A24が放つ傑作スリラー映画『ライトハウス』の本編映像が解禁され、併せて各界の著名人からコメントが到着した。

謎めいた孤島にやって来た“2人の灯台守”たちが外界から遮断され、徐々に狂気と幻想に侵されていく―。人間の極限状態を恐ろしくも美しい映像で描いた本作。北米ではA24の配給で公開され、わずか8スクリーンでスタートしたミニシアター系の映画としては異例の興行収入1,000万ドル以上の大ヒット。監督を務めるのは、長編デビュー作『ウィッチ』がサンダンス映画祭で圧倒的高評価を受け、一躍スター監督へと躍進したハリウッド屈指の才能、ロバート・エガース。そして、少しずつ狂気の世界に足を踏み入れていく2人の灯台守を演じるのは“新バットマン”にも決定、2020年に公開し大ヒットしたクリストファー・ノーラン監督『TENET テネット』で人気が爆発したロバート・パティンソンと、言わずとしれた世界の名優ウィレム・デフォー。実力と人気を兼ね備えた2大スターがW主演を務める。

今回解禁された本編映像は、夜の浜辺を歩いていたイーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)が、“何か”に導かれるように海中へと引き込まれた末に、この世に存在するはずの無い“人魚”が目前に迫ってくるという悪夢に怯える様子を切り取っている。夢と現実の境が曖昧なまま、屋根から漏れ出る水滴で目を覚ますが、次々と仕事を指示してくるトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)の言葉にようやく目が覚める。

本映像の背景に流れる金切り声のような弦楽器の音にも注目だ。「古代ギリシャ音楽のような偶然性の音を探していた」「バーナード・ハーマンのような古い映画音楽を思い起こさせる要素を取り込む必要がある」というエガース監督のこだわりを表現するために、『CUBE』(97)やエガースの前作でもある『ウィッチ』(15)など、ホラー映画音楽の巨匠とも言われるマーク・コーベンが人間の古典的な恐怖をジワジワと炙り出すような不穏な音楽を生み出している。

本編映像

桜庭一樹(作家)

ウィレム・デフォーの言葉は拳、ロバート・パティンソンの沈黙は盾。
二人の命をかけた縄張り争いのドラマから、「言葉とは何か?」と今一度深く考えさせられた。

乙一(小説家)

時代を超越した、怪奇幻想世界の映画フィルム。
狂気に蝕まれていく人間は、美しい!

小島秀夫(ゲームクリエイター)

35mm、モノクロ、閉塞感を煽る真四角に近いスクリーン、ふたりの役者、黒く畝る海、海鳥の鳴き声、仄かに薄暗い灯台。たったこれだけの素朴な古典的画材でエガース監督は才能をまた見せつける。光を求めて幻想の螺旋階段を登りつめていく、人間の狂気と闇の恍惚を「ライトハウス」は照らす。

深緑野分(作家)

光は呼ぶ、闇を、狂気を、渦潮から何者かを。ぬめぬめしたものが観客のうなじを逆撫でし、本当に狂っているのは誰かもわからなくなり、叫び出したくなる。

中野京子(作家・ドイツ文学者)

灯台守にしてポセイドン、樵<きこり>にしてプロメテウス。そしてこれまで見たどんな人魚よりも怖い人魚!

風間賢二(翻訳家・幻想文学研究家)

光の源は闇。めくるめく虚実の螺旋階段を転落させる、鬼才ならではの逆説的な展開に思考回路がショートする!

滝本誠(ライター)

(私見)エドワード・ホッパー描く白い《灯台》(1929前後)をミュンヘン象徴派フォン・シュトゥックの《水》(1910)のセイレーンで黒く変容させる・・・。監督のウイッチクラフト、ラヴクラフトのクラフト連打がたまらない。

人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)

画面に映るのはおっさんと灯台と動物だけ。なのに何だこの情報量の多さは!超絶変態演出の洪水に溺れる。
特に灯台を○○○に見立てたシーン、本当に参りました……。

SYO(映画ライター)

気が触れる。心が屠られる。そして絶頂に至る。絶望するほど甘美な地獄へようこそ。

鴻池朋子(アーティスト)

バケツに落ちる小便、人魚の匂い。映画という表象の光を生命の光へと追い込んでゆくその制作はすごい!

映画『ライトハウス』は2021年7月9日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:ロバート・エガース
出演:ウィレム・デフォー、ロバート・パティンソン
配給:トランスフォーマー
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