加賀まりこ主演・塚地武雅と親子役で初共演の映画『梅切らぬバカ』の予告編が解禁された。

母親と自閉症を抱える息子が社会の中で生きていく様を温かく誠実に描く本作。愛情と包容力にあふれる母親・珠子を演じるのは、54年ぶりに主演を務める加賀まりこ。軽口を叩きながらも、小柄な身体で大きな息子の世話をする姿はとてもチャーミング。だからこそ、やがて訪れる“息子が1人で生きる未来”を案ずる横顔が、より一層切なく観る者の胸に迫る。息子・忠男役にはドランクドラゴンの塚地武雅。さらに珠子たちの家の隣に引っ越してきた里村夫婦を、渡辺いっけいと森口瑤子が演じ、珠子と交流を深めていく里村家の息子・草太をドラマ「浦安鉄筋家族」の小鉄役が記憶に新しい斎藤汰鷹が好演。地域コミュニティとの不和や偏見といった問題を取り入れながらも、揺るぎない親子の絆と、他者との触れ合いを描き、あたたかな感動をもたらす。

今回解禁された予告編はポスタービジュアルと同じ、梅の木がある庭で珠子(加賀)が忠男(塚地)の髪を切るシーンから始まる。珠子は正直が取り柄の占い師で、初対面でも一言目から「離婚の相談でしょ?後悔のオーラを纏ってるわ」とズバッと言ってしまう。自閉症を抱える忠男は、几帳面で毎朝決まった時間に起き、朝食をとり、家を出る。近くの乗馬クラブで、大好きな馬に挨拶するのも日課だ。都会の古民家で寄り添い暮らす親子2人の何気ない日常が、ユーモラスに描かれている。しかし、ある日、ぎっくり腰になった忠男とそれを支えようとした珠子は2人で床に倒れ込んでしまう。「このまま共倒れになっちゃうのかね…?」という、この先を案じた珠子の印象的な台詞が響く。

そして、悩んだ末に珠子は忠男のグループホーム入居を決めるのだった。最後は「忠さんがいてくれて、母ちゃんは幸せだよ」という珠子のあたたかく、力強い台詞が涙を誘う。良いことばかりではないけれど、ただ2人寄り添い一緒に笑って過ごすありふれた毎日こそが人生の宝物だというメッセージが、珠子の想いと重なり胸に迫る予告編に仕上がった。また、女優の天海祐希さんから届いた「太陽の様な母親珠子さんは、私まで優しく包み込んでくれた」という、加賀演じる珠子の存在の大きさがうかがえるコメントも添えられている。

予告編

映画『梅切らぬバカ』は2021年11月12日(金)シネスイッチ銀座ほか全国で公開!
監督・脚本:和島香太郎
出演:加賀まりこ、塚地武雅/渡辺いっけい、森口瑤子、斎藤汰鷹/林家正蔵、高島礼子
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2021「梅切らぬバカ」フィルムプロジェクト