ホアキン・フェニックス主演のA24製作映画『カモン カモン』の本編映像が解禁された。

NYを拠点に全米各地を取材して回るラジオジャーナリストのジョニーは、LAに住む妹が家を留守にする数日間、9歳の甥・ジェシーの面倒を見ることに。それは彼にとって、子育ての厳しさを味わうと同時に、驚きに満ち溢れたかけがえのない体験となる。それぞれの孤独を抱えたふたりは、ぶつかりながらも真正面から向き合うことによって、新たな絆を見出していく―。主人公ジョニーを演じるのはホアキン・フェニックス。ホアキンの相手役ジェシーを務めたのは、オーディションで選ばれ、英国アカデミー賞の助演男優賞ノミネートされた新星ウディ・ノーマン。

今回解禁された本編映像は、ニューヨークのピザ屋でのジョニーとジェシーの会話シーン。普段は、アメリカ中の子供たちをインタビューしてまわるジョニーだが、今回は立場逆転でジェシーからの質問を受ける側に。ジェシーは「なぜママを兄妹っぽくしないの?」「なぜ独りぼっちなの?」とストレートに問いを投げかける。ジョニーはおどけて、「誰が気にする?答えは薄っぺら」とはぐらかすが、なおも、ジェシーは真面目な顔で「パパが病気でママに別れろと?そう言ったの?」と尋ねる。

ここでジョニーは、言葉に詰まりながらも、今までとは違って真剣な表情でジェシーと向き合い、「人は自分の行動を完璧に理解しないこともある。でもママやパパを傷つけようとは思わない。君のことも。すべてがうまくいくように望んでいた」と説明する。納得いかない様子のジェシーは、「ぺらぺら。ぺらっぺら」と、先ほどのジョニーの言葉を真似る。最後はジョニーも「そうかもしれないな。ぺらっぺら」と認め、ピザ屋を後にした2人。ジェシーが手を差し出すと、ジョニーは手を握り返し、2人は歩き始めるのだった。

何かとぶつかり合う2人が対話によって、ぐっと距離を縮めるこのシーンは、本作のテーマを象徴する場面でもある。ミルズ監督は「ジョニーが気づくのは、聞くことが“親”になる最短の道だということだ。ジェシーをより理解したいと思ったとき、彼はジェシーの遊びに参加し、その話に耳を傾けるようになる。それは僕自身の経験に基づくものだよ。僕が観る人に示したいのは、周りの人たちに好奇心を持つこと、そして周りの人たちを理解することの大切さだ」と語る。

一方で、甥っ子に振り回されながらも、歩み寄ることを止めない心優しい伯父を演じたフェニックスは、本作に込められたメッセージについて「この映画には、たとえ親でなくても、子供に残す世界や取るべき行動について、僕たち大人が、子供の未来に対して責任があるということを描いている。また、子供を守ることを通して、人間としてより好奇心を持ち、オープンになることができるという考えも非常に興味深く感じるよ」と話す。

実は、このシーンにはちょっとした裏話も。ロケ地となったピザ屋は、実際に存在するニューヨークの店「Scarr’s Pizza」で、ミルズ監督御用達。「ジョニーがあのエリアで暮らしているという設定なんだ。“Scarr’s Pizza”は僕自身も大好きなピザ屋だよ。少し前にNYを訪れたんだけど、滞在中に2回も行ってしまった。インテリアも美しいし、僕にとっては特別な意味を持つエリアなんだ」と明かしている。

また、ジェシー役を演じたノーマンからは「監督から、ホアキンをちょっと驚かせると言いますか、“質問で困らせて”という指示を受けていたんです。特にピザ屋さんでの場面は、困らせることを考えていっぱい質問をした場面で、ホアキンが必死に笑いをこらえているのが面白かった(笑)顔が歪んで、今にも笑いだしそうな場面が印象深いです」というエピソードもあり、ホアキンの表情にも注目だ。

本編映像

『カモン カモン』は全国で公開中!
監督・脚本:マイク・ミルズ
出演:ホアキン・フェニックス、ウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマン、モリー・ウェブスター、ジャブーキー・ヤング=ホワイト
配給:ハピネットファントム・スタジオ
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