『ヤクザと家族 The Family』の完成報告トークイベントが1月11日(月・祝)に都内で行われ、綾野剛、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、舘ひろし、藤井道人監督が登壇した。

本作は、1999年、2005年、2019年と変わりゆく時代に、ヤクザという生き方を選んだ男と、彼を取り巻く人々を、抗争ではなく、家族の視点で描いた壮大なクロニクル(年代記)。“組織=ファミリー”と“自らの家族”の間で揺れ動き、時代の波に流されながら激動の20年を生きた男が抱える家族への愛、様々な問題をはらみ、反社会勢力として徹底的な排除に追い込まれた“ヤクザ”を描く。少年期に柴咲組組長の危機を救ったことからヤクザの世界へ足を踏み入れた男・山本賢治役に今回初のヤクザ役となる綾野剛。綾野演じる身寄りのない孤独な少年・山本に手を差し伸べ、“家族”という居場所を与えた柴咲組組長・柴咲博を、ヤクザ役は43年ぶりとなる舘ひろしが演じる。

冒頭の挨拶とともに、本作を漢字一文字で表現した登壇者。「愛」と書いた舘は「ヤクザがテーマの映画ですが、愛がいっぱい溢れています」と自信を見せ、突き指をして指に包帯を巻いている尾野は「今」と書き「今必要なテーマが盛り込まれていると感じる。今に必要だなってきっと感じてくれる」と笑顔を見せた。そんな中で、舘と同じく「愛」と書いた綾野は「(舘と同じで)ドキドキしました」とコメントすると、舘は「愛し合ってますから(笑)」とコメントし、会場を沸かせた。

今回初共演となった綾野と舘だが、「この映画は綾野くんが映画全体を引っ張っていったという感じがします。綾野くんが山本という役を演じたというよりも、役を生きたという印象を受けました」と称賛。綾野とは久しぶりの共演となった尾野はこれまでの印象とは違ったようで「今回現場に入るとみんなのことを見て、ケアして、監督とも長い時間をかけてコミュニケーションを取り」とその姿勢に感銘を受けた様子で、さらに「上から目線で言っていいですか?『こいつ、でかくなった』っていうくらい頼りになる人にいなってるんだと思った」と絶賛した。

また、藤井監督が「僕にとってはみんなが家族。(綾野)剛さんは撮影が終わるとご飯に連れて行ってくれたりして、『こういうシーンよかったよね』とかひとつひとつを気遣ってくれた。終わってしまうときは本当にさみしかった」とコメントするように、この日も仲の良さを存分にうかがえた登壇者たち。

綾野は、撮影現場で舘が淹れたコーヒーが「本当においしくて・・・舘さんの淹れ方なんです」と笑顔を見せ、磯村も「(監督)ディスカッションしあえる仲、同じ立場で」と現場環境の良さを明かした。

イベント当日の成人の日にちなんで、綾野からは「おめでとうございます」と祝福の言葉を口にしつつ、成人式が相次いで中止となっている状況に「気持ちが分かるなんてとても言えなくて・・・」とそのつらい心情を口にした。また「みなさんが夢や希望や思いをはせる自分が好きになって、強く生き抜くことができる思いになれることを大人が示していかなければいけないと思っています。夢を膨らませていく可能性は無限大ですから、時間をかけて育んでほしいと思います」とメッセージを送った。

また、綾野は「どんなときもエンターテインメントは不屈で、不要ではないということを届けていくべきだと思うので、いま僕たちはこういう機会が許され、時短である中ですけど今のやり方で映画館を運営していくというところを含めて、少しでもエンターテインメントが終わっていない存在しているということが、みなさんの心に花を添えることになると思っています。映画は公開し続けているということが少しでも支えになればいいと思っています」と今の思いを吐露。最後に「この映画はみんなの愛を育んで作ったとても大切な作品です。私にとっても集大成となった作品で、今後はこの作品が圧倒的な僕にとっての一番のライバルになっていくんだろうという予感がしています」と本作をアピールした。

【写真・文/編集部】

映画『ヤクザと家族 The Family』は2021年1月29日(金)より全国で公開!
監督・脚本:藤井道人
出演:綾野剛、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、菅田俊、康すおん、二ノ宮隆太郎、駿河太郎、岩松了、豊原功補/寺島しのぶ、舘ひろし
配給:スターサンズ/KADOKAWA
© 2021『ヤクザと家族 The Family』製作委員会