ディズニー&ピクサー最新作『私ときどきレッサーパンダ』で初の長編アニメーション作品に挑むドミー・シー監督が、主人公が“レッサーパンダ”の理由を明かしている。

『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』のディズニー&ピクサー最新作。いつも“マジメで頑張り屋”のメイは、ある出来事をきっかけに本当の自分を見失い、感情をコントロールできなくなってしまう。そして翌朝めざめると、レッサーパンダになってしまった。突然の変身に隠された、メイも知らない驚きの<秘密>とは…?“自分らしさは、ひとつじゃない”――どんな自分も好きになれる、“じぶん解放”エンターテイメント。

『リメンバー・ミー』ディズニープラスで配信中
©2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

これまでのディズニー&ピクサーは、リー・アンクリッチ監督の祖先に会いたい想いから誕生した、“死者の国”を描く『リメンバー・ミー』や、ピート・ドクター監督が親として感じた想いから生まれた、“頭の中の世界”を描く『インサイド・ヘッド』など、監督らの経験を基に誕生させることが多い。そして、最新作の本作でも同様な手法が採用されており、初の長編アニメーション作品に挑むドミー・シー監督自身の<思春期のちょっとした心境の変化>を、<レッサーパンダに変身してしまう>という“もしも”の世界で表現しているが、その背景には監督の並々ならぬ“レッサーパンダ愛”が隠れていた。

『インサイド・ヘッド』ディズニープラスで配信中
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『モンスターズ・インク』、『ソウルフルワールド』などの監督を務めてきた、ピクサー・アニメーション・スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのピート・ドクターは「ピクサーで作る作品は自分たちが経験したことが基になっていることが多いね。だから、作品のテーマを意識してなくても自然と浮かび上がってくるんだ」と、数々の名作たちを生み出してきたピクサー流のアイディア考案法を語っていた。

本作の主人公メイは、母親の前ではいつも“マジメで頑張り屋”のいい子だが、友達と好きなことを共有したり、ハメを外して遊んだりする明るい自分を母親には秘密にしている女の子。ある出来事をきっかけに自分を見失い、感情をコントロールできなくなってしまったメイが、翌朝目を覚ますと…なんとモフモフなレッサーパンダになってしまう。デビュー作『Bao』でアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したドミー・シーは以前、自身のアイディアの源を「まず“自分が大好きなもの”を考えるの」と語っていたが、本作の“レッサーパンダ”の構想について「最初からレッサーパンダをイメージしてたわ。彼らは本当に可愛いし、歳をとってもずっと可愛いの。彼らに焦点を当てた作品を作りたかった」と、好きなものを追求した結果、“モフモフなレッサーパンダ”に行きついたことを明かしている。

さらに、主人公メイについては、これまでのディズニー&ピクサー監督同様、自身の体験を基に生み出したようで「彼女は活発で、自信にあふれていて、何に対しても情熱的で、でも少し風変わりで、ちょっと頑固なの。あの年齢のころの私は、まさしくメイだった。そんな思春期のちょっと愛らしくない状態を可愛らしいレッサーパンダで表現しているのよ」と語っている。突然の変化を受け入れることができず困惑しながらも、<本当の自分らしさとは?>と悩み自分と向き合おうとするメイ。友達と全力で笑ったり、母に怒られて落ち込んだり、そんな“リアルな女の子”の心情を表現できているのは、監督自身の性格を随所に反映しているからだった。

また、シー監督は、自身の体験や好みを大事にする一方、周囲の意見も積極的に作品に取り入れていたようで「私だけの視点は限られているから、社内外のチームの意見を集めたの。できるだけ多くの人の経験を作品に取り入れたかった。それがたくさんの人の共感を呼ぶことになるのよ」と、誰もが共感する作品制作法の一端を打ち明けた。

“自分らしさは、ひとつじゃない”―――レッサーパンダになったことでメイが見つけた、“本当の自分”とは?今を生きる人々を笑顔で包み込み、誰もが驚き、笑って、思わず泣いてしまう奇想天外な物語が、この春やってくる―。

『私ときどきレッサーパンダ』は2022年3月11日(金)よりディズニープラスで見放題独占配信!
監督:ドミー・シー
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©2022 Disney/Pixar. All Rights Reserved.