©Jean-Claude Lother


2019年の東京国際映画祭で観客賞&最優秀女優賞を受賞したフランス映画『動物だけが知っている(仮題)/Only The Animals(原題)』が『悪なき殺人』の邦題で12月3日(金)より公開されることが決定した。

第32回東京国際映画祭(2019)では、一般観客を対象にもっとも多くの支持を得た作品が表彰される「観客賞」と、ナディア・テレスキウィッツが「最優秀女優賞」を受賞するなど、「偶然」をテーマに練りに練られた脚本が映画ファンたちを唸らせ大きな話題を呼んだ本作。『ハリー、見知らぬ友人』(2000)でセザール賞を受賞し、25年のキャリアのうち製作本数はわずか6作という寡作作家ドミニク・モル監督の、日本公開は『マンク 破戒僧』以来10年ぶりとなる渾身の最新作がいよいよ公開される。

フランスの山間の人里離れた町で、吹雪の夜にある女性が行方不明となる事件が発生。この失踪事件を軸にした5つのストーリーを通し、ある5人の男女が思いもよらない形で繋がっていき、フランスからアフリカにまたがる壮大なミステリーに絡んでいた事実が次第に明らかになっていく…。人間の本能と滑稽さを、幾重にも重なる「偶然」という「必然」を通して描く極上のサスペンスドラマが繰り広げられる。

ドミニク・モル(監督)コメント

コラン・ニエルの原作を読み、このユニークな設定をすぐ映画化したいと思いました。
物語は猛吹雪の夜に行方不明になったある女性の謎の失踪事件を軸に、それぞれ秘密を抱えた5人のキャラクターを中心にした5つのストーリーが展開していきます。いかにそれぞれが絡み合い、補い合い、かつ、矛盾しているか。彼らがどう紐づいていて、失踪事件の真相は一体何なのか、この謎めいた世界観に、読んでいて好奇心がどんどん掻き立てられました。原作を3分の2くらいまで読み進むと、物語の舞台が雪で覆われたフランスの山間の町から、突如、灼熱のアフリカに移り、驚かされました。私たちにとって物語の中心は、失踪事件の真相解明ではなく、登場人物たちと、彼らが取ってきた行動を通して彼らがそれぞれどんな夢を抱き、どんな世界に生きているかを描くことにあるのです。
 本作は5つの「愛」の物語で構成しています。誤解や秘密、妄想、失望、幻滅から生じたフラストレーションの溜まった非対称の愛の物語です。どのキャラクターも愛したい、そして愛されたいという衝動にかられて行動しています。愛を求め、愛を信じ、愛を分かち合い、愛に生きる。それを叶えたくて彼らはみな理想を想像し、その想像が彼らを動かします。それが良い方向に転じる場合もあれば、悪い方向に転じることもあるのです。

映画『悪なき殺人』は2021年12月3日(金)より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開、12月4日(土)よりデジタル公開!
監督:ドミニク・モル
出演:ドゥニ・メノーシェ、ロール・カラミー、ダミアン・ボナール、ナディア・テレスキウィッツ
配給:STAR CHANNEL MOVIES
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