今回解禁されたビジュアル


スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督待望の新作『ペイン・アンド・グローリー』のポスタービジュアルが解禁された。

過去の悲しみも輝きも抱きしめて―人生の最終章まで楽しもうと、再び前を向く男の人生賛歌。監督自身のキャリアにおける葛藤も含め自伝的なところも描かれている本作。主演のアントニオ・バンデラスが映画監督役を演じ、キャリア最高の演技と称され、今までにない、繊細な演技で新境地を開拓している。さらにアルモドバルのミューズ、ペネロペ・クルスも出演。スペインの日差しの下で献身的に息子を育て、家族を明るく支える母親役を演じている。全盛期の作品から、さらに深みが加わり円熟の域に達したアルモドバルのキャリア最高峰との声に期待が高まる。

今回、本作の日本版オリジナルポスタービジュアルが解禁された。目に飛び込んでくるのは溶け出し、水紋のように広がり渦を巻くアルファベットの文字。孤独の中で生きる主人公は、幾度も過去の記憶を辿っていく。その過去での悲しみや様々な想い、溢れ出る心象風景がこの背景のゆらぎに表現されている。アルモドバル監督は、自国で作ったデザイン、作品タイトルを世界的に使用することを好み、基本的に変更は認めない、というスタンスを持っている。作品にも十分その美的なこだわりが見えるが、この日本版ポスタービジュアルについては「全体のデザインが気に入っている。特にこの背景の水を連想させる渦のイメージが作品と合っていてよい」と太鼓判。

また、アルモドバル監督は「意図したことではなかったが、この作品は3部作の第3章にあたります。『欲望の法則』(87)、『バッド・エデュケーション』(04)、そして『ペイン・アンド・グローリー』です。自然と出来上がったこの3部作は完成するまでに32年を要しました。すべて主人公は男性で映画監督。そして、どれも“欲望と映画”を題材としたフィクションが物語の柱となっていて、そのフィクションにはそれぞれの作品によって異なる現実が垣間見えてきます。フィクションと人生は表裏一体。人生には常に痛みと欲望が伴うのです」とコメントを寄せている。

ペドロ・アルモドバル監督

映画『ペイン・アンド・グローリー』は2020年初夏にTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国で公開!
脚本・監督:ペドロ・アルモドバル
出演:アントニオ・バンデラス/アシエル・エチェアンディア、レオナルド・スバラーニャ、ノラ・ナバス、フリエタ・セラーノ/ペネロペ・クロス
配給:キノフィルムズ/木下グループ
©El Deseo.