『花束みたいな恋をした』の公開初日イベントが1月29日(金)に都内で行われ、菅田将暉、有村架純、土井裕泰監督、脚本を担当した坂元裕二が登壇した。

「東京ラブストーリー」(91)、「Mother」(10)、「最高の離婚」(13)、「Woman」(13)、「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」(16)、「カルテット」(17)、「anone」(18)など多くの連続ドラマを手掛けてきた脚本家・坂元裕二が、2020年の東京を舞台に、今を生きるすべての人へ贈るため書き下ろした最新作。坂元裕二が映画オリジナルのラブストーリーを手掛けるのは今作が初。菅田将暉と有村架純という2人の実力派俳優による初のW主演が実現。監督を担うのは『罪の声』の土井裕泰。『いま、会いにゆきます』(04)、『ハナミズキ』(10)、『映画 ビリギャル』(15)など多くの大ヒット映画を手がけてきた土井は、ドラマ「カルテット」で坂元と組んで以来、映画では初のタッグを組む。

全国321館で生配信された今回のイベントに菅田は「ここはちょっと暑いですが、皆さんの劇場はどうでしょうか?」、有村は「やっほー!東京の会場にいらっしゃれない方も見てくださっているかと思いますが、気持ちは一つです!」と各地域のファンに向けても挨拶した。

坂元は「すごく感動していたのに、監督から『つまらなかったですか?』と言われました(笑)心の中でじんわり秘めたものがあったんだと思います。自身が関わっているものなので恥ずかしいですが、素直に染みて、少し泣きました。俳優さんが演じた時点で自分が書いたことは忘れてしまって、麦くんと絹ちゃんの姿を見ている一人として感動しました。とにかく感謝の一言、ありがとうと言いたいです」と本作の感想を述べ、「菅田くんと初めて会ったのは5年くらい前なんですが、3年くらい前にとあるところでお会いして、『またお仕事したいんだよね』と話をしたら、菅田くんが『ラブストーリーがしたい』と言ってくださったんです。そのときの想いが果たせて感無量です」と本作の誕生秘話も。

菅田は「坂元さんが脚本をされているTVドラマを観てきた世代ですし、ラブストーリーを今のうちにやらなきゃな、やりたいなという気持ちがあったんです」と振り返った。有村も坂元の感想に「すごく嬉しいです。試写の際も坂元さんが『とっても良かったじゃないですか』と感想を言ってくださって、胸を撫でおろしました」と安堵の表情を浮かべた。

本作の脚本は坂元が菅田、有村の出演を想定して当て書きしたものだが、坂元は「菅田くんが、有村さんがお芝居をしたときにどんな役を演じたら面白いか、どんなシチュエーションだったら面白いのかと考えながら書きました。過剰に若者とか、時代の変化とかを意識してしまうと、どうしても上から目線になってしまったりするので、今の子は違うんじゃないだろうか?など意識せず、とにかくフラットに書いています」と今の若者たちの恋愛をリアルに描くこだわりを明かした。

続いて撮影中に菅田と有村がフィルムカメラ撮影したオフショットがスクリーンに映し出され、当時の様子を振り返る菅田と有村。菅田がガチャガチャのカプセルを目にはめている写真には「気持ち悪いですね(笑)」と菅田、有村は「菅田くんが一緒に遊んでくれました!たまたまロケ場所にガチャガチャが沢山あったので、一緒に何かを選んで披露しようって」、「沢山あって、すごくワクワクしちゃって。この中から何を選ぶというセンスが問われますからね。」と当時の思い出を明かした。

有村がギターを演奏している写真は「とにかく撮影の合間の時間が多かったんですけど、家にギターがあるという話になって、菅田くんと一緒にやろうって話になって」と有村。菅田は「麦も絹もお互いカルチャーで共鳴していたので、僕たちもせっかく家にギターがあるなら、何か1曲弾けるようになろうよって練習したんです」と菅田指導のもと有村は練習を重ね、クランクアップには1曲弾けるようになったそう。他にも撮影期間中に誕生日を迎えた有村がバースデーケーキを持つ写真など、まるで麦と絹のような二人の和気あいあいとした姿が伝わるものばかり。

撮影時とは世の中の状況も大きく変わってしまったが、菅田は「テーマも普遍的で、世代も関係のない作品になっているので、本当に映画と人というシンプルな距離で楽しんでいただければ嬉しいです。この状況下だからこそ人との触れ合い、温かさ、色々なことを思い出しながら、未来に進んで行けたらいいなと思います」と、この映画が皆に届くことを祈り、有村も「麦と絹の恋愛日記のようなラブストーリーですが、人生の物語でもあります。それはいつしかの皆様の物語でもあると思うので、皆様が生きてこられた普遍的だけど大切で、忘れられない瞬間というものと寄り添いながらこの映画を感じてほしいなと思います。観終わった後は、花束のように心に灯をくれる物語になっていると思うので、大変な世の中ではありますが、きっと温かい気持ちを残してくれる作品になっています」とコメントした。

最後に菅田は「全国の皆様、とにかく今の時間を楽しんでください。また!」、有村は「この日記のようなお話を見守る形で、存分に楽しんでいただけたら嬉しいです。また!」とメッセージを贈り、続けて「『ヤクザと家族』も見てね!」と菅田、有村も「見てくださーい!」と本イベントの直前に同所でイベントを行っていた『ヤクザと家族 The Family』もアピールした。

映画『花束みたいな恋をした』は全国で公開中!
監督:土井裕泰
出演:菅田将暉、有村架純、清原果耶、細田佳央太、韓英恵、中崎敏、小久保寿人、瀧内公美、森優作、古川琴音、篠原悠伸、八木アリサ、押井守、Awesome City Club PORIN/佐藤寛太、岡部たかし、オダギリジョー、戸田恵子、岩松了、小林薫
配給:東京テアトル、リトルモア
©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会