藤石波矢
定価:1600円+税
四六判上製単行本
発売:2020年9月24日(木)

映画『滑走路』は2020年11月より全国で公開!
監督:大庭功睦
出演:水川あさみ、浅香航大、寄川歌太、木下渓、池田優斗、吉村界人、染谷将太、水橋研二、坂井真紀
配給:KADOKAWA
©2020「滑走路」製作委員会