『死刑にいたる病』の公開記念舞台挨拶が5月7日(土)に新宿バルト9で行われ、阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典、白石和彌監督が登壇した。

理想とは程遠いランクの大学に通い、鬱屈した日々を送る雅也(岡田健史)に届いた1通の手紙。それは世間を震撼させた連続殺人事件の犯人・榛村(阿部サダヲ)からだった。24件の殺人容疑で逮捕され、9件の事件で立件・起訴、死刑判決を受けた榛村は犯行当時、雅也の地元でパン屋を営み、雅也はよく通っていた。榛村の願いを聞き入れ、雅也は事件を調べ始めると、想像を超える残酷な事件の真相があった―。『凶悪』で注目を集め、『孤狼の血』でも数々の映画賞を獲得、高い支持を得ている白石和彌監督が作家・櫛木理宇の最高傑作を映画化。阿部サダヲ×岡田健史がW主演を務める。

上映後の舞台挨拶に登壇し、会場を見渡した阿部は「怖いですか?」と観客に問いかけたつつも、撮影中は「楽しかった」と笑顔を見せた。岡田は「純粋に見て欲しいと強く思えた作品」と自信を見せた。本作を午前中に鑑賞したという岩田は「少し食欲がなくなりました(笑)」と笑いつつ、「すごいものを見てしまった」と衝撃を受けたことを明かし、特に阿部の演技には「邦画史に残るくらいのインパクトがありました」と絶賛した。

初号試写では何回も続けて見たという岡田だが「毎回笑えるツボが違う」と阿部の演技の凄さに驚きのあまりにおもしろくなってきたという。そんな阿部は「普通に演じました。普通の人に見えるように…普通って何ですか?(笑)」と自然な演技を心掛けたといい、「晴れときどき殺人みたいな(笑)」と表現すると、会場は笑いに包まれた。

ビジュアル面からもギャップが大きいという岩田は「新しいチャレンジでしたし、白石監督は普段僕のことをどう思ってるんだろうなと感じて(笑)僕母親似なんですよ。長髪にすると面影あるなと」と明かすと、会場からは驚きの声も上がった。そんな岩田に、白石監督は「難しい役なので思い切ってお願いした」と信頼して、役を任せたことを明かした。

また、“病的にハマっていることやもの”をフリップで紹介。「爪が顔」と書いた阿部は「僕は爪が好きなんでしょうね。最近爪をずっと見てるんですけど、爪が顔に見えてくる」と意味深な発言が飛び出し、さらに「左手の薬指の爪をずっと見てると天海祐希さんに見えてくる」と言い、岡田にその爪を見せるなど必死にアピールしたが同意は得られなかった様子。「ベランピング」と書いた岩田は「ベランダで治癒する。コーヒー飲んだり、食べたり」とベランダで過ごす時間を明かしつつ、「ベランダでたまに爪も眺めながら…(笑)」と阿部の話に乗っかり、笑いを誘った。

最後に白石監督は「サイコスリラーなんですけど中毒性が高い。映画を見た後の街の景色もきっと変わるんじゃないかと思う」、岩田は「オファーいただいたのが何年も前だったんですけどいろんなことがありまして、本当に公開されるのかなと自分の中でも不安だった部分があったんですけど、(無事公開されて)本当に感慨深いです」、岡田は「思い入れがある映画です。自分自身の芝居のクオリティも含め、関わってくださった方の人格も含め、大事にこの身に宿していきたい作品です。これからも『死刑にいたる病』がみなさんの人生に刻まれたら幸いです」、阿部は「しゃべりたいこといっぱいあると思います。見終わってからいっぱい話せる映画っておもしろい映画だと思うので、いろんな方にお伝えして」とメッセージを送った。

【写真・文/編集部】

『死刑にいたる病』は全国で公開中!
監督:白石和彌
出演:阿部サダヲ、岡田健史、岩田剛典/宮﨑優、鈴木卓爾、佐藤玲、赤ペン瀧川、大下ヒロト、吉澤健、音尾琢真、岩井志麻子、コージ・トクダ/中山美穂
配給:クロックワークス
©2022映画「死刑にいたる病」製作委員会