『猿楽町で会いましょう』の舞台挨拶が6月5日(土)にホワイトシネクイントで行われ、金子大地、石川瑠華、栁俊太郎、前野健太、児山隆監督が登壇した。

本作は第2回「未完成映画予告編大賞MI-CAN」グランプリ受賞作を映画化したラブストーリー。鳴かず飛ばずのフォトグラファー・小山田は、読者モデルのユカと出会う。次第に距離を縮めていく2人だが、ユカが小山田に体を許すことは決してなかった。そんな中、小山田が撮った彼女の写真が、2人の運命を大きく変えることになる―。フォトグラファー・小山田役には金子大地。どこか掴めないユカ役には石川瑠華。そのほか、ユカの元恋人・良平役に栁俊太郎、ユカがタレント養成学校で出会う友人・久子役に小西桜子、雑誌編集者役を前野健太が演じる。監督は、本作が長編映画デビューとなる児山隆。

2019年の撮影の後、昨年公開を予定していたが新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う公開延期を経て、2年越しの劇場公開を迎えた本作。「やっと見ていただける」と喜ぶ金子は「2週間の撮影は毎日が濃かった」と振り返り、「僕の演じた小山田は純粋だけど未完成。とにかく余裕のない男を意識した」と脚本との出会いを述懐した。嘘だらけのヒロイン・田中ユカを演じた石川は「はじめユカのことを好きになれなかった」と吐露し、「ユカは良いところも悪いところもある。できるだけ無垢なまま寄り添おうと思った」と挨拶した。

嘘がテーマのひとつである本作について、児山監督は「周りの皆もユカに嘘をついている。彼女の嘘だけを断罪できるのか」「誰が良い悪いは答えがでないけれど、嘘との距離感を大切にした」と意識した点を明かした。ユカをとりまく男のひとり・北村良平役の栁は「正直ユカみたいな女性には近づきたくない(笑)だけど注意しても惹きつけられる魅力がある」、雑誌編集者・嵩村秋彦役の前野健太は「現実にユカと出会ったら僕は歌をつくってあげたくなると思う。入り込んじゃう女性」とその魅力を表現した。

撮影中のエピソードについて、金子は「児山組は熱がある。ひとつひとつ丁寧に撮影された」と語り、続けて前野は「僕の裸も丁寧に撮影された。あのシーンは本当に必要だったの?」と苦笑い。柳は見どころについて「見る人によって色々な視点や感想がでてくる広い作品」と感想を述べ、石川は「ユカみたいな理解されにくい人は世の中にたくさんいるはず。まわりにそういう人がいたら一歩手を差し伸べて欲しい」とメッセージを送った。

最後に、児山監督は満席の会場にお礼を述べるとともに「一体感が毎日感じられる素晴らしい現場だった。この映画がたくさんの人に届くことを願っています」「キャストの皆さんの活躍をこれからも見続けていってほしい」と観客席に溢れる想いを伝えた。

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映画『猿楽町で会いましょう』は全国で公開中!
監督:児山隆
出演:金子大地、石川瑠華、栁俊太郎、小西桜子、長友郁真、大窪人衛、呉城久美、岩瀬亮/前野健太
配給:ラビットハウス、エレファントハウス
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