「2021東京・中国映画週間」の閉幕式、第6回ゴールドクレイン賞の発表がTOHOシネマズ日本橋にて行われ、滝田洋二郎監督、行定勲監督、常盤貴子、野村周平、三吉彩花らが各賞のプレゼンターとして登壇した。

中国で話題の映画作品を日本に紹介する日本で唯一の映画祭として、 今年で16回目の開催となる「東京・中国映画週間」は10月25日(月)~31日(日)の7日間にTOHOシネマズ日本橋店にて開催され、オープニング作品『1921』をはじめ、全8作品が上映された。コロナ禍のため、受賞者たちの来日は叶わなかったが、豪華ゲストが登壇し中国舞踊やオーディションで選ばれた明音亜弥による人気アニメのテーマソングが披露されるなど会場を盛り上げた。

最優秀新人賞の発表をした三吉はスタイルを生かした白のロングドレスで登場し、中国語で挨拶をした。また、野村周平は中国語での挨拶を求められると流ちょうな中国語で挨拶をし、日本語でもお願いしますと司会者から言われると「4分の1クオーターで中国の血が混ざっていまして、少しだけ中国語を話せるということで今日はどの作品が入賞されるか本当に楽しみで待っていました。ということでしたよ」と返答し会場の笑いを誘った。

常盤貴子は中国語で短く挨拶をすると「ここまでです」と照れ笑いを浮かべ、来日が叶わなかった受賞者へ「直接お祝いを申し上げるのは少し先になってしまうのですが、心では同じ映画人として心からお祝いを申し上げます本当に本日はおめでとうございます」と賛辞を贈った。

行定勲監督は中国語で「皆様こんにちは」と挨拶をし、中国映画とのかかわりを「中国映画界とはリスペクトできる第5世代、第6世代の監督たちに非常に影響を受けてきました」と語り、「2013年に三浦春馬くんと共に上海で撮影した『真夜中の5分前』という作品は私にとって忘れがたい作品となりました」と明かした。

また、「アジアの一員としてそれぞれの国の才能と才能がぶつかり合って思い通りにならないことを乗り越えた結果が映画の中に生きています。そういう形でこれからも刺激しあい、そして影響を中国映画から与えられ、またアジアの映画を発展させていければなという風に思っていております」と想いを語った。

滝田監督は今回選出された8作品に長く中国の映画を牽引しているチャン・イーモウ監督らに対し、「刺激を受けました。我々もコロナで休んでいる場合じゃないと思います。日本映画も元気になりますように祈っております」と意気込みをみせた。

そして、第6回ゴールドクレイン賞最優秀作品賞はチャン・イーモウ監督、映画『懸崖の上』が受賞した。チャン監督はビデオメッセージにて撮影期間中にコロナ禍になってしまい「一度は撮影が50日間も停止しました」と明かし、「皆さんの尽力により困難を乗り越え本作の完成に漕ぎつけることができました」と出演者やスタッフへ感謝の意を表した。

【写真・文/片岡由布子】