第42回青龍映画賞で新人監督賞受賞した映画『ひかり探して』に各界の著名人からコメントが到着した。

台風が吹き荒れるある日の夜、遺書を残し離島の絶壁から身を投げた少女。休職を経て復帰した刑事ヒョンスは、少女の失踪を自殺として事務処理するため島に向かう。少女の保護を担当した元刑事、連絡が途絶えた少女の家族、少女を最 後に目撃した聾唖の女、彼らを通じて少女がとある犯罪事件の重要参考人だった事実を知ったヒョンスは、たった一人孤独で苦悩していた少女の在りし日に胸を痛める。捜査を進めていくにつれ、自身の境遇と似ている少女の人生に感情移入するようになり、上司の制止を振り切って、彼女は次第に捜査に深入りして行く…。

李琴峰(作家・翻訳家)

私が死んだ日に、光を探して――
少女の自死の裏を追いかける女性刑事が辿り着いたのは、
女たちの友情と助け合い、傷を負った者同士の共感と連帯だった。
それは海に降り注ぐ黄金色の西日のようにきらきらしていて、美しかった。

宇垣美里(フリーアナウンサー)

ちっとも優しくない世界で
ひとりぼっちな少女の眼差しが切ない
私たちの前に横たわる現実はただただやるせないけれど
戦うこと、生き抜くことを決めた人の横顔は
なによりも美しくて
力がふつふつと湧いてくるのを感じた

児玉美月(映画執筆家)

手を繋いでいっそ脱してしまおうか。
手を携えてそれでも闘い続けようか。
こんな腐敗した社会のなかで、そんな「死んで」は「生まれて」相克する思考から、
この結末はわたしを逃してくれない。

野村由芽(編集者・me and you)

自分のために生きる理由があなたにあると誰かにまっすぐ信じてもらえることは、
生きる時間を未来に運ぶ。
まだ会ったことのない誰かとの偶然の交わりに、誰もが助けられるかもしれない。
そういう光が映っていた。

斎藤真理子(韓国文学翻訳家)

女性が撮った女性映画で演技する女性たち。
キム・ソニョン、ムン・ジョンヒ、キム・ジョンヨン。
主役だけじゃない。これらの俳優さんたちが動き、話すのを見ているだけでも
幸せになれる。

玄理(俳優)

煌びやかでゴージャスそのものだった昔のキム・ヘスより
今の飾らない逞しい彼女が好きだ。
ポケットに手を突っ込んでのしのし歩く彼女の怒った肩が、
人生の長さを教えてくれる。

『ひかり探して』は2022年1月15日(土)よりユーロスペースほか全国で順次公開!
監督・脚本:パク・チワン
出演:キム・ヘス、イ・ジョンウン、ノ・ジョンイ、キム・ソニョン
配給:スモモ、マンシーズエンターテインメント
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