『きみの瞳(め)が問いかけている』のQ&Aトークイベントが12月15日(火)に新宿バルト9で行われ、三木孝浩監督が登壇した。

恋愛映画史を涙で塗り替えるほど、純度の高い「無償の愛」を描いた“純愛”映画である本作。W主演を務める吉高由里子が演じるのは不慮の事故で視力と家族を同時に失う悲劇に見舞われながらも、明るく健気に生きようとする女性・明香里、横浜流星はかつて将来を有望視されていたキックボクサーだったものの、過去の事件によって心を閉ざし、今は日雇いバイトで食いつなぐ毎日を送る無口な青年・塁を演じる。ひょんな勘違いから出逢った二人は、次第に惹かれあい、心を開くが、塁は自分が起こした過去の事件と明香里の失明にある驚愕の因果を知り、彼女の目の手術代を稼ぐため、高額な賞金が賭けられた不法な賭博試合のリングに再び立つことを決意する─。話題の恋愛映画を続々手掛ける三木孝浩監督が描きあげる。

10月23日(金)の全国公開以来、三木監督にとって二度目となる単独Q&Aトークイベントでは、会場にいる観客から直接質問を募り、質問投稿サイトにリアルタイムで観客からの質問を反映させる形で実施された。本作は韓国映画『ただ君だけ』を元に制作されたが、タイトルについて「オリジナルとは違うひねりを加えたかった。瞳(め)という漢字も入れたかったし、日本にフィットするものを考えた。韓国版はチャールズ・チャップリンの『街の灯』にインスパイアされており、目の見えない女性が出てくる。そして韓国版にあるロミオ&ジュリエットのセリフも印象的だったので、それも使いたかった」とこだわりを回想する三木監督。タイトルは約100案もあったそうで「“君”を漢字にするかカタカナにするか、細かいチューニングを経て『きみの瞳(め)が問いかけている』に至りました」と舞台裏を説明。

罪を犯したことでキックボクサーとしての未来が断たれた男・塁(横浜流星)が働く酒屋の名前である“横濱屋”だが、実は「実在する横濱屋という名前の酒屋さんで、ロケハンをする中で偶然見つけました。映画に登場する軽トラックも実際にお店で使用しているものをそのまま使わせてもらった」と偶然から生まれたことを明かした。目が不自由な明るく愛くるしい明香里(吉高由里子)のネックレスについては「両親からのプレゼントなのか、形見的にずっと同じものを身に着けている設定です。明香里は大学までは目が見えていたので、アクセサリーは目が見えなくなってからも身に着けるようにしたかった」と狙いを語った。

この日最も多かった質問は「続編製作の予定は?」というシリーズ化を望む声だったが、三木監督は「続編は・・・なかなか作りづらい!」と悩みつつ「サブストーリーで、半グレ集団ウロボロスのリーダー・恭介(町田啓太)の歴史を深掘りするのは面白いかもしれない」とスピンオフの可能性にも言及。メインの明香里と塁については「あのラストを迎えたわけですから、二人には幸せになってほしいな」とハッピーエンドを願っていた。

イベントでは映画にちなんだグッズをプレゼントするじゃんけん大会も開催。最後まで大盛り上がりだったトークイベントに三木監督は「皆さんはお客様というよりも、もはやチームです。『きみのめ』応援団として心強く思っています。キャスト二人もとても喜んでいました。引き続き全国に映画は広がっていきますので、これからも劇場に足を運んでいただけたら嬉しい」とメッセージを送った。

映画『きみの瞳が問いかけている』は全国で公開中!
監督:三木孝浩
出演:吉高由里子、横浜流星、やべきょうすけ、田山涼成、野間口徹、岡田義徳/町田啓太/風吹ジュン
配給:ギャガ
©2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会
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