ベトナム社会のタブーに切り込んだ衝撃作『走れロム』に著名人からのコメントが到着した。

本作は、サイゴンの裏町を舞台に、孤児の少年ロムが夢を叶えるため、巨額の当選金が手に入る闇くじに挑む姿を、疾走感溢れるスタイリッシュな映像とエモーショナルな演出で描いた話題作。監督は、長編デビュー作にして釜山国際映画祭ニューカレンツ部門(新人監督コンペティション部門)最優秀作品賞の受賞はじめ世界各国の映画祭で熱い視線が注がれる期待の新鋭チャン・タン・フイ。プロデューサーには、『青いパパイヤの香り』『シクロ』で知られる名匠トラン・アン・ユン監督が名を連ねる。

小島秀夫(ゲームクリエイター)

ベトナム社会の知られざる労働者階級に根ざす悪習(闇くじ)は、観る者の心を砕き、暗鬱とさせるだろう。
しかし、その闇をとらえた本作は、凄まじい生命に満ち溢れ、映画力が迸っている。さらに、家族と再会する為に奔走し続けるロムの姿には、強かで尊い光明さえ感じる。

SYO(映画ライター)

何もかも呪いたくなるような時代に、疲弊していた。
そんなとき、異国の少年に教えられた。「希望は、この先にしかない。だから動くんだ」と。
諦念をぶっ飛ばす、活力の79分。疾走感という言葉は、きっとこの映画のためにある。

岩井志麻子(作家)

人間の欲深さ愚かさ狡さを描きながら、でも人間は優しく崇高で善良なもの、という結末になり、そう感動させられるのかと思いながら観ていたのに、違った。しかし、欲深く愚かで狡いからこそ、人間って面白いのだ。
そして主人公はベトナムそのもの、ホーチミンの擬人化だ。とにかく、ギラギラと若い。ともあれ、未来はこれからなのだ。

丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)

貧困層とギャンブルは相性がいい。どんなリスクを負っても夢見ることを選ぶのは、生まれ変わる以外に唯一、一発逆転する方法だからだ。彼らにとってのギャンブルは人生そのものなのだ。

相澤虎之助(空族)

たかが数字。されど数字。この映画は数字に翻弄され、資本の奴隷たる我たちの姿をこれでもかと見せつける。だがその果てにどんなにハードな現実が訪れても縦横無尽にストリートを右往左往するロムとフックの肉体がいつしか数字を越えて新たな地平へと羽ばたいてゆく。これはまさにベトナム版『ハーダー・ゼイ・カム』だ!!

映画『走れロム』は2021年6月11日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開!
監督:チャン・タン・フイ
出演:チャン・アン・コア、アン・トゥー・ウィルソン
配給:マジックアワー
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