『今はちょっと、ついてないだけ』の公開記念舞台挨拶が4月9日(土)に新宿ピカデリーで行われ、玉山鉄二、音尾琢真、深川麻衣、団長安田(安田大サーカス)、柴山健次監督が登壇した。

部屋に差し込む朝の光、コーヒーの香り、湖を渡る風…。シェアハウスと自然を舞台に、ゆったり流れる時間の中で、日々を丁寧に生きようとする不器用な大人達の輝きを見つめる映画が誕生した。かつてはスター・カメラマンだった寡黙な主人公を演じるのは、『カフーを待ちわびて』以来13年ぶりの映画主演となる玉山鉄二。シェアハウスの仲間達に音尾琢真、深川麻衣、団長安田(安田大サーカス)、ほか高橋和也らが顔を揃える。「四十九日のレシピ」他が映像化された作家・伊吹有喜の同名小説(光文社文庫刊)を原作に柴山健次監督が映画化。ままならない現実を「今はちょっと、ついてないだけ」と受け入れ、“心が本当に求めるもの”を重ねる日々に見出していく丁寧な生き方が、心をそっと幸せで満たす。

「嬉しさと興奮と、感激しています。満席ですよね」と感慨深げに挨拶した玉山。「団長さんのファンなんです。ピュアだし」という玉山だが、撮影時には「初日に(団長が)“おれ映画やってる感”で。それ違いますよと」と暴露すると、団長安田は「緊張してたんですよ(笑)いじってくれたおかげで、緊張する間もなく始まったのでよかったです」と感謝の気持ちを口にした。

地方での撮影時にはサウナに行ったという玉山だが、疲労から「ととのってる時に外で素っ裸で寝ちゃってて。タオルがかかってたんです」という玉山だが、そのタオルを実は団長がかけたことが明かされると「風邪ひかなかったのは団長さんのおかげ」と笑顔を見せた。それに団長は「微動だにしないから(笑)動かんなあって…」と心配もあったことを明かした。さらに音尾は「その前日に初めてサウナに連れて行ってもらいました。初めてととのう感じを体験しました。いいもんだなと」と笑顔を見せた。

そんな音尾について「ガチキャンプして現場に来た。長野県の撮影に車で来て」と明かす団長に、音尾は「ソロキャンプをしたいと思っていて、ちょうどいいと。ソロキャンプ前乗りをして、次の日の(撮影の)前乗りをした」と照れ笑いを浮かべた。また、劇中ではカヤックのシーンもあるが「一番上手だったのは団長」という音尾。団長は「ロケでいろんなことやるので」と経験を活かしたシーンだったことを明かした。

そんな和気あいあいとした3人に囲まれた深川は「みなさん先輩方なんですけど気さくに話してくださったり、おいしい料理の作り方を教えてくださったり優しかった」と明かし、「映画の中での3人の空気感ともリンクして、年の離れたおじさまたちが楽しそうに人生を前向きに好きなことをして楽しんでる姿が素敵だなと思いました」と笑顔で語り、これを聞いていた音尾は「言い方に気を遣ってくださって…」と恐縮した様子でコメントし、笑いを誘った。

イベントの終盤では、4月7日に42歳の誕生日を迎えた玉山をサプライズでお祝い。フラワーケーキが登場すると団長が記念撮影する場面もあった。ここで“先輩からのアドバイス”を求められた音尾は「鉄二、撮影の前にはソロキャンプ行けよ」とアウトドアの提案をし、会場の笑いを誘った。

最後に深川は「生きてたらいろんなことがありますけど、前に進めるかもとちょっとでもスイッチを切り替えるきっかけになったら幸せです」、玉山は「ちょっと生きづらいかなと思っている方もいると思います。でもちょっぴり自分を甘やかせて、新しいことに挑戦したり、新しいスタートを切ったり、セカンドチャンスととらえてもう一回スイッチを入れたり、自分と向き合って、自分のことを優しく包み込んであげてもいいかなと思いました。ちょっとだけ背中を押してもらえる作品になっていると思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『今はちょっと、ついてないだけ』は全国で公開中!
監督/脚本:柴山健次
出演:玉山鉄二、音尾琢真、深川麻衣、団長安田(安田大サーカス)/高橋和也
配給:ギャガ
©2022映画『今はちょっと、ついてないだけ』製作委員会