伝説のジャズシンガー、ビリー・ホリデイとFBIの対決を描いた映画『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』の本編映像が解禁された。

没後60年以上経っても強烈なカリスマ性が現代のアーティストたちに影響を与え続けているビリー・ホリデイは、執拗にFBIに追い続けられた。理由は、彼女の大ヒット曲で人種差別を告発する楽曲「奇妙な果実」を歌い続けたから…。披露したら逮捕すると脅されながらもステージに立ち続けた彼女の短くも壮絶な人生をFBIとの対決に焦点を当てて描く。主演は、本作が映画初出演となるグラミー賞ノミネート歌手のアンドラ・デイ。

今回解禁された本編映像は、1947年フィラデルフィアのアール劇場、満員の会場に警察が並び構える異様な光景から始まる。緊張感漂う重々しい空気の中、ビリー・ホリデイ(アンドラ・デイ)がステージに立つと会場は一気に拍手と歓声に包まれる。「『奇妙な果実』を頼む」という声が飛ぶ中、ビリーが「奇妙な果実」を歌いだすと、警官が「やめさせろ」と動き始める。歌い続けようとしたビリーだったが「逃げるぞ」とバンドメンバーに抱えられステージを降ろされる。「私はこの歌を歌うのよ。邪魔しないで!」とビリーが激しく叫び、観客と警官がステージに押し寄せ―。

観客にも白人が多くおり、ビリーが歌う「奇妙な果実」が肌の色や身分の違いを超えていかに人々を魅了していたか、そしていかに合衆国から危険視されていたか分かる象徴的なシーン。アンドラはその理由について「彼女にはまるで磁石のように人を引きつける魅力がありました。そして、彼女はその力を利用して、アメリカの人種差別の恐ろしさ、リンチについて語ったのです。彼女には人々をひとつにまとめる力があり、当時の国の体制や(人種差別という)大衆文化に反駁したから、(当局が)あれほど怖がったのだと思います」と語る。そして「この歌に刺激されて、私たちには物事を前に進めさせる力が確かにあるのだと、どうか思い出してほしい」と力強いメッセージを送っている。

本編映像

『ザ・ユナイテッド・ステイツvs.ビリー・ホリデイ』は2022年2月11日(金)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督:リー・ダニエルズ
出演:アンドラ・デイ、トレヴァンテ・ローズ、ギャレット・ヘドランド
配給:ギャガ
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