『真夜中乙女戦争』のティーチイン付き試写会が12月23日(木)に都内で行われ、二宮健が登壇した。

作家Fの初の小説を映画化した本作。主人公の大学生“私”を演じるのは、大人気グループKing & Princeのメンバーとして活躍しながら俳優としても精力的に活動する永瀬廉。主人公がひそかに恋心を抱く、“かくれんぼサークル”で出会った冷酷で凛々しく聡明な“先輩”役には池田エライザ。圧倒的なカリスマ性をもち、一連の騒動を首謀する謎の男“黒服”役には柄本佑。脚本・監督を務めるのは、『チワワちゃん』『とんかつDJアゲ太郎』などを手掛け、その表現力で高い評価を受ける29歳の俊英・二宮健。

本作で監督・脚本・編集を務めた二宮健が登壇し、本編上映後に行われた今回のイベント。観客からは「東京タワーを下からなめるように上がっていったり、夜景が上から下りてきたり、主人公の部屋の中を回転させて撮ったりするなどカメラの動きが面白いなと思いました。カメラワークでのこだわりがあれば教えてください」と本作ならではの印象的なカメラワークについて質問が挙がり、「今回撮影と音楽を担当しているスタッフが同じで、堤裕介という付き合いの長い僕の親友が担当しています。彼は本業が音楽家なので初めてカメラマンとしての参加だったのですが、思い切ってチャレンジしてもらいました」とプライベートでも長く親交のある堤を起用したことを明かす二宮監督。

ラストシーンの台詞に込めたメッセージついて質問が出ると、二宮監督は「良い意味で原作も混沌としていて、初めて読んだ時に、読み進めながらこれってどこに向かっていくんだろうという気持ちがありました。なので、映画にする上でラストシーンにおける台詞をどうお客さんに響かせるかというところはすごく考えましたし、本作が動き出した時よりも時代が実際に(新型コロナウイルス感染症によって)混沌としたことで、あのラストシーンがより深く人に届けられるのではないかと思っていました。なので、その言葉が聞けて嬉しいです」と観客からの反応に喜びを見せる場面も。

そして、本作に込めた想いを尋ねられると「一言では言えないですが、僕はこの映画にたくさんの希望と誰かの背中を押したいという想いを込めて作っています。“どこがそう見えるの?”という解釈があっても良いと思うんですが、少なくとも僕やプロデューサー陣、メインキャストの皆は観た方の背中を押したいという気持ちで作っていたのは間違いないです」と、熱い想いについて語った。

また、「劇中に出て来た映画が『アウトブレイク』や『吸血鬼ノスフェラトゥ』というヨーロッパの伝染病をモチーフにしている映画だったりして、実際途中でもマスクをつけているシーンがありますが、コロナがこの作品に与えた影響がどのぐらいあるのか」という質問には、コロナ禍の影響で撮影が1年延期し、脚本を一度更地に戻した経緯も踏まえて「ゴジラを作ろうと思っていたら、撮影前に本当に怪獣が現れたという気持ちです」と当時の衝撃を語り、「今生きている世界を反芻するような、それを投げかけるような映画に出来ればと思いました」と話した。

“平凡で退屈な日々を送る青年が自分自身と東京を破壊するまでの夜と恋と戦争”を描いた物語から「東京を爆破するなど、非現実的な状況を描いた中で、一番監督やキャストが苦労したシーンを教えてください」という質問に「基本的に撮影は大変なのでどこが一番苦労したかというと分からないですが、ラスト20分で描かれる“私”と“先輩”のシークエンスは物語の中でも肝になるというのは我々の中で感じていました。キャストも僕もラスト20分のシーンに対する思い入れが強かったです」と答えた二宮監督。イベントでは他にもネタバレに関する質問なども飛び交った。

『真夜中乙女戦争』は2022年1月21日(金)より全国で公開!
脚本・監督:二宮健
出演:永瀬 廉(King & Prince)、池田エライザ、篠原悠伸、安藤彰則、山口まゆ、佐野晶哉(Aぇ! group/関西ジャニーズJr.)、成河/渡辺真起子、柄本佑
配給:KADOKAWA
©2022「真夜中乙女戦争」製作委員会