『メタモルフォーゼの縁側』の世界最速上映会イベントが4月27日(水)に都内で行われ、芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平(なにわ男子)、狩山俊輔監督が登壇した。

2017年に連載が始まって以降、じわじわと話題を呼び「このマンガがすごい!」「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門」など数々の漫画賞を受賞した鶴谷香央理の漫画「メタモルフォーゼの縁側」を実写映画化した本作。主人公・佐山うららは、周囲に馴染めずひとりこっそりとBL漫画を読むことを毎日の楽しみにしている17歳の女子高生。もうひとりの主人公・市野井雪は、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の老婦人。雪がキレイな表紙に惹かれて買った漫画がBLだったことをきっかけに出会ったふたりが、一緒に漫画を読んで、一緒に笑って、一緒に泣いて、時には激論を交わし、BLで繋がった2人が育む年の差58歳の友情と挑戦が描かれる。うららを芦田愛菜、雪を宮本信子が演じる。

昨晩は「緊張して寝れなかった」という高橋は、この日は「生まれたての子鹿くらいに足が震えてる」と緊張した面持ちで挨拶した。本作では芦田演じるうららと、宮本演じる雪のBLで繋がった友情を描いているが、「雪さんとうららの2人の関係性を見て、友達になるのに年の差なんて関係ないと思いました」という芦田。宮本も「こんなにいいお話はそうそうないと思いました」と本作の感想を語った。『阪急電車 片道15分の奇跡』(2011)で共演した芦田と宮本だが、「それがあったからこそうまく芝居ができた」と約10年ぶりの共演を喜ぶ宮本。芦田も「(本作の撮影時に)何気なく肩に手を置いてくださったのが嬉しかった。撮影が毎日楽しかったです」と撮影を振り返った。

なにわ男子のデビュー後初の映画出演となる高橋は「メンバーが誰もいないのはこんなに緊張するんだ」と振り返りつつ、「(狩山監督からは)僕が緊張しているときに元気づけてくれていた。愛菜ちゃんは、僕の他愛もない話を笑って聞いてくださった」と明かした。その芦田とは幼馴染役の高橋だが「しっかりしていて。どっちが年上か分からなくなる」と芦田の印象を語った。一方で芦田も「分け隔てなく接してくださる方だなと思って嬉しかった」と高橋の印象を語った。

この日は“愛菜ちゃん”と呼んでいた高橋だが「最初に会った時に“さん”と呼んでいたんですけど、言いづらいなと思って勝手に“ちゃん”に変えたんですけど、“ちゃん”か“さん”、どっちがいいですか?」と芦田に問いかけ、これにはMCからも「今ですか!?」と思わずツッコミが入った。「“ちゃん”は申し訳なさもありますし、“さん”は言いにくかったので」という「呼びやすいほうで呼んでいただいて大丈夫です」と照れ笑いを浮かべる芦田に「じゃ、(愛菜)ちゃんで」と呼び方を決まると会場からは笑いが起きた。

作品の内容にちなんで、“壁にぶつかりそうになった時にどのように乗り越えるか”を聞かれた芦田は「書き出すようにしています。投げ出したくなっちゃうこともあるので、やらなきゃいけないこととか、考えていることを書いてみると、思っているよりそうでもないかもしれないと思える。To Doリストを線で消していく達成感もある」と解決法を語った。高橋は「一種のゲームとして考えています。壁にぶつかったら、ラスボスなんだなと。ボスが来たみたいなゲーム感覚で」と自身の考えを語った。

また、“いま推しているもの”を聞かれると、芦田は「最近ジャズに興味があって。今まで何となくBGMで流していたんですけど、しっかり聞きたいなと思いはじめて。父もジャズが好きなので教えてもらいつつ、ちょっとずつ聞いています」と明かし、高橋は「推したいものと言えばなにわ男子になってくるんじゃないかと。この映画を気に、なにわ男子の名前が広まればいいなというと思います。本日4月27日は、なにわ男子の2ndシングル『The Answer/サチアレ』の発売日になるのでお願いします」とPRをし、会場からは拍手が起こった。

最後に高橋は「撮影していた時はJr.の時だったので、デビューして公開に臨めるのはうれしいことだと思います」、芦田は「この映画の魅力はうららが雪さんに受け止めてもらえたみたいに、映画を見ている私たちもこの映画に包み込んでもらえる、自分に自信が持てない自分とか、好きなものにのめりこんでいく自分を映画が温かく受け止めてくれるような気がしています。自分にもうららみたいに、素敵な出会いがあったり、楽しい日々が待ってるんじゃないかなと思わせてくれる作品だと思います」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『メタモルフォーゼの縁側』は2022年6月17日(金)より全国で公開!
監督:狩山俊輔
出演:芦田愛菜、宮本信子、高橋恭平(なにわ男子)、古川琴音、生田智子、光石研、汐谷友希、伊東妙子、菊池和澄、大岡周太朗
配給:日活
©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会