『窮鼠はチーズの夢を見る』の夏休み限定イベント~第二夜~が8月25日(火)に都内で行われ、吉田志織、行定勲監督が登壇した。

8月24日から5日間で開催される『窮鼠はチーズの夢を見る』夏休み限定イベントの第二夜に登壇したのは、劇中で成田凌演じる今ヶ瀬の恋路を邪魔する最大の恋敵となる岡村たまきを演じた吉田志織、メガホンを執った監督の行定勲。

行定監督は原作を読んだ際、大倉忠義が演じた恭一と、成田凌が演じた今ヶ瀬よりも、2人を取り巻く女性キャラクターたちに強い興味を持ったという。「恋愛の行く手を阻む刺客のように現れる。そこがすごく魅力的でした」と語り、大倉忠義と成田凌の主要キャスト2人が決まった後、女性キャラクターたちのキャスティングは“先入観を持たれない女優”というキーワードのもと実施されたオーディションで決まり、吉田も例外でなく、そのオーディションでたまき役を勝ち取ったことが明かされた。

吉田演じるたまきは、今ヶ瀬の恋敵であり、一途に恭一を想いながらも振り回されてしまうという設定。自身が演じたキャラクターについて、台本を読んだ時の印象を聞かれた吉田は、「恭一のことをすごく好きだけど、ずっと自分の気持ちを抑えて強がったりしていて。最初は本当にかわいそうだなって思ってた」と役に感情移入しつつも、一方で、「恭一と今ヶ瀬はお互いにこの相手しかいないけど、たまきにはこれから素敵な人が現れるだろうな~、たまきは恭一じゃなくても幸せになれるだろうな!と思っていました(笑)」と役を客観的に、そしてポジティブに捉えていたことを明かした。実際に演じる上でも、原作を読んで役作りを行ったと言い、「たまきは悲しい辛い時も、無理をして笑顔を作ってしまうような女性。それが余計に悲しく見えたのが印象的だったので、笑顔は意識して演じました」と語った。

完成した作品を観て、好きなシーンを聞かれた吉田は、恭一が今ヶ瀬に誕生日プレゼントとしてワインを贈った場面をセレクト。「好きな人の何気ない発言って、受け取る側からしたら大きく気持ちを動かす。それが丁寧に表現されていて、好きなシーンです。今ヶ瀬のうるんだ瞳も印象的でした」と胸キュンシーンについて語ると、行定監督も「(成田演じる今ヶ瀬が)本当に可愛かった(笑)」と振り返り、「現場のカメラマンも思わず『可愛いな!』と叫んでましたからね(笑)」と裏話を披露した。

最後に行定監督は「愛を“浮き彫り”にしている映画だと思います。何度も何度も、嚙みごたえのある映画です」、吉田は「一人の人間として本気で真剣にぶつかり合って、真剣に恋をした二人の、苦しくて楽しくて切ない、すごくリアルなラブストーリーです。多くの人の心に残る作品だと思っています」と本作をアピールした。

原作は、人を好きになることの喜びや痛みをどこまでも純粋に描き、圧倒的な共感を呼ぶ心理描写から、多くの女性から支持を得た水城せとなの傑作コミック「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」。主人公・大伴恭一を大倉忠義、恭一への想いを募らせ葛藤する今ヶ瀬渉を成田凌が演じる。メガホンをとるのは、ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を2度受賞するなど、日本を代表する映画監督・行定勲。その繊細な表現力と確かな演出力で、揺れ動く二人の切ない恋を、時に繊細に時に大胆に描き出す。本作はR15指定となっている。

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』は2020年9月11日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督:行定勲
出演:大倉忠義、成田凌、吉田志織、さとうほなみ、咲妃みゆ、小原徳子
配給:ファントム・フィルム
©水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会